人魚姫は暗殺者? アクアマンとメラさんのキュン!な出会い 【MERA tidebreaker 】

今回はDCコミックスの新レーベル、「DCインク」の作品をご紹介します。

DCの2つの新レーベル


DCコミックスが新設したDCインク(DC INK)はヤングアダルト(中高生)、DCズーム(DC ZOOM)は小中学校を対象にしたコミック、グラフィック・ノベルのレーベルです。日本で言えば「角川つばさ文庫」や講談社の「青い鳥文庫」の漫画版といったところでしょうか。以下の記事によると「ヤングアダルト」は、いわゆる「ライトノベル」とは少し意味合いが違うようです。



DCインク・DCズームは、ヤングアダルト小説や児童文学のベストセラー作家が、DCコミックスのキャラクターを用いて自由に物語を描くというコンセプトで、キャラクター設定や世界観も作家が自由にアレンジしており、本家の連載作品を読んだことがない方でも楽しめるようになっています。

今回はそのDCインクから、こちらの作品をご紹介。


MERA tidebreaker



本作は「アクアマン」シリーズから、アクアマンのパートナーであるメラを主人公に迎えた作品です。水や液体を自在に操る能力を持ち、アクアマンに劣らぬパワーと強い意志を持った戦士でもあります。



原作コミックでのメラは、父であるゼベル王ネレウスの命令で、アトランティス王家の血を引くアクアマンことアーサーを暗殺するつもりでした。しかしアーサーと恋に落ち、父を裏切って彼の味方をするようになった、という設定があります。本作はそのエピソードをアレンジしたもの。



実はDCアンバサダーでもある私は、映画「アクアマン」のメラ役のアンバー・ハードさんの来日イベントに参加しておりました。生で見るメラさんのハリウッド・スマイルの眩しさたるや! さらに元レスリング金メダリストの吉田沙保里さんもご出演というサプライズもあり、大変貴重な経験となりました……。


ありがとうワーナーさん。



あらすじ



赤毛の少女メラは、海底王国ゼベルの王女。ゼベルはかつては海底七王国のひとつに名を連ねるほどでしたが、現在はアトランティス王国の支配下にあります。ゼベル人たちの間ではアトランティスへの反発が高まっており、メラや国王もまた独立を望んでいます。ある日、ゼベル人たちが反アトランティスのデモを行っている最中、メラはアトランティス大使館の壁を破壊してしまいます。メラは世話役のヒカラに助けられ、間一髪でアトランティス兵の手を逃れました。



その日の夜、ゼベルの城ではトレンチ族の王家を迎えてパーティーが行われました。メラの父でゼベル国王のネレウスは、同盟国トレンチの王子ラーケンを、娘と結婚させたいと考えています(原作や映画では凶暴なモンスターだったトレンチ族は、本作では人間の姿です)。しかし彼女はそれを望んではいませんでした。


メラはパーティーを抜け出し、幼い頃に喪った母の像の前でため息をつきます。彼女の母親は女王であり、良き母であり、同時に勇敢な戦士でもありました。母のような英雄になりたいと願うメラは、政治に利用され、愛していない相手と結婚させられ、戦士にもなれない将来を悲観していたのです。苦しむ彼女にヒカラはこう言います。

「母上になろうとしなくて良いのです。あなたはあなたになるのです」



メラはその後、父がアトランティス王家の血を引く人間の子、アーサー・カリーを、ラーケンの手で暗殺させようと企てていると知ります。望まない結婚を拒否し、自分もまた母のような戦士であることを証明するために、彼女はラーケンよりも先に、自らの手でアーサーを殺そうと決意します。

メラはアムネスティ・ベイ(忘れが岬)にたどり着くと、溺れたふりをしてアーサーに保護されます。海棲人である彼女は、地上の空気に肺と体が慣れるまでは安静にしなければいけません。彼と行動をともにしながら暗殺のタイミングを探っていたメラでしたが、やがて彼女は、アーサーは自分の出自を知らないだけでなく、誰にでも親切で心の優しい、無垢な青年であることを知ります。本当に彼を殺すべきなのだろうか……? 戸惑う彼女の胸に、いつしかアーサーへの恋心が芽生えていくのでした。



人魚姫は暗殺者?


「妻や母親になることで自己実現の機会を奪われたくない」という普遍的な少女の葛藤と、「ロミオとジュリエット」のような許されざる恋を描いた青春物語。果たして彼女はアーサーを殺して祖国を守るのか、それともアーサーとの愛を選ぶのか……。切なさに胸が苦しくなります。

さらに「人魚姫が実は暗殺者だったら?」というシチュエーション・コメディや、謎の美少女が居候する系ラブコメの要素で味付けされていています。映画版のアーサーとメラのシチリアデートや、アーサーの父トムとアトランナ女王の悲恋に萌えた方は、本作を読めばキュンキュンキュンキュンどうして? な気持ちになること間違いなしです。


余談ですが、私は映画冒頭のトムとアトランナの出会いと別れの場面で、4DXに揺られながら爆泣きしました。


クリエイター紹介


ライターを務めたのは小説家のDanielle Paige


代表作は「Dorothy Must Die」シリーズ。「オズの魔法使い」の世界に迷い込んだ少女に課せられたミッションは「ドロシーを殺せ」!? 



アーティストを務めたのはStephen Byrne。現在はDCコミックスで、双子ヒーロー「ワンダーツインズ」を連載中。バットマンとスーパーマンの高校時代の黒歴史エピソードも読めます。




若年層向けの作品なので、分かりやすく簡単な英文で書かれています。1冊で完結するので、初めてアメコミ原書を読むという方にもおススメです!


MERA tidebreaker は紙・電子ともに絶賛発売中!!


「僕も読んでるよ、メラ」


邦訳アクアマンでもメラさんの活躍&イチャイチャが読めるぞ!

「アトランティスの王」→「王の遺産」→「ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃」→「王の最期」の順に読んでね。


DCインク・DCズームの今後のラインナップ



5月発売のキャットウーマンは「MERA」の中に試し読みページがありましたが、これも名作の予感。


個人的にはマリコ・タマキハーレイ・クインが気になります。


Netflix で公開中の「TITANS」のレイチェルが主人公の「レイブン」も!


DCズーム版スーパーサンズも良き!!


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ぺぺぺぺ〜〜〜ん
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おそばBOYうどん太@脚本読解

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