見出し画像

【おかみさん】自粛生活で死んだ感情すら息を吹き返す漢たちの大一番

年のうち11カ月は多忙な業界に身を置くオタクユニット・テラハセのハセガワです。繁忙期を乗り越えて久々の更新ですが、特に変わることなくオタオタしくやっております。

長引く自粛生活で困ること、それは感情の死。みなさんも身に覚えがありますよね?
私の場合、最初は仕事に関してのみ喜怒哀楽のセンサーが全て死に絶えたのですが、とうとうプライベートまで感情が凍りついてきまして……。

何をやっても「コレジャナイ」感がつらくて、激辛グルメとホラーorサイコサスペンスエンタメを求める日々が続いていました。今考えれば単に退屈だっただけかもしれませんが……。

あっ、ホラーといえば、前回テラウチ先輩に推してもらった三津田もちらちら読んでます! 

ちなみに私もホラミスジャンキー(※ホラー×ミステリーの暴力的な魅力に取り憑かれた中毒者)の一人でして、澤村伊智はほぼほぼ読了済みでございます。

今年はどこかで映画「リング」をみたいなあ、ビビリだけど大丈夫かなあ。


さて、そんな感情氷河期の私の目を覚まさせてくれた作品が、今回の推しである『おかみさん~新米内儀相撲部屋奮闘記~』。かつて父が集めていたので途中まで読んだことがあったのですが、自粛生活で改めて読破してみました。

今作は1990〜1999年まで『ビッグコミックオリジナル』で連載された、一丸先生による相撲漫画。前記事の『ゴリラーマン』に続きまた古い漫画ですみません。正直テラウチパイセンの更新意欲止めたのは私の謎チョイスのせいか? とビビったこともありますがまあ忙しかったんでしょう。気にしない。だってゴリラーマンは面白い。

画像5

気を取り直しておかみさんの話です。

舞台は新進気鋭の相撲部屋「春日部屋」。弱冠20歳(この辺に時代を感じる)の主人公・はつ子が、親方の妻として、若き「おかみさん」として、部屋の力士たちと泣き笑いしながら成長する……という、ハートウォーミングスポ根漫画です。

まず言っておくと、インドア代表わたくし、相撲のルールなど全くわかりません。野球でさえギリギリ。なんなら元バレー部(強制入部)のくせにバレーボールのルールも曖昧だったりする。
そんな私でも簡単に夢中になっちゃう「おかみさん」の魅力、それは……とにもかくにも、べっしょべしょに泣けること……!

しかも、ちゃんと笑わせてくれるし、憤慨を経てのカタルシスだってある。つまり喜怒哀楽、あらゆる感情を揺さぶってくれるんです。こいつはいいぞ。

ストーリーを支えるキャラクターたちがとにかく全員良いのですが、やはりここは弊noteの主旨に従って、イチ推しをどすこいしたいところ。

ジャーン。

画像1

春日部屋二番手の逆波(さかなみ)です。
ビジュアル✖︎、性格✖︎(趣味はプロレスと後輩いびり)と、the ヒールかモブっぽい逆波ですが、実はむっっっっっちゃくちゃいい漢(おとこ)なのです!! 割愛するけどこの↑シーンも紳士で素敵なの……。

そもそも私は「漢」と書いて「おとこ」と読ませるタイプの男性が非常に好きなのです。いわゆる「アニキ」と慕われる、男から惚れられるタイプの方々ですね。「天元突破グレンラガン」のカミナが好きなあまり、何かを察して7話で視聴をやめたぐらいにはアニキ属性なのです。
※ヒント:8話のサブタイトルは「あばよ、ダチ公」

画像6

ぴえん🥺


話を戻して、では「おかみさん」のどんなところで感情が刺激されるか。逆波の漢らしさも織り交ぜて語ります(欲張り!)。

■箱推ししたい♡ 春日部屋の面々

やはりこれは外せない推しポイント。喜怒哀楽、すべての感情を刺激してくれる春日部屋には、伝説的な力士・春日親方を筆頭に、愉快で素敵な力士たちが勢ぞろいしています。

第一話、超初期の春日部屋メンバーはこちら。

画像2

多種多様よりどりみどり、さァ好きな感情を刺激されて!!!
もちろん逆波も初期メンバーの一人です。連載当初、私は勢いがあって、男前な見た目の花嵐推しだったんですけど……ねぇ……(意味深)。

まだ新しく、所属力士の少ない春日部屋にどんなメンバーが入るのか、どう大きくなっていくかをぜひ見て欲しいです!!!

あとたまに挿入される、はつ子と春日親方のほんのりラブエピソードもとてもよい。読んでるこっちがあせあせもじもじしちゃう。こんなお見合い結婚なら何回でもしてみたいもんです。

画像7


■独り戦う漢たちの成長と挫折

一口に「力士」と言いますが、当然彼らには全員個性があって、部屋の中での役割がある。
常にぎゃいぎゃいと賑やかな春日部屋メンバーですが、兄弟子・弟弟子の絶対的な上下関係の中で一人葛藤することも、勝負の結果一人苦悶することもある。
「ここまででいいや」「今日はいいや」と、つい自分を甘やかしてしまうときもある。

画像3

逆波も、四股名をもらう前の「高田」時代にだいぶいびられてます……。

そして春日部屋メンバーの中にも、自分の限界を超えられず、苦渋の決断をする男が出てきます。引退を決めたメンバーの涙に、胸が熱くならないわけがないんです。

トップを目指す気持ちは誰もが持っているものの、一番になれるのは一人だけ。結局勝負は自分だけのもの。土俵の中、戦うのは自分だけ。そう強く思わせてくれるシーンが随所にあって、熱気の中、血だらけになりながら過酷な稽古に取り組む男たちが愛おしくてたまらなくなるはずです。


■力士たちを見守る周囲の視線

春日部屋の力士たちばかりフューチャーしてしまいましたが、主人公はあくまで「おかみさん」。時に頼りなく、情けなく、そして誰より人情に厚く優しいはつ子視点だからこそ、見えることもある。最終巻はもう……ほんと……素晴らしかったです……ウッウッ

また、後援会や商店街の人々がとても温かい。平成の人情。胸がギュンと掴まれる。全く知らない春日部屋に帰りたくなってしまう強烈なノスタルジー。
ほとんどが1話完結のエピソードで、そのどれもが素敵なのですが、やはり逆波推しとしては8巻のおじいちゃん回を推したいわけよ。

画像4

おじいちゃん子の逆波が、春日部屋を愛する「清水のおじいちゃん」のためにとった大一番。あんなんなんぼ読んでも泣けますからね。
というかこんな無愛想なのにおじいちゃん子とかほんと狙いすぎじゃない???? そんなギャップ大好きに決まっているんだが???? は???
本家本元のおじいちゃんとの話も良すぎる……逆波のおばあちゃんになりたい……。

春日部屋箱推し勢としては、みんなで海に行く回も、肝試しする回も大好き! 逆波単体でいえばやはりライバル・喜屋武との因縁の戦いは避けては通れない話題です、それに何といっても喜屋武の……おっとそれ以上を言うのは野暮ってもんですね。へへへ。

さてどうでしょう。あなたの五感にも届いたでしょうか、感情が死んだ人間を「推しのおばあちゃんになりたい」とまで言わせる「おかみさん」の威力。

感情復活の決まり手はもちろん、「推しへの愛」です。


(文責/ハセガワ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?