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製鋼所とループ橋

ここは、大正区の南端、大阪市随一の鋼鉄まみれな界隈である。基調色はもちろん錆色。
錆色はときにモノクロームと同様に物事の本質そのもの、人間世界の根源的なものかもしれない。またそこに寄り添う安易な感傷のモノガタリ。

中山製鋼所の廃炉 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8
中山製鋼所第2工場 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8 
 船町に北接する南恩加島地区にある古い看板 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8

大正区・船町エリアである。中山製鋼所、日立造船、そしてランドマークは、片側ループというアシンメトリーでかつ巨大な新木津川大橋である。

新木津川大橋の大アーチ e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8
新木津川大橋の夜景 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g

また、縦横の運河が交差し、水の都・大阪とアナロジーも感じる。

木津川 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8
中山製鋼所に隣接する運河 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8

ただ、コンビナートにおける無数の照明ごときフォトジェニックな要素には欠ける。

炉と思われる複雑怪奇な構造物 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
新木津川大橋通行部に生える雑草 leica m8 , leica summicron 50mm f/2 1st collapsible(沈胴ズミクロン)
巨大な鉄塔 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8

しかし、この地には大きなエロスがある。それは、工場から昼夜問わずたちのぼる大量の水蒸気である。未知の生命体の吐息のように。

製鋼所から立ち昇る水蒸気 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8
製鋼所から立ち昇る水蒸気 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
製鋼所から立ち昇る水蒸気 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
何処かしらで立ち昇る水蒸気 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g

また無数の赤茶けたパイプがあたかもこの寡黙で巨大な生物の血管であるようだ。

製鋼所の配管 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
製鋼所の配管 e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8

新木津川大橋は彼女の創造物である。
巨大な螺旋に従い天に近づいてゆく。

新木津川大橋の3層ループ α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
新木津川大橋の3層ループ α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
新木津川大橋の3層ループ α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
橋脚の整然としたボルト leica m8 , leica summicron 50mm f/2 1st collapsible(沈胴ズミクロン)

開けた視界に広がる暗闇の向こうにきらめく彼女の子供たち。境界で静かに錆びて吐息を付き続ける存在との美しい対比と、切っても切れない深い血脈。

新木津川大橋より大阪市内の夜景を望む
 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
夜の新木津川大橋 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
夜の新木津川大橋 α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g
木津川、夜のあべのハルカス α7r , sony af 35mm f/1.4 sal3514g

または、私の真なるシュールレアリスムである。

アーチと吊材の接続部分 leica m8 , leica summicron 50mm f/2 1st collapsible(沈胴ズミクロン)
バルブと思われる奇妙なオブジェクト e-m1x , olympus m.zuiko digital 17mm f/1.8

大阪市南西部に環状道路網を形成し、流通をスムーズにする目的で架設された。1994年に完成。

木津川の両岸には工業地帯が広がり、大型船が往来する関係で、橋の高さは最高地点で水面上50mの高さになっている。その関係で、取り付け道路部分が通常の橋と比較して長くなり、北側(大正区側)では3重のループになっている。この高さでは歩行者・自転車の利用が困難であるため、橋に沿って木津川渡という渡し船が運行されている。 施工は、片山ストラテック・川田工業・栗本鐵工所・駒井鉄工・サクラダ・高田機工・日本鋼管・日本鉄塔工業・日立造船・松尾橋梁・三井造船・日本橋梁・川崎重工業JVと三菱重工業・横河ブリッジである。

wikipediaより、新木津川大橋の概要


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