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こういう時は、なぜか運がいい。

台風や大雪みたいなことは、まあ大概の場合何日か前から大体この日はこうなるな、というのがわかるものである。今回も身構えていた。どうにでもなる帰宅時ならともかく、通勤時に直撃というのはやはりめんどくさい。

こういう時も地下鉄と新幹線は動いているので、その二つを組み合わせれば事実上出勤は可能だ。ただ、大雪なら札幌に出張に行くような格好をして、革靴にもしっかりスパイクを履かせて歩けば大概の距離は歩けるが、こと台風となるとそうもいかぬ。今回のような、風が強い台風ならなおさらのこと、危険極まりない。

なので、だいたいこういう日にすることは決まっていて、いつも家を出る1時間くらい前からあらゆる手を尽くしてタクシーを捕まえる。道に出られないので、アプリ、電話、いろんな手を使って。何年か前に都内でとんでもない大雪が降った日も、今まで通勤・帰宅時に台風などの荒天に見舞われた日も、これでどうにか凌いできた。そして、いつもいつも割とすぐ、奇跡的に来てくれるタクシーを捕まえることができるのだ。この部分、自分のなんの行いがいいのかわからないが、すごく運がいい。今朝も、ものの5分くらいで、黄色いライトバンみたいなタクシーが迎えに来てくれた。

そこまでして出勤するなんてナンセンス、とおっしゃる人もいるかもしれないが、世の中にはそこまでして社員を出勤させないために、出勤しなければならない仕事があるということも、覚えておいてほしいな、と思う。なので、対して苦とも、理不尽とも思っていない。

駅の車寄せでタクシーを降りる。「お釣りはいらないよ」はこういう時に使うべきものだと思う。かくして、普段にも増してだーれも乗っていない新幹線に揺られて出勤する。ほら、思った通り僕が仕事をしているこの街は、台風、なんて感じでもなく、お天気の悪いただの秋の1日のような顔をして、僕が乗っている新幹線を出迎えてくれた。

野の花を忘れぬように くちびるに歌を
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おろち

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