見出し画像

【ヒプノシスマイク】最推しである観音坂独歩にサイコパスでいてほしかった理由と失われた推しについて

互いの推し沼に引きずり込む系腐女子ユニットと名乗りつつ、巻数多めの作品や相手のNGジャンル作品を推し合っていた私達。そんなの絶対に沼に落ちないじゃん!

ただ、『代紋TAKE2』のクソエンディング、確かにめちゃくちゃ気になります。読ませるよなー、ハセガワ氏。

“原爆のアキラ”はタバコを吸ってる顔が性癖すぎるし、「刑務所暴動編」はおもしろそうでしかない。でもさ、全62巻って……62冊あるんですよ? いや、『代紋TAKE1』がなかったのは朗報なんだけど。それでもやっぱり62冊は……ねえ……? 

とは言え、『キングダム』を最新刊まで読んでしまっている私に「時間がない」「巻数多すぎ」という言い訳はできない。読もうじゃないか、ハセガワくんと一緒に「コワすぎ!」応援上映をしたあとに。

ということで、今回は比較的ハードル低めのコンテンツを推したいと思います。ハセガワくんもご存知、「ヒプノシスマイク」の観音坂独歩についてネチネチダラダラ語らせてください。
それじゃあ行くぜ、アーイ?

■観音坂独歩はもっと尖っていたはずなんです

いきなり不平不満かよっていうね。でも聞いてください。「ヒプノシスマイク」というコンテンツに対するジレンマとともに。

そもそも「ヒプノシスマイク」というのは、音楽原作キャラクターラッププロジェクトとしてスタートして、音楽(声優によるライブ含む)→ドラマトラック→コミカライズ→舞台化→アニメ化みたいな順番でメディア展開してきた、今年3年目のイケイケドンドンコンテンツです。

私の最推しである観音坂独歩というキャラクターは、シンジュク・ディビジョンに所属する、医療機器メーカー勤務の社畜男性(29)。ネガティブな性格で、口癖は「俺のせい」、仕事のストレスや将来への不安が原因で不眠症を患っていて、アンセム(全キャラ参加のコンテンツ全体のテーマソング的なやつ)では「ぶっ殺すぞオイ!!!!!!」と絶叫するような、つまるところ闇の腐女子ホイホイなんですよ。

キャラデザも、虚ろな目付きに濃い隈、天パっぽい赤茶の髪にダークスーツ、自分の手で首を絞めるようなジェスチャーをして半開きの口から舌をのぞかせているという、初期キャラ12人の中でも群を抜いたダウナーっぷり。(サムネイルをご覧あれ)一も二もなく落ちましたよね。

キャラクターソングのタイトル「チグリジア」は、「私を愛して」と「私を助けて」の2つの花言葉を持つ、赤く毒々しい花弁の花。別名「タイガーリリー」。気怠げで投げやりな、嘆息混じりの声で「期待も別にないよ眠りたいだけ」と歌い上げる。そしてリリックは絶望的でありながら詩的センスにあふれているんだから好きにならないわけがないですよね。

以上が、ドラマトラックのストーリーが進むまでの、私の推しの観音坂独歩像でした。

シンジュクNO1ホストで宝石急美形の伊弉冊一二三と同居していて、彼にめちゃくちゃ世話を焼かれてるくせにやれやれ感を出している、ラノベ主人公みたいな一面があることは知っていました。でも、そんなヤッピー(死語)な状況にも満たされることなく、ダウナーに毒々しいリリックを吐き出す独歩は、私にとって孤高の美しさをたたえた存在だったのです。

ドマラトラックのストーリーが進むにつれて、シブヤ・ディビジョンのギャンブラーに罵られたり、イケブクロ・ディビジョンの高校生にビビったりといったシーンはありましたが、独歩の内心には彼らをはるかに凌駕する攻撃性が眠っていると信じていたので、ほとんど気にはなりませんでした。
なんだったらヨコハマ・ディビジョンのヤクザに「ヒィィィ! ヤクザ!!」と言い放った時には、「彼は普段低姿勢だけど、それは単なる処世術でヤクザに面と向かってヤクザと言ってしまうデリカシーのなさというかサイコパスみがある! すなわち推せる!!」と思っていました。

自他ともに認めるサイコパスで、他チームのメンバーを「チンピラ」と吐き捨て、営業トークの裏側に日本刀を隠し持つ。それが私の推しの観音坂独歩像だったんです。が。

■そもそもなんでダウナーなサイコパスを推すのか

それは私が一番知りたいところだったので、この記事をきっかけに考えを巡らせてみることにしました。

思えば、幼い頃からアンパンマンよりもバイキンマンを応援する子どもでした。どうしてかと言われると、黒色が好きだったのと、角(触角?)としっぽが可愛かったからというのと、なんだかよくわからない目標に向かって、とことん自分本位に頑張っていたからというのがあったように思います。要は、わがままなキャラクターが性癖なんでしょうね(ドキンちゃんも結構好きです)。

そこから『ぼくの地球を守って』の小林輪くん、『HIGH SCORE』のめぐみ、『封神演義』の妲己ちゃん、『WILD HALF』の王牙、『地獄先生ぬ~べ~』の玉藻、『遊☆戯☆王』の海馬社長と闇遊戯、『ゴールデンカムイ』の尾形などなど、ゴーイングマイウェイがすぎるキャラクターたちにハマっていくわけです。

画像4


(王牙くん、マジ性癖すぎるのだが????)

