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緑単デプスの誕生小話

はじめまして、またはこんにちは。
Squadron Pigeonと申します。
今回は緑単デプスの誕生経緯について語りたく、筆を取りました。
このデッキ、先日ショップ大会でまさかの優勝。嬉しさに勢い余り、周りには少し自慢もしてしまいました。
このnoteはそんな自慢話の詳細です。ちょっとした暇つぶしにでもお付き合い頂ければ幸いです。

始まりは2023年9月、指輪物語シーン・ボックスで一つのカードが公開された所から始まります。《Legolas's Quick Reflexes》です。

刹那、呪禁。……は?

防御札として相手の抵抗を一切許さず、何故か除去効果まで付いたデタラメな効果。あまりのインチキカードっぷりに椅子から転げ落ちました。
デプスコンボとの相性は抜群で「環境を破壊するのでは?」と恐れ慄いておりました。
しかし、蓋を開けてみれば土地系デッキ全般が向かい風。《Legolas's Quick Reflexes》自体は強力なものの、メタゲーム上で台頭するまでには至りませんでした。
そんな中で個人的にぼんやりと考えていたのが、デプスデッキの色についてです。
「《Legolas's Quick Reflexes》は使ってみたいけど黒緑、白緑どちらもしっくりこないなぁ。そもそもデッキ内に緑のカードが増えすぎて緑マナの要求が微妙にキツい。……というか黒緑、白緑どちらもあるなら緑単色でも理論的には成立するのでは?」

頭の片隅で単色デプスデッキに思いを馳せながらも、まだまだ形にはなりません。そんなこんなで時は流れ、唐突にその瞬間は訪れます。
2024年3月の土曜日、いつものように休日大会へ参加していると、ふとあるカードを思い出すことになります。《Legolas's Quick Reflexes》…………ではなく《踏査》です。

イラストが癖。

兼ねてより、イラストが性癖ど真ん中であったダブルマスターズ収録のボーダーレス《踏査》。4枚揃えてからというもの、使いたくて使いたくてウズウズしていたカードです。
しかし上述の通り、土地系デッキは向かい風。使用の機会を見逃し続け、気付けばストレージの肥やしの一員に仲間入り。
そんな中、下火気味だと思っていた土地系デッキをなんと友人が回していました。日本全一の彼が久しく握っていなかった相棒デッキ、Lands。てっきり滅んだものと思っていたアーキタイプの復活に、嬉しさ半分・驚き半分、ついつい目を奪われます。
調べてみれば土地系デッキ、メタが回った結果として復活の兆しを見せています。しかもLandsマスターの彼に話を聞いてみると、何と《Legolas's Quick Reflexes》までデッキリストに仕込んでいるではありませんか。
使いたくて仕方のなかった《踏査》、このチャンスを逃す訳にはいきません。家に帰り、すぐさまストレージから《踏査》を引っ張り出します。

大会中に見た彼のデッキを真似て、早速デッキリストをこねくり回すも《Legolas's Quick Reflexes》がどうにも邪魔。白いデッキ相手には心強いものの、クリーチャーの絶対数が少ないデッキ構造と些か噛み合いません。
どうしたものかと唸っていると、頭の片隅で埃を被っていたアイデアが火を吹きます。

人はこれを"天啓"、または畏怖を込めて"電波"と呼ぶ。

思い出したるは緑単デプス。朧げながらに構想こそ有りはしたものの、真面目に詰めてはいなかったアイデア。閃きの思うがままに75枚に纏め上げます。
完成したリストがこちら。

聡明な読者の皆様なら、もうお気づきでしょうか。
そうです、《踏査》抜けました。
……おかしい、妙だな。

単色であるにも関わらず、緑マナかつかつなマナベース問題は解決せず。その上で2枚しか枠を裂けなかった《壌土からの生命》との組み合わせ前提である《踏査》を泣く泣く解雇。代わりに《モックス・ダイヤモンド》を採用することで、色マナ問題を緩和しつつ、デッキの初速を維持することにしました。
「使いたいカードがデッキから抜けたらそのデッキの完成」とは誰に聞いた言葉だったでしょうか。とほほ。

完成したのは翌日の日曜日お昼前。昼過ぎの大会に辛うじて間に合う時刻でしたが、調整する余裕はありません。試しに数度、初手を引いてみると手応えは悪くありませんが果たして……。
出来立てホヤホヤの75枚を前に不安が鎌首をもたげます。「今オレの手にあるのはデッキなのか、紙束なのか、それが問題だ。」
決心が付かなかったため、出来立てホヤホヤ75枚と前日に使ったスキャムリアニを鞄に放り込んで家を出ます。

道中で悩みながらも「まぁ、失敗しても話のネタか」と考えることにして緑単デプスの使用を決意。
ぶっつけ本番で回してみると、オリジナル構築故のの不意打ち要素で分からん殺しを連発。デッキのブン回りもあり、まさかの優勝。誰だよ紙束とか疑ってた奴。
望外の結果に、有頂天を隠しきれませんでした。

以上が緑単デプスの誕生小話になります。
拙い文章となりましたが、お付き合い頂きありがとうございました。

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