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vol.56「ロックといえば?」(『社会契約論/ジュネーヴ草稿』ルソー 中山元:訳/光文社古典新訳文庫/2008年間)

vol.56「ロックといえば?」

みなさんこんにちは。
今週は世界史の教科書から一冊。

教科書に載るとなると、
その知名度は大変なことになります。

国語の教科書なら漱石『こころ』。
政治経済ならケインズ。
倫理ならアリストテレス。

世界史なら、
ロック、
モンテスキュー、
そしてルソー。

このへんならば、誰でもご存知。

…だからって、なんでもないのですが。

ルソー、『社会契約論/ジュネーヴ草稿』。
では、どうぞ…。

『ジュネーヴ草稿』というのは、
『社会契約論』の草稿で、
つまりプロトタイプです。

基本内容は同じようなものでした。
専門家的には大違いらしいですけれど。

国家ってなんですか?

という問いを立てたときに、

成員同士の「契約」によってできあがった集団だよ

と答えるのが社会契約説です。

👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓

王権神授説の場合、
国家の由来を神様に設定するわけなので。

社会契約説によって明確に否定されました。
そういう意味で、「世界史を動かした」一冊です。

社会契約説自体は、
ホッブズという先人がいますし、
ロックも扱っていますし、
ルソーの専売特許ではありません。

ルソー自体の特徴としては、
主権は人民にあるとします。

成員個人が、自分も含めた成員全体である「社会」と契約するので、

自分自身と契約するのだから、
誤った契約を結ぶはずがない

として、そこに公正な「一般意思」の存在を見いだしました。

あくまで「一般意思」に従っていれば、
国家運営はうまくいくよ、とのことです。

一方ロックは、
公正さの源を「国会」に置いたりと、
ライバル間の対比が面白いです。

👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓

ここまで記していて、
とっても不思議なのですが。

これって語り口としては「政治・経済」とか、「倫理」の分野ではないのでしょうか。

「倫理」ではちょっぴり出てきたような気もしますが…。

「政治・経済」は「現代社会」の延長にあり、近代以降の内容をメインで扱うことになっていますので、けっこうスルーされています。

行きついた先が「世界史」と…。

ロック ⇒といえば⇒ 統治二論
モンテスキュー ⇒といえば⇒ 法の精神
ルソー ⇒といえば⇒ 社会契約論

という紐づけで片付けられるのは、
ちょっと酷くないかと思います。

👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓

こういった「暗記科目状態」を批判して、

世界史は流れで覚えろ!

という意見をよく聞きます。

近現代においては、政治形態も人民の感性も、現代と似たようなものですので、

あっちで戦争が起きて、
こっちで貿易摩擦で、
そっちで〇〇国の特使が殺害されたから…
軋轢が生じてるよね

と、まあ、前後の脈絡はスッと入ってきます。

けれども、それ以前となると。

王権神授説の時点で「?」なのに、それに対するリアクションもつなげて考えるのは…。

当時の「政治・経済」や、「倫理」観の勉強と分離させちゃったら、

もう無理だって

と、しみじみ思います。

👨‍🎓👨‍🎓👨‍🎓

センター試験「世界史」は、

現役で50点
浪人で70点

でした。

20点も上がって、やったじゃん!

という誤解、数値のマジックが起きてますけれども。

どうやって上げたかと言えば、ひたすら

書き取り
書き取り
書き取り
書き取り…

同じページを何度も

書き取り
書き取り
書き取り
書き取り…

…したわけで。

「情けない勉強をした」という恥の観念が、
「いまになって訳書を読む」動機にも、
なってはいますが。

それは僕のひねくれた根性とか、
染みついた後悔の念によるもので。

高校教育の成果だ!

とか、

菊池は俺が育てた

とか言われちゃったらば、
そりゃーもう、
撤回するまでひっぱたいてやります。

👨‍🎓👨‍🎓

ちかごろ、卒業研究のテーマもちょっとずつ固めなきゃいけない時期ですが。

現代学校教育に関しては、
「自分というサンプル」を考えると、

高校教育3年も使って、これくらいの人間しか出来上がらないのかよ…

という感想しか出ません。

こうなったら文献調査なんかやめて、
統計学と、情報科学方面に進んで、
ナウい人材になってやります。

データーサイエンティーストとか。

🤷‍♀️

とはいえ、学校課程の外で、「ちゃんと学びを立て直す」ということも諦めたくはなく。

「それを読書会でやれるんじゃないか」という気分にもなっております。

ご参加いただいた、知性あふれる方々のおかげです。

「学び続ける」ということは、
「変わり続ける」ということですが、
それがそのまま「未来の可能性」を意味しますから。

生活にハリが出るもので、
近頃とっても良い気分です。

それじゃあ溌溂として、
そろそろ勉強に戻ります。

(おわり)

今週末も読書会を予定しております。

定員10名ですが、すでに残り1名さま。
いつもありがたいことです。

自分の取り柄・特色というものは、
他者と出会って初めて際立つものですから。

ディスカッションの場は保たれねばなりません。

…そんな尊大な動機もありますが、
…楽しいからやっております。

次はどんな企画をしよーかなー。

では、次の水曜日にお会いしましょう。

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