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【4月4日は推し推しの日!】SNS投稿から記念日を振り返りました

■推し推しの日とは?

みなさんは「推し推しの日」という記念日をご存じですか?
「推し推しの日」は、日々私たちに元気や勇気をくれる「推し」たちだけでなく、推しを一緒に推してくれる「推し活仲間」や、推しを支えてくれる「スタッフさんや企業の皆様」、そして推しを推すことで日々の勉強や仕事を頑張る「自分」にも、感謝や労りの気持ちを改めて伝える日です。
この「推し推しの日」、実は推し活総研が日本記念日協会に申請・登録した記念日で、2024年 4 月 4 日が登録後初の「推し推しの日」となりました。


今回、事前告知がほとんどできなかったにも関わらず、多くの方から「推し推しの日」投稿をしていただきました。この記事ではその盛り上がりとそこから垣間見える推し活の状況をご紹介していきます。

■「推し推しの日」を数字で見ると

まずは X(旧 twitter)での「推し推しの日」投稿数をみていきます。
この「推し推しの日」というワード、実は記念日登録前の2023年4月4日も一部で投稿がおこなわれていました。記念日登録前の2023年と登録後の2024年で4月4日前後 1 週間の投稿数を比較したものが図①です。

図①

これをみると登録前の 2023 年に比べ、登録後の 2024 年は投稿数が大きく増加。記念日前後1週間の投稿数では 2023 年が 371 件だったのに対し、2024 年は 1387 件、実に 3.7 倍に増加しています。
この投稿数を推し活記念日の先輩、11 月4日「いい推しの日」と比べてみたものが表②です。


図②

いい推しの日」は 2019 年に登録された記念日ですが、直近 2023 年の投稿数はなんと140万超、肌感覚として盛り上がりを感じていましたが、数字で見ると非常に大きな盛り上がりだったことが改めてわかります。これに比べると「推し推しの日」の投稿数はその約1000分の1、盛り上がりの規模ではまだまだ記念日の先輩に遠く及ばずということになります。

ただし「いい推しの日」も 2022 年時点では投稿数わずか 620 件のみ。たった 1 年で投稿数が 2200 倍超になっていることを考えると、「推し推しの日」が「いい推しの日」と並ぶ記念日になる日も近いかもしれません。

■「推し推しの日」の投稿内容は

次に X での投稿内容を見ていきます。「推し推しの日」の投稿内容全体を SNS 分析ツールMeltwater を使って見える化したものが図③と図④です。

図③
図④

図③は全投稿内容を自然言語処理アルゴリズムでポジネガ分類、その割合を出したものです。2023 年はポジの内容が全体の 25%でしたが、2024 年はポジが全体の 62%と投稿の質が大きく変わっているのがわかります。
この質の変化をさらに探るため、投稿内の頻出ワードを図にしたものが図④です。

2023 年投稿で最も多かったのは「TOKYO GIRLS GIRLS extra」というワード。これはガールズバンドイベントのタイトルなのですが、実際の投稿を確認したところ、このイベント告知投稿に「推し推しの日」というワードが使われていました。2023 年の「推し推しの日」投稿はこの告知投稿がほぼ全体を占めており、投稿者の感情が込められたポジな投稿が少なかったことがわかりました。

一方、2024 年の投稿内容には「気持ち」「しあわせ(写真)」「出会い」「仲間」等、エモーショナルなワードが多く出ています。

投稿を個別にみていくと「自分が何を推しているか」「推しへの気持ち」を表現しているものが多数あり、記念日の趣旨でもある「感謝やいたわりの気持ち」の投稿がおこなわれたことがわかりました。

また推し活総研の母体である(株)Oshicoco が自分の気持ちを表現するカード(⑤)を投稿したところ、そのカードを活用して投稿している人も多数いました。


図⑤

このカードの投稿は 4 月 4 日の夕方以降なのですが、投稿時間別で投稿内容の推移をみると、記念日ならではと思える投稿内容の変化も見えてきました。時間帯別でまとめたものが図⑥です。

図⑥

「今日は何の日」投稿勢が 4 月 4 日の記念日一覧を投稿、それを見て「推し推しの日」に気づいた人が推し活文脈で投稿、推し活層がこれに乗る形で推しについて投稿、というように投稿内容が変化していたことがわかりました。

最後に投稿数同様、内容についても「いい推しの日」と比較します。記念日の先輩である「いい推しの日」の投稿内容全体を SNS 分析ツール Meltwater で見える化したものが図⑦と図⑧です。
2023 年「いい推しの日」は表②で見た通り投稿数自体が非常に多くなっていましたが、図⑦の通り内容も全体としてポジティブものが多く、推し活の記念日として良い形で規模拡大しているのが分かります。

図⑧でさらに投稿ワードを見ると「フォロー」「リポスト」「キャンペーン」といった企業施策に関連するものや、「お祝いイラスト」「メインアニメーター」といった制作サイドからの発信もあり、推し活をしている人だけでなく、推される側やそれに関わる企業が投稿をおこなうことで記念日が活性化していることが見えてきました。

これに比べると「推し推しの日」は投稿数もさることながら、投稿内容もまだ推す側からの投稿中心。「推し推しの日」も今後、推される側、それを支える企業の参加が進むことが記念日の活性化、投稿の爆発的な増加につながると考えられます。

図⑦
図⑧

■今後の「推し推しの日」浸透=推し活をもっと盛り上げていくための示唆

投稿内容の全体的な傾向は上記のとおりですが、「推し推しの日」を今後盛り上げるヒントをまとめました。

①「すべての人に感謝」という「推し推しの日」に込めた想いは、推し活層に届く!

「いい推しの日」でもすでに投稿され始めている通り、推し活文化の成熟とともに、「推し」と「自分」だけでなく、推しに関わる全ての人に感謝というキモチを持つ人が今後増えると思われる。
設立趣旨をしっかり発信することが、推し推しの日の盛り上がりにつながる可能性あり。

②フォーマットがあると投稿が活性化しやすい

今回 Oshicoco が用意したフォーマットを活用する人が多数発生。
「推しへの想い」は個人に紐づく多様な感情だが、だからこそ想いを表現する難しさも。
想いを表現することのハードルを下げる「カード」のような枠組みや仕掛け等フォーマットの用意は推し推しの日だけでなく推し活の盛り上げにおいて非常に有効。

③記念日同士のストーリー創作に可能性あり

記事で触れなかったが、4月4日を「しあわせの日で推し推しの日=推し活でしあわせ」と複数記念日を意味づけて、ストーリー化した投稿がいくつかあった。
このようなストーリー作り、アレンジ、創作は推し活の本質でもあるため、
4月4日を記念日登録している企業・団体との連携が盛り上がりにつながる可能性あり。

④推される側、それにかかわる企業の巻き込み

2023年「いい推しの日」の盛り上がりは推す側だけでなく、推される側、関わる企業からの発信が相乗効果となりできあがったもの。
これら推す側、関わる企業も巻き込みともに輪を拡げていくためには、ビジネス貢献を見える化したうえで、推し活×ビジネス貢献施策の企画が必要。

■まとめ

事前告知が十分ではない中で迎えた「推し推しの日」でしたが、投稿の拡がりとそこから次につながるヒントをたくさん得ることができました。
推し活総研は「推し活の調査分析」が主な取組ではありますが、この記念日制定のような直接的な働きかけもおこなうことで、推し活の発展と推し活理解につながる知見収集を行っていく予定です。
「推し推しの日」含め、協業しながら推し活文化を盛り上げたいという法人様がいらっしゃいましたら、ぜひ推し活総研までご連絡ください。



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