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空腹×疲労×トマト=?????


前置き

突然ですが皆さん、トマトは苦手ですか?
私は苦手です

ランキング形式ならワースト3に確実に入るくらい苦手です。
(他2種はくっさいチーズ春菊が同率1位)

くっさいチーズと、鍋以外であまり見ない春菊はまだしも
トマトはそこそこ食べる機会があるため困ることも多いはず。


「先の人生のためにどうしてもトマトを克服しておきたい」
そんなことを考えていた時にソクラテスの

「最高のソースは空腹である」

という言葉が目に入りました。


これだ!!!!!!!


学生時代を思い返してみると、部活でお腹ペコペコ体ヘトヘトになった後に
食べるご飯はどれも最高においしかったのです

(𝓣𝓱𝓪𝓷𝓴 𝔂𝓸𝓾 , 𝓶𝓸𝓽𝓱𝓮𝓻)

そんな状態でもトマトだけはゲロ不味かった気がしますが
きっと疲労が足りなかったのでしょう。


という事で
『一歩も歩けないくらい疲れ果て、雑草でも食べてしまいたくなるほど飢え 
 た状態なら嫌いなトマトも美味しく感じるはず!』


検証していきます。


本編

出発地点は高尾山口駅
登山も効率よく疲れることはできますが、安全を考慮
山に背を向けて真逆の東京駅を目指して歩きます

Googleマップの道案内通り進めば約50㎞
14時間くらい歩けば東京駅に到着するはずです。

また、極力空腹を感じるために道中はなるべく水分補給のみ
10㎞歩くごとにミニトマトを1個食べて美味しいか不味いかを
確認していき、どこかの地点で美味しいと感じれば成功です


極度の疲労の中嫌いなものを食べ続け正気でいられるかは分かりません
苦手克服のため、根性で頑張っていきます。


あと、せっかくなのでTシャツも作って準備万端
出発の3日前に思いついたので、急いで100均で転写シートを買ってきて
描いたイラストを古着に貼り付けました。

これ着て歩くのなんか嫌だな。


念のため出発前にミニトマトを1個食べてみましたが
吐きそうでした最悪です



出発 

7時頃、高尾山口駅から出発
登山客達が山の方へ進んで行く中、トマトを食べに町へ繰り出します。

道中、特に触れませんが熱中症対策で塩飴や
スポーツドリンクを口にしています。


熊本産

持って行くトマトはこちら
200円くらいで購入した普通のミニトマトです。


勿論自作のシャツも着てきましたが、この日は最低気温が低く
上着を脱ぐことは無かったので完全に無意味に。
悲しいです。



10㎞

高尾山口駅周辺は自然だらけで気持ちよかった。

駅を出て川の音に癒されながら進んで行くと

こんな張り紙が。
直近も猿が出没したらしく、大事なトマトを奪われないよう注意して進みます。


そのまましばらく歩くと普通の住宅街へ

この、八王子ロマン地下は今年の6月には建て替えが完了予定だったらしいのですが
特に変化は見られず。

さらに進んで行き


この先にあるストリートビューすらない川沿いの高架下で約10㎞。


入り口付近は頭がスレスレの高さだけど、進むにつれて高さが出てくる。
下らない落書きだらけの、良い高架下だった。


本日初のトマトタイム

ウェットティッシュで手を拭いて。

朝食を食べたのが4時半で、10㎞到達時が9時
既に4時間半が経過しているため歩いた距離の割にお腹は減っています。


食べた瞬間の反応を箇条書きで
・意外と食える
・好きではない
・なんだこれ 不味いイチゴか?

とまあ、食べれはするけど美味しくはないといった感じでした。
出発前は吐きそうだったことを考えると、すでに効果は出ているよう?

とは言え、克服と言うには少し弱いのでまだまだ疲れ飢えていきます。


20㎞

FTT(ファーストトマトタイム)を終え進んで行くと

鳩が団体でビュッフェを楽しんでいたり


川沿いの遊歩道のど真ん中に落ちてた。

ドーナツが落ちていたりしました。


その後、のどかな川沿いの景色を楽しんでいると


高幡不動尊へ到着


そして丁度20㎞地点だったため、本日2度目のトマトタイム

時刻は12時前で朝食を食べてから7時間が経過
我慢できずにガムを噛みましたが、全く関係なく空腹に襲われます。

肝心の反応はと言うと
・決して好きではない
・美味しくないサクランボと同じ味
・嫌いって程でもないかも

疲労と空腹のダブルパンチで味覚と脳がバグを起こし
トマトの不味い部分が鳴りを潜めてきました

単体で問題なく食べられる状態にまでたどり着いたため
今回の検証は成功と言えるのではないでしょうか

しかし、当初予定していた50㎞まではまだ半分以上あります。

せっかくなのでどこまで克服できるか
限界が来るまで歩き続けてみようと思います


30㎞

空腹が許容量を超えどうしようもなかったためアーモンドチョコを一粒。
糖が体にしみわたっていく感覚がします

そんなこんなで歩いて行き

怖すぎて写真を撮れなかったので、記憶を頼りに再現。小型犬。 本当に怖かった。

道中、看板犬面をした殺気犬に殺す勢いで吠えられたり


セリフが見える。

聖蹟桜ヶ丘で何故だか見覚えのある交差点を見て感動したり


河原を走る老ランナーと勝手に早歩きで競争したりしながら(負けました)


