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聖夜に…あなたと?

12月24日

世の中ではクリスマス・イブとか言う

心底そんなモノいらないって思う

クリスマスイブは「クリスマスの夜」という意味
ユ○ヤ教ではクリスマスイブは、12月24日の日没に日が変わりクリスマスになった当日の夜…

ユ○ヤ教の祝いをなぜ日本人がする?!
信者ならわかる、日本人はほとんど仏教徒だろが!?あるい無信者だろがい!?

はぁはぁ…俺は何言ってるんだろうか…
なさけな…まあ…俺関係ないし…

素直になれないなぁ…本当は…
今日、ここにあの子がいたはずなのに…

ベッドに倒れこむ
本当は心がボロボロだ
もう…誰も信じない…

『ばぁぁ♡♡』
「…………へっ?」

寝てる俺の前に超近い距離に……
女性がいる

「…………」

急な事で言葉が出ない
さらに何が起きてるか頭も回らない

『メリークリスマスッ♡♡』

サンタコスをした女性がそこにいる…

「……えっと…あの」
『なんだ〜い?♡』
「……どなたさまで?」
『見て分からない?』
「…不審者」
『だれが!見た目見てよ〜』

突然部屋にいたら不審者でしょ…スルーかい

見た目……
サンタコスで…髪の毛、めっちゃ明るいし…なんであんな短いスカート…
あと…ブーツ…土足ですよ

「あの…そういうお店には電話してないですけども」
『いや在籍してねぇから!源氏名もないから』
「じゃあ泥棒?」
『メリークリスマス♡♡なんて言う泥棒なんて知らないわ!しかもこの格好目立つし』
「UVE○world?」
『いやそれ言うならUber○ATSね?日本のテッペンに辿り着いたぞ!とか言わないから』

なんだこの人…
全部つっこんで来た…
どうやって入って来たなんて忘れてこの人に興味を覚えた

「じゃああなたは一体?」
『見て分からないか〜まあ〜当てた人いないからね〜』

エッヘンと胸を張る
……あのかたち…わかるんで……

『サンタさんです♡♡サンタクロースだよ〜』
「はい?」
『だ・か・ら!サンタさん!』
「…本物の?」
『本物だよ〜ちゃんと認定されてる〜』

そう言って胸元から手帳らしきものを出し俺に見せる

『ほれ』
「フィンランドサンタクロース協会認定特別会員…え…本物?」
『あとこれお名刺です〜』
「ご、ご丁寧に…」

確かに手帳と同じ事が書いてあり、さらに日本支部特別会員、非常勤ともある
そして名前が…

○○:しほさん?
しほ:そっ♡しほだよ〜しほちゃんでもしほりーにょでも天使でもいいよ〜
○○:…なんかますます源氏名ですね、しほって
しほ:おい!やめろ!見た目と名前でよく言われるんだから!同伴なんかしないからね!
○○:あと、非常勤とは?
しほ:としちゃんさ、北海道、東北地方、関東地方のみなんだよね〜他の地域はパスしてる〜

なんだ、その限られたエリア…

○○:なんですか?
しほ:あ〜としちゃんバイトでさ

サンタのバイトあるんだ…てか一人称としちゃん?

しほ:でさ〜ちなみにとしちゃんね…

『雪女なんだよね〜』

○○:はい……?

またなんか言い出した……

しほ:だから雪女、妖怪の
○○:いや…登場の仕方からサンタまででお腹いっぱいで…さらに雪女は…
しほ:まっ、驚かないか〜先に言えばよかったかな〜
○○:結果は一緒すね…
しほ:あちゃ〜だめか〜!

やっと落ち着いて観察できたけどしほさん、めっちゃ美人…なのに変顔、しかもやばいやつはやめて…

しほ:というわけでいろいろ訳ありサンタさんがやってきたよ〜♡えっと…きみは?
○○:あ!○○です…
しほ:○○!

呼び捨て?

しほ:この雪女サンタがひとつ君の相談に乗ろう!
○○:サンタならプレゼントじゃ…
しほ:としちゃんはね〜これを持ってるからサンタのバイトやってるのよ〜
○○:これ…とは?
しほ:えっとね…人の感情がわかるよ?特に…

『傷ついて心閉ざす人間…氷漬けにね』

ずっとニヤけてた顔が真顔になるしほさん

○○:…え
しほ:そういう人にとしちゃんは派遣されるのだ〜
○○:…そうですか
しほ:としちゃんは話を聞くことしかできないけどね、話したくないなら帰るし…無理には聞かない
○○:…聞いてもらってもいいですか?
しほ:もちろん!あ、ただし情に漬け込んで襲ったりヤラせろっていたらさ……

バキッバキッ!!
バキッバキッ!!

