見出し画像

豆知識⑧ 購買力とインフレ

2種類のインフレについてはこちらでも一度説明しておりますが、

もう少しインフレ・デフレについて説明させていただきます。

まず、1.デフレ(デフレーション)とは何でしょうか?
通貨の価値が高くなる、通貨高になるのと同時に物価安になることです。
その結果、消費者の生活が豊かになる=商品の購買力が上がるのであれば、もちろんデフレは悪いものではないでしょう。
しかし現実にはそうなりません。
物価が下落するとともに、物価に転化されていた人件費が削減され、我々の給与が減り、私たちは物価安にもかかわらず
「商品の購買力が下がる」
という状態になります。

それでは、2.コストプッシュインフレとは何でしょうか?
それは通貨安になると共に、物価高になることです。
物価高になる原因は増税・戦争・災害・原油高などの「外的要因」です。
その結果、消費者の生活が豊かになる=商品の購買力が上がるでしょうか?
給与額が変わらないのに商品が高くなるのですから、もちろん消費者の
「商品の購買力が下がる」
という状態になります。

3.スタグフレーションは何でしょう?
実はこれは「スタグネーション(停滞)」と「インフレーション」を合わせた造語で、経済成長をせずに給与額が増えていない状態なのに、物価高になることです。
給与額が増えていないのに物価高になる、ということは物価高になる原因は増税・戦争・災害・原油高などの「外的要因」です。
その結果、消費者の生活が豊かになる=商品の購買力が上がるでしょうか?
給与額が変わらないのに商品が高くなるのですから、もちろん消費者の
「商品の購買力が下がる」
という状態になります。
ぶっちゃけ、
コストプッシュインフレの別名をスタグフレーションというのです。

実は、上記三者は

商品の購買力が下がる
という一点において、
同じ結果を生む経済現象なのです。

さて、それでは

「通貨安になると共に物価高になっても、消費者の商品の購買力が上がる」現象のお話をしましょう。

それは、
それは、通貨安になって物価高になり、買える商品が減っても

それを補って有り余る、
更なる給与が消費者に与えられている状態です。

それを

4.ディマンドプルインフレ、

と言います。

さて、ここから分かるのは4.は前者1.2.3.とは明らかに別物だということです。

何より結果が真逆です。

同じインフレ、という名前がついていたとしても、2.のコストプッシュインフレ、とは完全に性質が真逆です。

ということはもちろん、4.のディマンドプルインフレと、2.のコストプッシュインフレとはやるべき経済政策は違います。
2.は通貨安、物価高を起こしているわけですが、貨幣供給額が市場に潤沢であるが故に通貨安になっているわけではありません。

そこで、国民の購買力を回復させるために、国民に貨幣を供給して、高くなった商品を購入できる購買力を付けさせ

2.コストプッシュインフレを4.ディマンドプルインフレにスライドさせる

ことが、

コストプッシュインフレの解決策

となるわけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?