中央と辺境

 東京へ行って人と会うと色々なことを考えさせられる。
 実はあちらへ住んだ方がいいのではないか、ということもその一つだ。
 アニメの仕事がはじまってから、月に一度から二度、酷いときには半月も関東へいたのだから、その方が具合がよいという考えも、至極尤もである。

 とは言え、関八州への転居は、今のところ、視野にない。
 東京が「中央」だからだ。

 物事には「中央」と「辺境」がある。
 どちらがよいということではなく、そういうものなのだ。
 より分かりやすく言い換えれば「メジャー」と「マイナー」である。

 メジャー・メジャー
 メジャー・マイナー
 (大きな谷間)
 マイナー・メジャー
 マイナー・マイナー

 上記の四区分は、多くの物事に当てはめることができるはずだ。
 マンガで言えば『ワンピース』はメジャー・メジャーだし、
『腸詰工場の少女』はマイナー・マイナーだと思う。(異論は認める)

 東京は、メジャー・メジャーの街だ。
 煌びやかで、人通りが多く、豊かで、忙しい街。

 同時にマイナー・マイナーの街でもある。
 高踏的で、文化の香りが漂い、サブな文化を惹きつけて止まない街。

 両方を育む街だが、少なくともライトノベルに於いては、地方でも
マイナー・メジャーを目指すことができるようになってきた。
 私が大阪を離れない理由は、ここにある。
 大阪には、秋葉原がないからだ。

 秋葉原はとてもよい街だ。
 ごく稀に訪れる分には、あれほどよい街はない。
 物作りをする上でも、流行がよく見える。

 しかし、見えすぎる。

 メジャー・マイナーはメジャー・メジャーになる可能性がある。
 メジャー・メジャーの中でも、時代を変えうるものはメジャー・マイナーから現れる。
 そう考えたとき、東京はものが見えすぎると私には思えるのだ。

 だから、私は大阪に留まっている。
 単に金がないとか、その他の理由もあるが、今の時代は何処でだって
ライトノベルは書ける。
(近くに書店と映画館と雰囲気のよい喫茶店があれば、なおよい)

 今後、ますます地方出身者のラノベ作家は増えていくだろう。
 彼らが売れたとき、東京を目指すのか、地元に留まるのか。
 それだけの魅力を東京が取り戻すのか。
 私には、まだよく分からない。

 但し、富士そばは、安くて美味い。


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