ブルーファームカフェは農作物とデザインの物々交換ができるデザイン公民館

地域活性において他に見本がなく、とても素晴らしいビジネスモデルを見つけたのでnoteにまとめておきたいと思います。

ブルーファームという会社

東北は宮城県にある「ブルーファームカフェ」は、農家がデザインや商品開発の悩みを何でも相談することができるデザイン公民館として2016年に誕生した。その運営会社のブルーファーム株式会社は「八百屋」と「デザイン事務所」と、何とも面白い組み合わせで事業を行っている。

震災後、東北の一次産業が、破壊的な状態だった時に「ドラえもん」のように逃げずに人の役に立ちたかったという想いから、ドラえもんの「青」をモチーフにしようと思って名前を付けたそうです。そして、シンボルとして「幸せの青い鳥」をイメージし、お客さんにとっての「青い鳥」になりたいという想いがVI(ロゴマーク)に込められました。

前例の無い八百屋とデザインのハイブリッドビジネス

この会社の最大の特徴は、八百屋とデザインの二つの事業を見事に融合させている所にあります。何を隠そうここが感激ポイントでして、記事を書こうと思った理由です。パッと見でわかるように流行りの図解をしてみたので先に載せてしまいますね。

ちなみに、右下と左下の点線吹き出しは「ベネフィット」を指しています。

全国のレストラン・ホテル・百貨店などに東北の食材を販売する「八百屋」がメインの事業。販売卸先には、六本木のグランドハイアット東京や恵比寿にあるレストランヒロミチ、エミーズ、うかい亭など有名どころが名を連ねます。

それを基盤にして、農家や地元企業からのデザインやブランディングを請け負う「デザイン事務所」を行っていて、その拠点がブルーファームカフェ。

このデザイン事務所の仕事の受け方がビジネスモデルの最大の特徴となっているのだが、農家さんがデザイン料を現金で支払えない場合は、何と一次産品との物々交換で仕事を受けているんです。

物々交換とは何とも田舎らしい!

このデザインと農産品の物々交換というユニークネスなビジネスは「質の高い食品は自社の卸ルートに乗せて販売することができるから」という八百屋事業がそれを支えています。

「6次産業化を目指すにはデザインは必須なのだが、農家さんにはデザインに投資する予算がない」といった全国共通の課題を、自社の強みを生かした新しいビジネスモデルを作ることで解決しています。

あと、この仕組みがさらに凄いのは「農家さんの本業のモチベーションを上げてしまう」ところにあると思っていて、良い商品を作れば、物々交換でデザインやブランディングのサービスを受けることができることを知れば、みんなが「もっと良くしよう」と商品づくりに精を出しますよね。(ベネフィット②)

想像ですが、このビジネスモデルはこのような「良い空気」を作ることにも貢献しています。田舎は空気によって右に行ったり、左に行ったりするのが顕著な場所ですから、それを作り出せた・出しているのは大きいし、地域は活性化します。

今、会社としての年間売上は(2人で)2,500万円を超える規模となっており、内訳は八百屋業とデザイン業の売上がほぼ1/2らしい。す、すごい....。(ということで図は「黄」「青」の2色で面積を半分半分にして売上規模を視覚的に分かるようにしてみました)

地域の相談が集まる場所に

1階のカフェとしての営業は、土日の2日間のみで、メニューはオリジナルブランドのコーヒーや、フレッシュジュースやデザートなど。平日はデザインの相談を受ける場として利用し、実際のデザインワークは2階で行っています。

デザイン事業を強化するためには農家との接点づくりが必要だと、カフェをオープンした。店舗は岩出山地区というところのメイン通りにある理髪店だった家屋をフルリノベーションしたものらしいです。この場所は、コーヒーをサービスするためだけにやっている場所ではなく、デザインを売るためのスペース。来店客の6〜7割は飲食だけれど、残りはデザインの相談が来店目的。地域の人と相談が集まるまさに「公民館」ですね。

商品開発や販路開拓の相談、食を中心にした鳴子温泉地区の活性化プロジェクトの企画提案など相談も増え、事業は拡大を続けているようです。

最後に

「デザインで儲かる!」と認識されれば、農家はその分野を大事にするし、間違いなくお金を出します。でも「儲かるわけじゃないけど大事なんです!」などと言ったとしても、農家はそこにお金を払うことはしないし、大事だとも思いません。この論理は企業に対しても全く同じことが言えて通用しません。

しかし、ブルーファームという会社はこの論理が崩れないことを分かった上で、自社の強みを使って全く新しい仕組みを作りました。しかも「物々交換」という地域に根付く、古く馴染みのある慣習も巧みに利用してです。ブルーファーム半端ねえっす。

この記事が誰かの何かのお役に立ったら幸いです。それでは今日はこの辺で。


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田中 新吾

マーケティング会社でキャリアを積み、現在はコミュニケーションデザインという領域で活動しているコミュニケーション・ディレクターです。いつもチョコバナナのことばかり考えてます。座右の銘はI'm all ears. 詳しくは http://html.co.jp/Shingo_tna

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