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メイク本に出会って今までの考え方が少し変わった話

私は人一倍、人目を気にする人間だ。
状況にもよるが、自分の意見よりも相手の反応に重きを置くタイプ。
「こんなこと言ったら、この人はどう思うかな」
「嫌われたくないな」
人に対して、いつもこんなふうに思って生きてきた。

だから、たとえ自分が乗り気でないことでも、勧められたら断れない。
そのため、結局中途半端に足を突っ込んでしまい、かえって人に迷惑をかけてしまうこともしばしばあった。

人との関わりだけではなく、メイクも服も、常に人目を気にしてきた。
だから、失敗しにくい無難な服やメイクを選びがち。黒タートルのセーターとか、太すぎないアイラインとか。

よほどのことがない限り、人の意見を否定せず受け入れてしまうので「おおしまさんは優しい」と言われることも多い。
でもそうじゃない。
優しいのではなく、嫌われたくないだけなのだ。

下手に自分の意見を言って、摩擦を起こすよりも、平穏に過ごしたい。
笑顔の裏ではこんなことを思っている。
ある意味ズルい人間なのかもしれない。

私はもうすぐ、40代半ばを迎える。人生の折り返し地点にきた。
残りの人生もこれまでと同じように、ずっと人目を気にしていくのか?と考えたときに「それはいやだな」と思うようになった。
そう思ったのは、あるメイク本に出会ったからだった。

これまで私は、外に出る時でも眉をひくだけの、ほぼノーメイクに違い状態で過ごしていた。
基本的に肌に何かを乗せるのが苦手というのもあるが、しっかりメイクをすると「似合わないのに派手にしちゃって」と、人に思われないかと不安だったのだ。
(こうやって文字にしてみると、自意識過剰も甚だしいが…)

そんな感じで、ほぼすっぴん状態の私は、
90年代のメイク方法からアップデートされていない。
メイクをしないし、今のやり方を知ろうともしないからだ。

しかしあるメイク本との出会いが、私を変えるターニングポイントとなった。
その本の帯には10年以上メイクが変わらないあなたへ、と書かれており「あら、私のことね」と思い、買ってしまった。
余談だが、ターゲットにめちゃくちゃ刺さるキャッチコピーだと思った。

その本に、眉は並行に描こうと書かれていた。
それを実践しただけでも、顔の印象がグッと変わった。

ついでにアイメイクも挑戦。
今までなら手に取ろうともしなかった、赤系のアイシャドウパレットを購入し、がっつりメイクをしてみた。
似合う似合わないは別として(←ここ大事ね)、自分の中で新しい何かが生まれたような感覚を味わった。

人の目を意識してではなく、自分のしたいメイクをした。
この年になって、生まれて初めてのことかもしれない。
20代、30代の頃にはできなかった。
いや。
本当はできたのに、勝手にできないと思い込んでいただけだったんだな。

とはいえニンゲン、そんな簡単に変われるものではないので、正直な気持ちを言えばまだ人の目は気になる。
全く気にならない日は、おそらく来ないだろう。
でもこのメイクが、私らしく生きるための第一歩になった。

赤いアイシャドウは、私にとって、自分を奮い立たせる魔法のアイテム。
これをつけた日は、いつもより自分らしくいられる気がする。
そして、少しだけ背筋が伸びる。
アイシャドウが、私に自信を与えてくれるから。


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