○○:ひっ!?

部屋中に鋭い氷柱が何個も生えてきて…俺を狙ってる

しほ:あんた○すから

ニコニコしながら言うの1番怖い…

○○:…コレ見てそんなことできると思います?
しほ:できないね〜♡
○○:……そういうことです
しほ:じゃあとしちゃんに話してみよっか!

しほさんに今日の出来事を話した

しほ:はぁぁ?!なんじゃそりゃっ!?ふざんけてんのっ!

ドンッ!と缶ビールをテーブルに置く
いつの間にか冷蔵庫から持ってきてた

○○:…まあ俺が悪いんすけど
しほ:あったり前!あんた悪いわっ!
○○:うっ……
しほ:けどね〜!女がいっちゃん悪い!人の優しさ漬け込んで好意ある振りして服やらバック貢がせて
イヴにドタキャン、しまいには他の男と手繋いでただぁ!?

グイッとビールを飲み干す

しほ:ぷはぁ!……最悪な女、ありえん
○○:まあ…俺が悪いんで
しほ:あのさ、あんたも悪いよ気をつけなかったの、でも惚れたらしかたないでしょ、あんただけじゃない
○○:そうですけど…
しほ:優しさと偽善は違うよ
○○:えっ…
しほ:あんたさ、騙されてるのにまだ庇ってるふりしてるよね?そうすれば自分優しいからって思いこませたいんでしょ?逃げたいだけだよ、本当は心閉ざそうてしてるぐらい、辛くて辛くて悲しいんでしょ

初対面なのに…雪女なのに…
なぜ俺の気持ちを…

美しい顔で真っ直ぐに見つめている

○○:しほさんの言う通りです…本当は辛い…だから逃げたい…でもかっこ悪いから俺…だから…

いつの間にか泣いてた
悔しい……バカだよ俺

しほさんは俺の頭を胸へ抱きしめた
ひんやりと冷たい体温…なんか柔らかい…

○○:し、しほさん…
しほ:しょうがない、イブだしサンタさんからのプレゼントだぞ♡
○○:……○します?あとで…
しほ:あははっ!としちゃんからしたのにやらないよ〜
久しぶりだからさ君みたいな…子
○○:なにがですか?
しほ:色んな感情渦巻いてて…相手憎いのに自分が悪いって自分ばかり責めてさ〜純粋バカ?
○○:褒めてないですよね?
しほ:むふふ…でも…これからも辛いことあるけど、人は信じようね?
○○:あ……

わかってた?人信じないようにしようって…

しほさんは無言で胸の中の俺を優しく抱きしめていた
寒いはずなのに心地よいのって不思議だ……

気づいたら朝
ベッドの中にいる
しほさんに抱きしめらたまま寝たらしい
でも……夢だったかもしれない
しほさんがいた形跡はない…

○○:……はぁ、もっとしほさんと話したかった…夢だったのかな…

妖怪…雪女…
そんなのどうでもいい…また騙されたっていい…
こんな俺の話を真剣に聞いて怒って…優しく諭してくれて……
あんな『人』…初めてだから…
だから…だから…会いたい……


『おっはよう〜!』

○○:うわぁぁぁ!?しほさん!?
しほ:ぐっもーにんぐ♡♡
○○:な、なんで?
しほ:イブ終わったから来たよん
○○:でも今日クリスマス…
しほ:あ〜バイト、イヴだけ〜
○○:ええええ!
しほ:なのでもう自由なのだ〜

だからサンタコスじゃないのか
……私服、薄着じゃない?またあんな短いミニスカだし…

しほ:あのさ〜家ないからずっと泊めて♡♡
○○:はい?
しほ:だから〜ずっとだよ♡♡
○○:えっと…それは…
しほ:さっ!一緒に朝風呂入ろ!
○○:い、一緒に!?
しほ:水風呂、氷多め!
○○:む、無理ーーー!!

様子見に来たらさ…あんな感情だされたらね
まあ…ししもきになってたしね
……『人』って思ってくれたの初めてだよ

私は騙さないし…○○をずっと好きでいるよ
だって…きみしか勝たんから♡♡

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