見出し画像

ゴールドとビットコイン、似て非なるモノ

ゴールドとビットコインの比較

ビットコインはよく、ゴールド(金)と比較されますよね。

・ゴールドは地球上で限られた量しか埋蔵されていないので希少性がある。ビットコインも同じく発行枚数の上限が決まっており希少性を持っているので、両者は似ている。

・ゴールドは株式や不動産と同じく投資対象物になっており、ビットコインも投資対象物ということで類似している。

ゴールドマン・サックスはビットコインに対し厳しい見方

ゴールドマン・サックスは、この1年間で世界中の中央銀行が金利を引き上げたことにより(日本は例外ですが・・)、「10年間の金融緩和の時代が終わった」ことによりビットコインは勢いを失った、と解説しています。

金融緩和とは、つまりマーケットにお金がジャブジャブあふれているので、投機的ポジションが増えます。

ビットコインはまさにそのジャブジャブの資金の恩恵にあずかり、この10年間、右肩上がりで順調だったが、残念ながら今後はそうならない、との予測。

たしかに、金融緩和が終わったこの1年、ビットコイン価格は600万円近くだったものが今は半分以下の240万円程度。

もちろん、この暴落は仮想通貨にまつわる不祥事なども多かった影響もあるでしょうが、ゴールドマン・サックスの分析が正しければ、これからは以前のように短期で価格が勢いよく上昇するというのは想定しづらくなりますね・・

もうひとつ指摘されているのが、ビットコインの「ユースケースの少なさ」です。

「ユースケース」とは、日本語でいうところの「実用的な使い道」という訳になるでしょうか。

ゴールドは、アクセサリー、美術品や伝統工芸品、建築物、工業用部品、など実際の使い道がある実物資産であり、その意味でユースケースが豊富と言えます。

そもそも仮想通貨はゴールドには成りえない?

一方でビットコインは(あえて単純に言えば)「コンピュータ上のプログラムに過ぎない」ので、何かを作る材料になったり、実物の「モノ」としての価値はどうやっても生み出せません。

そうなると、ビットコインの残る使い道としては、「通貨」としての利用ですが、残念ながら、その機能もずっと低迷したまま。

ほとんどの人が決済や買い物でビットコインを使っていないのが、その証拠。

通貨というのはモノの売買で使われないと意味がありません。

つまり、ビットコインを持っている多くの人は「通貨」として使うためではなく、将来に価値が上がることを期待して投資資産としてガチホしているだけ、という状況なので「ユースケース」が増えないのも仕方ありません。

あのエミンさんも暗号資産はユースケースがない点を指摘

有名エコノミストであるエミンさんも自身の著書「エブリシング・バブルの崩壊」の中で、こう書かれています。

「ビットコインはデジタルゴールドだと主張する輩がいるが、これはまったくの嘘である。ビットコインはゴールドのような本源的価値を何も備えていない。消そうと思えば簡単に消えてしまうのが暗号通貨の特徴だ。

同書の中では、その他にも暗号資産に対する厳しい論を展開されています。

これらの主張に私は賛同できない点もあります。

ただ、ビットコインの実用的な使い道がこれから更に進化していかないと、その将来が厳しいのは正しい気がしています。

いずれにせよ、ビットコインは長期的な視点が考える必要があり、それはゴールドと同じですね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?