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私いま何しようとした? 誰か知ってる?

私には、お風呂でスマホを見るというささやかな趣味がある。

趣味というよりはリフレッシュ法と言うべきか。いや、スマホ依存の一症例と言うべきなのかもしれないが。

3年ほど前、尊敬する女性が一日の終わりにこの習慣を楽しんでいると知ってから、憧れて真似をし始めた。
だって憧れの人の習慣は出来ることから真似したいじゃない。確実に真似出来ることと言ったら、これくらいしか無かったのだもの。

もちろん、すってんてんの無防備なスマホを風呂に持ち込んだりはしない。税抜1980円の防水ケースにしっかり入れて、毎夜憧れのあの人のごとき「いい女」気分で(気分で)ハッピーな時間を過ごしているのである。

人によっては「お風呂にスマホを持ち込むなんて」と眉をひそめる方もいらっしゃるかもしれないが、下手をすれば1週間玄関から一歩も出ずに明けても暮れてもひたすらキーボードと取っ組み合ってる(こともある)閉じこもりライターにとって、これは大げさでなく唯一の楽しみになり得る。
どうか大目に見て欲しい。

お風呂スマホの是非はまあいい。

問題はここからだ。

さっき、脱衣所で風呂に入る準備をしているとき、何かをふと思いついて「お風呂に入ったらスマホでアレしよう」と思ったのである。

だが、髪やら顔やら体やらを洗い、いざスマホを持ってバスタブに浸かってみると、何をしようと思っていたのかすっかり忘れているのであった。

何かをしようと思ったのに、何をしようとしたのか思い出せない。
おそらく皆さんにもおなじみの現象だろう。

“えーっ、どうしよう思い出せない!”

私はちょっと焦った。だって、その「何か」がどれくらい重要な事だったのかすら、さっぱり思い出せないのだ。

こんな時、みんなはどうしているんだろう?

うん、困った時のgoogle大先生である。

さっそく検索してみよう。

【何がしたかったのか分からない】

ひとまず、↑これで検索してみた。結果が、こちら↓だ。

・何がしたかったのかわからないまま人生が終わる…
・自分が何をしたいのか分からないときに人生の進むべき道を…
・何をしたいのかわからない人が陥る罠…
・大切なのは自分がどうしたいのか…

あ、ちがう。これはちがうぞ。

これはどうやら検索ワードを間違えたのだな。別の言葉を使ってみよう。

【何かしようと思ったのに】

検索結果がこちらだ。

・行動できない人に死ぬほど伝えたい13の…
・何かしたい!そんなあなたに趣味や人生を…
・考えていることが行動に移せないのはなぜ?…
・心に響く名言の…

ち、ちがう。これもちがう!

じゃあ、これならどうだ!

【したいことを忘れた】

検索結果がこちら。

・何を検索しようとしたのか忘れたときに…
・何をググろうとしたのか忘れたときに…
・あれ?今何をしようとしてたんだっけ?あなたのど忘れ…

これこれ、これだよ〜!!

ようやく巡り会えた検索結果にざっと目を通してみたところ、「何かをしたかったのに、何をしたかったのか忘れた(エモい意味じゃなく物理的に)」という状態への対処法としては、「直前にやっていたことをもう一度やってみる」というのが効くらしい。

仕方ない。風呂に入る所から、もう一度やってみよう。

脱衣所に戻る。…思い出せない。
髪を洗う真似をしてみる。…思い出せない。
顔や体を洗う真似をしてみる。…思い出せない。
立ち尽くす。……思い出せない。

どうしたもんだろうか。

悔しいので、この一連の流れをnoteのネタにしようと思い立った。スマホを持ち上げ、noteのアプリを……

!!

!!!!

思い出した!

私は、入浴中にやりたかったことをようやっと思い出した。

ソシャゲのログインボーナスをゲットしようとしたのだ。

思い出してしまえば、たいしたことはないものだ。

人生っていつもこんな感じね。

ちなみに、この「直前にやっていたことをもう一回やる」という方法は、【文脈依存記憶】というものに訴えかける行動なのだそうです。

文脈依存記憶。

ちょこっと厨二っぽくて、なんとも惹かれる響きじゃありませんか。

この素敵な言葉と出会えたのは、何をしようとしてたか忘れたおかげ。

そう思うと、物忘れもまあ悪くはないかなと感じることができた深夜2時なのでした。

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