チタンを愛せ――2023/10/8
あまり真剣に勉学に励んでこなかった人間ですが、いちおう、材料工学系の出身です。
この世で最も美しい金属をご存知ですか?
それはチタンです。
※個人の見解です。(逆に個人の見解以外を求めて個人ブログを読んでるなら、あなたのことが少し心配です。ちゃんとご飯食べてますか???)
チタン。Titanium。
ギリシャ神話の神様、「タイタン」からきている。
タイタンというと、巨人のイメージがあると思いますが、神様なので正確には巨神ですね。
チタンは硬い金属。
サビない。硬い。そして軽い。
工業用の金属として要求される要素が、いい感じに揃っています。
熱処理によって、美しい色をつけることもできます。チタンブルーはこの世界で最も美しい青だと思います。
金属の性質を語る時は「鉄」と比べることが多い。チタンは鉄より硬く!
チタンは鉄より軽い!
そしてサビない。
サビないとは、
何もしていない通常の状態で、その辺に置いておいても、化学反応が起きたりしないこと。
水場の鉄が赤くサビると、水も汚れたりしますよね。
これを
「自然界に流出する」といいます。
チタンは自然界に流出しません。
耐食性がいいとも言います。
そしてこの「自然界」には、ニンゲンも含まれる。
身体に接触していても、
ニンゲン側に溶け出たりしない。
要するに何が言いたいかというと、アレルギー反応が起きにくい。
こうやって特徴をあげていくと、完全無欠で弱点が無い、最強の金属材料のように感じます。
チタンは硬い。
硬いが、脆い。
粘りが無いともいう。
殴ったらへこむけど壊れない金属=柔らかく・粘りがある
殴ってもへこまないけど、壊れる金属=硬く・粘りがない
鉄がキャラメルならば、チタンはキャンディー。
硬く、そして脆いという特性も、なんだか儚く美しいとは思いませんか?
そして、他の金属と混ぜてチタン合金にすることで、デメリットを抑えつつメリットを得られる。
ではなぜ、世の中って、チタン合金だらけではないのか?便利ならもっと使えばいいのに。
うん。チタンは優秀な性能を持ちつつも、加工性が悪い。わかりやすく言うと、扱いづらい。
何かに使うには、純物質を取り出せたほうがいい。
玉ねぎを料理に使うのは簡単だが、
カレーを料理に使うのは難しい。
チタンは珍しい金属では無い。日本にも広く存在する金属だ。
しかし、カレーから玉ねぎを取り出して、カレーの味も匂いもしない玉ねぎに分離させるのが無茶なように、
「チタンが含まれるモノ」から、チタンを取り出すのは大変だ。技術的には不可能じゃないけど、コストが高すぎる。
高い技術が無いとダメ。手間とコストをかけないとダメ。簡単には実用することはできない。
それゆえに、歴史上では早い段階で発見されて、「タイタン」なんて立派な神様の名前を付けられて、すごく期待されていた金属の割には、
そのあと遅れて見つかった「アルミニウム」が人類にとって便利すぎたために、チタンの実用化はとても後回しになっという歴史がある。
そんな不遇な歴史や、ピーキーな感じもいいよね。
ところで、ここまで全て生半可な知識で適当に書いているので、事実と異なる点があったとしたらあなたはどうしますか?コチラは申し訳なさそうにする準備はできているが??
あ???
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