どうしてわがままでサイコパス気味なキャラクターにハマるのかを突き詰めていくと、私が飽き性なことに由来するのではないかという考えに行き着きます。身も蓋もない暴言を吐かせていただくと、真っ直ぐなキャラクターって飽きちゃうんですよね……。※個人の感想です

現実的な話に置き換えても、「彼の優しさに慣れて、浮気してしまった」みたいな話は割とよく聞きますが、「ブラック企業に慣れて、デスクの住心地が良くなってきた」という話はあまり聞きません。ヤバい状況・相手には慣れない、つまり飽きないんだと思うんです。サイコパスキャラ好きの同志の方、どんでん返しオチが好きだったり、ホラー・サスペンスものが好きだったりと、スリルジャンキーな傾向ありませんか?

■観音坂独歩(公式)を推せなくなった日

上記までの流れでいうと、極悪非道さにはやや欠けるものの観音坂独歩は私の推しの条件を満たしていました。表向きは誰にでも謝る社畜だけど、心の中で気に入らない人間全員殺してそうなサイコパス。最高じゃないですか。

しかし、とあるドラマトラックで、小生意気な少女と独歩が信頼関係を築き、彼女のピンチを助けたんですよ。そりゃないよって思いました。そもそも、子どもだから全てが許されると思っている生意気キャラが嫌いというのもあるのですが、観音坂独歩はそういう子どもを横目でチラ見するだけで、助けるとしたら周りの目を気にしてやむを得ず、みたいな感じなのでは、と。そんな優しさを隠し持っておいて、どこが自他ともに認めるサイコパスなんだ、と。

気付けば、他のキャラクターはクローンであることが発覚したり、敵の親玉が母親だったり、最愛の妹が敵方に寝返っていたり、失踪していた父親が毛皮のおっさんで詐欺師で黒幕っぽかったりと、めちゃくちゃシリアスな設定を背負わされているのに、観音坂独歩は意外と弱き者に優しいお兄ちゃん気質の持ち主になってるなんて。そんなのってないよ!

でも、あくまでヒプノシスマイクは「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」。キャラソンが原典なのです。ドラマトラックやコミカライズの観音坂独歩は、そちらの世界線の観音坂独歩として、私は「チグリジア」を歌い、「ぶっ殺すぞオイ!!!!!」と叫んでいたサイコパス坂独歩を推したい。いや、推しているのです。

■もう一人の失われし推し

こんな感じで「公式と解釈が違う!!!!」となってしまった推しがもう一人。100億の男こと安室透です。

画像1

褐色肌に金髪、タレ目の碧眼というチャラ男オブ・ザ・イヤーみたいな外見なのに、公安警察官、黒の組織の探り屋にしてスパイ、毛利小五郎の弟子という3つの顔を持つ危険な男。任務を遂行するためなら毛利小五郎を嵌めることもいとわず、親友を殺した組織にポーカーフェイスで潜入するという、巨大な虚ろを抱えていそうなところにグッときたわけです。私生活とかいう概念が存在しなさそうだし、めちゃくちゃ自分を粗末にしてそう、最高!

なので、公式スピンオフである『ゼロの日常(ティータイム)』がスタートしたときは大喜びでした。やっと、ガレージのような殺風景な部屋に、サンドバッグと黒革張りのソファと酒の空き瓶だけが雑然と置かれた、安室さんの部屋が見れるんですから。

しかし、いざストーリーが始まると、小型犬を飼うわ、部下の分までお弁当を作るわで、穏やかで丁寧な暮らしが綴られているんですよ……。この絶望、わかりますか? 公式と解釈違い……。
いつ死ぬか分からない任務に身を投じている男が小型犬飼ったらあかんやろ……。

画像2

こうして私が推していた安室さんは失われたのでした。

闇の腐女子ってあまり地雷がないラーテルみたいな生き物と思われがちですが、推しが「良い奴」になった瞬間爆死するという悲しい宿命を背負っているんです。そういえば、輪くんも『ボクを包む月の光』では良いお父さんになってたし、妲己ちゃんもグレートマザーになっちゃうし、私の見る目がないだけなのかしら。ふええ。。
推しが死にがちで辛い、という案件はTwitterでちらほら見かけますが、推しが光堕ち(?)しがちで辛いという件についても問題提起していきたいと思った次第です。

最後までブレなかったのは海馬社長だけ!!!!!!

画像3


この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?