東京競馬場の前を通過し


森。

八幡町地域公園付近で3度目のトマトタイム

およそ7時間をほぼ絶食状態で歩き続け
空腹も度を超えると気にならなくなることを知りました

当時の反応は
・体がトマトを欲している
・個体差のせいか、20㎞の方が美味しかった
・でもバクバク食える気がする
・決して好きなわけではない


美味しいトマト美味しくないトマトを
感じ分けることが出来るまでに成長しました

予定では残り20㎞、トマトタイムは2回。
50㎞歩き切った時僕はどうなってしまうのでしょうか。


40㎞

もう一度アーモンドチョコを一粒だけ食べ、町を闊歩していきます。
この辺から疲労のせいで写真や情報が減ります


味の素スタジアムを通過。


ひどいや。

羽根をもぎ取られブルーシートを被せられたペガサスと
羽根をもぎ取った張本人と思われるカウボーイ二人組がいました。


その後しばらく歩いて40㎞到達


世田谷区上祖師谷の地蔵堂付近で本日4回目のトマトタイムです

反応は
・生き返る
・上やくそうくらいの効果がある
・好きではない


先ほどまでと大きくは変わらず、可もなく不可もなくといった感じ

時刻は既に5時を回り、歩き始めてから10時間が経過


脳が活動を拒否し始めたため、仕方なく
ベビースターラーメン丸を一袋貪り何とか歩いて行きます。


50㎞

いよいよ終盤を迎え、疲労もピークを過ぎて足が軽くなってきました。
ウォーカーズ・ハイと言うやつなのかもしれません。

そんなことを考えながら

歩いて

歩いて


完全に夜の景色。

歩いて目標の50㎞が目前に


なったのは良いのですが、所在地はなんと原宿

道中、寄り道をし過ぎたみたいで最短とは程遠いルートになっていました。



まあここまで来たなら歩くしかありません。
取り合えず50㎞地点まで歩いて、5回目のトマトタイムを享受します。

中々トマトを食べられるような場所が見つからず、距離を大分オーバーした場所で。

ややガラの悪い方々を横目に原宿の路地裏でトマトを実食。

・相変わらず微妙なサクランボだこれ
・助けて


疲労と原宿の混雑具合が酷く助けを求めていますが
30㎞あたりから大きな変化はなくほぼ同じ感想しか出て来ません。

疲労と飢えによってある程度の克服こそすれ
「好き」になるまでは難しいよう
です。



足は棒のようになり、夜風で体は冷え
飢えは限界を超えて最早謎の満腹感を感じていますが
意地で歩き続けます。


人のいない夜の都会、寂しすぎる。

人がちらほらとしかいない夜の都会が心を蝕む。


さらに追い打ちをかける様に
道中で微糖のコーヒーを買おうとしたら

120円でボタンが押せるようになった時点で嫌な予感はしていたけども

隣の紅茶花伝が出てくるなど
地味な嫌がらせを受けて泣いたりしながら


皇居外苑へ。
東京駅は目と鼻の先です


そして

遂に東京駅へ到着。

時刻は夜の9時、歩き始めてから14時間ほどが経過していました。

距離の方は

このアプリは動いていた時間だけを計測するため、トマトタイムや休憩時間を含まない時間が表示されています。

58㎞くらいでした(帰宅時のものも含みますが)

消費エネルギーも2800越えと、ミニトマト900個分くらいの消費量。

遂に目標地点に到着できた達成感もそこそこに
本日最後のトマトタイム。

写真撮影している人が多く、邪魔にならないよう端の方でひっそりと


飢えは無く、むしろ謎の満腹で物を飲み込める気がしません
無理やり口に突っ込んでいきます。

反応
・さっきまでと変わらない
・ずっと微妙なさくらんぼ
・でも助かる


疲労の割には30㎞地点からさほど変わらない結果となりました。
途中から限界を超えて飢えを感じなくなっていたので
当然の結果といえるのかもしれません。

14時間苦楽を共にしたトマトに謎の愛着を感じてしまいましたが
これにて検証は終了です。



結論


疲労と飢えによって嫌いなものを克服することは「可能」


克服までに必要な疲労や飢えのラインは個人によって違いそうだけど
僕は30㎞、歩きはじめて7時間あたりが克服のラインでした。

それ以上の飢えと疲労は無意味なので個人的にはお勧めできません。




その後

せっかくの東京駅なのに、9時を過ぎライティングが終わっていたので
薄暗い階段から駅へ。


人は少ないのに無限に広がる空間をさまよいながらなんとか電車へ乗り
帰宅後は、効率よくエネルギーの取れそうなものを
食べ物を受け付けない胃にドカドカ押し込んで気絶するように就寝


翌日、余ったトマトを食べて最終確認をします。

起き抜けに寝ぼけ眼でトマトをパクリ。

・やっぱり微妙なさくらんぼ
・疲れてなくても普通に食べられるようになってた。


トマト、克服完了です。

やったぜ。


おわり。

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