散って集ってまた散る子

最近、SNS疲れという言葉をよく聞くようになった。

わたしが初めて絵の世界に飛び込んだ、今よりちょうど10年前くらいの話。
その頃、知る限りの作家は自分の個人サイトを持っていて、そこに自分の作品をあげていた。
彼ら彼女らは、自分のHPを持っていて、自分が次に出展するイベント情報や近況もその場所で報告していた。

追っかける側としては、「好きな作家の新しい情報はすぐにでもキャッチしたい」という気持ちがあって、けれど、その頃は好きな作家のサイトを探し出すどころか、自分が好きな絵を描く作家がなんて名前なのかを知ることすらあまり簡単ではなくて、検索サイトや作品名を辿って検索エンジンの海を泳ぎ回っていたような気がする。
だから、当時自分の使っていたPCのブックマークの中に、追っかけていた作家のサイトをあふれんばかりに集めまくっていた。

その後、Pixivやtwitter、すこし後にInstagramなどが出てきてから、作家は次々とSNSアカウントを作り、そこで絵を投稿することが多くなった。自分もちょうどその頃に、そういったサービスでアカウントを登録した。
彼らの個人サイトの方には、綺麗に完成された絵が前と変わらぬ頻度で投稿されていた。SNSアカウントには近況報告や普段の何気ない日常的なつぶやきの他に、途中書きのような、完成されたものではない落書きも多く投稿されていた。
尊敬する作家が、完璧なものだけじゃなく、落書きや描き途中のものを世に晒し、数日後にはその絵は魔法にかかってとても綺麗で完成された絵となって、また世に放たれる。
尊敬していた人が、とても身近なところで作品を生み出している。個人サイトが美術館だとしたら、わたしにとっての作家のSNSアカウントは、まさにアトリエのような空間だった。
そして自分は、美術館よりもアトリエの方に惹かれた。


最近、SNS疲れという言葉をよく聞くようになった。
1つの場所に集約されて、より多くの人に見られるようになった後、人目に晒される場所で生きることに疲れた個は、また前のように自身の作品を個人HPのような美術館に移してゆくんだろうか。
SNS疲れというストレスが、作家にどう影響していくのかまだわからないけれど、探し出すのが難しくなっても好きな作家を追っかけていきたい気持ちはあるので、作家が当たり前のように登録する検索サイトみたいなのがあれば、少なからず見つけ出すのは前より楽だろうなと思ったりしている。そんな夜。

#オリタノコゴト #呟き

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