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3年生の男の子に、ヘルパーになってね

2007年、私は悪性リンパ癌にかかり命がもう無いと言われた。しかし、まだ生きています。その時、秘書になって下さった方がすごい優しさで看病をして下さった。病院にはヘルパーさんが行けなかったので、みんなボランティアで来て下さった。

最近、秘書だった人が子どもを連れて来て下さった。波音(なおと)くんと言う。私はこの名前がすごく気に入っている。彼に合うと波の音が聞こえてくるようだ。悪性リンパ癌は7か月間入院して、私は完璧に治った。いつもみんなが楽しい話題を持ってきて下さったから治ったのだと思う。


不思議な感性

波音くんに「小山内さんの肌はきれいだね。ばあちゃんではないみたい。」と言われ、波音くんは不思議な感性を持っているのかなと思った。赤ちゃんの時から来ているが、コロナだったので2年間は来ていない。私がヘルパーさんにご飯を食べさせてもらうと、大きな目をさらに大きくして不思議な顔をして見ていた。彼は何を考えたのか。

「波音くん、学校が終わったなら、ヘルパーさんになってよ。困っているんだよ」と頼んだ。彼は「わかったよ。考えておく。」と言った。今度来たときは、手と顔を洗ってもらおうと思っている。お母さんは「学校には障がい児が一人もいないんです。だからこの子たちは何もわからなくています。私が学校に行っている時は、車いすの子どもが何人かいました。」と言ってくれた。また来年、彼におもちゃを買って待っている。私の老後、彼にケアしてもらうのが夢です。

求人誌に100万円近く使ってもヘルパーはやってこない。コロナだから私はすごく動きにくい。でも私たちはヘルパーさんがいないと生きていけない。かわいい波音くんを口説くほかなかった。波音くんは私の手を握り、私の腕に「みちこ」と書いた。嬉しくて目に涙が浮かんだ。波音くんの指先がとてもあたたかく感じたからだ。おとなはなかなか来て下さらないので、保育園や幼稚園や学校に行って口説こうかと思っている。今度、波音くんに会える日が待ち遠しい。ありがとう。

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