【ブラックパンサー、オスカー3部門受賞記念!】映画とアメコミで学ぶアメリカ黒人史

☆ワカンダ・フォーエバー!!

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のヒーロー映画「ブラックパンサー」が、2019年、第91回アカデミー賞にて「美術賞」「衣装デザイン賞」「作曲賞」の3部門を受賞。惜しくも「作品賞」は逃しましたが、アメコミヒーローものがアカデミー賞でこれほど注目されるのはおそらく「ダークナイト」以来ではないでしょうか。



今年は本作以外にも、「グリーン・ブック」「ブラック・クランズマン」「ビールストリートの恋人」と、60〜70年代のアフリカ系アメリカ人を描いた作品が多数ノミネートされました。人種差別による痛ましい事件が続く今日のアメリカにおいて、ブラック・ライブズ・マター(「黒人の命も大切だ」運動)の勢いは未だ衰えていないようです。

ところで、本作において最も観客の心を捉えたのは、ヒーローである主人公ティ・チャラよりも、むしろヴィランであるキルモンガーだったのではないでしょうか。アメリカで育ち、差別を目の当たりにしてきた彼は、現代のアフリカ系アメリカ人の怒りを代弁する存在です。アフリカの王族の末裔として裕福な暮らしをしてきたティ・チャラは、彼の怒りを一身に受け止めねばなりませんでした。

今回は、キルモンガーとアフリカ系アメリカ人がこれまで受けてきた差別と、その抵抗の歴史を学ぶ手助けとなる映画やコミックをご紹介します。比較的新しくアクセスしやすい作品をピックアップしています。


1.奴隷の時代

かつてアフリカの人々は、奴隷として無理やりアメリカに連れてこられた。そこでは綿花農場などでの過酷な労働や、白人たちによる虐待などが行われてきた。

☆アミスタッド

スティーブン・スピルバーグ監督作「アミスタッド」は、19世紀に起きた「アミスタッド号事件」が題材。アフリカで拉致され「商品」として奴隷船に乗せられた青年シンケと仲間の黒人たちは、キューバ沖で反乱を起こし乗組員を殺害。その後、投獄されたシンケたちを救うため、元大統領のジョン・クインシー・アダムスと弁護士のボールドウィンが奮闘する。


☆それでも夜は明ける

スティーブ・マックィーン監督作。主演は「ドクター・ストレンジ」でモルド役を演じたキウェテル・イジョフォーで、同作出演のベネディクト・カンバーバッチ、さらに「ブラックパンサー」でナキア役を演じたルピタ・ニョンゴも出演。

1841年、アメリカ生まれで「自由黒人」の地位にあったバイオリニストのソロモン・ノーサップは、ワシントンでの公演のあと拉致され、約12年間奴隷として農園で労働を強いられたという、実話を元にした作品。


2.南北戦争(シビル・ウォー)と奴隷解放宣言

1861年〜65年の約4年間、奴隷制賛成派の南部の11州が合衆国を離脱しアメリカ連合国を名乗り、反対派の北部23州との間で戦争が勃発する。第16代大統領のエイブラハム・リンカーンは1862年に「奴隷解放宣言」、1865年に「憲法修正第13条」を成立させ、奴隷制は廃止された。

☆グローリー

第62回アカデミー賞、助演男優賞(デンゼル・ワシントン)、撮影賞、録音賞を受賞。南北戦争時に実在した、米国初の黒人の部隊「第54連隊」の誕生と、熾烈を極めたフォート・ワグナー(ワグナー砦)の戦いを描く。



☆リンカーン

スティーブン・スピルバーグ監督作。リンカーン役のダニエル・デイ=ルイスは第85回アカデミー賞にて主演男優賞を獲得。南北戦争末期の、リンカーンの最後の4ヶ月間を描く。



☆ヘイトフル・エイト

クエンティン・タランティーノ監督が、南北戦争後の人種差別をテーマに、猛吹雪により密室状態となった雪山での血なまぐさい殺し合いを描く。相変わらず身も蓋もない暴力描写だが、スリリングな会話劇と、意外な結末でちょっと優しい気持ちになれる快作。


3.第二次大戦後

戦争では白人も黒人も共に戦ったが、終戦後に帰還した黒人には、未だに差別が待ち受けていた。


☆マッドバウンド 哀しき友情

第二次大戦直後、未だに根強い黒人差別が残る、南部はミシシッピ州の農村で生きる、白人のマッカラン一家と黒人のジャクソン一家。戦争から帰還した両家の長男二人は、意外にも友情を育むことになる。ネットフリックスで配信中。


☆伝説のアニメーター フロイド・ノーマン

ディズニーで初の黒人アニメーターであり、黒人が主人公のアニメ「ファット・アルバート」なども手がけたフロイド・ノーマン氏のドキュメンタリー。まさに戦後のアメリカにおける黒人とアニメ・漫画文化の生き字引。伝説の音楽番組「ソウルトレイン」のオープニングの汽車を描いたのもこの人だ。ネットフリックスで配信中。



4.モータウンとデトロイト暴動

戦後のアメリカはさまざまな文化が花開いた時代でもあり、特に音楽の分野での黒人たちの活躍は目覚ましく、ブルースからロックンロールが生まれたり、ソウルやリズム&ブルース、ジャズやファンクなど、今日におけるポップミュージックは彼らが発明したと言っても過言ではない。先述の「ソウルトレイン」は、そうした黒人音楽カルチャーの発信源として重要なメディアだった。しかしその一方で、デトロイト暴動のような痛ましい事件が起きた、混迷の時代でもあった。


☆グリーンブック

本年度アカデミー賞にて「ブラックパンサー」を抑え、作品賞と脚本賞に輝いた。主演は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのヴィゴ・モーテンセン。本作でマハーシャラ・アリは助演男優賞を二度目の受賞となった。監督は「Mr・ダマー」シリーズや「メリーに首ったけ」のピーター・ファレリー。3月1日より公開予定。

1962年、高級クラブの用心棒のトニー・リップは、店が改装のために閉鎖したために一時的に職を失い、黒人ジャズ・ピアニストのドクター・シャーリーの運転手に雇われる。黒人差別の根強い南部でのツアーの為に、トニーは黒人が安全に旅する為のガイド本「グリーン・ブック」を頼りに、シャーリーと共に南部へ向かう。


☆Ray レイ

「わが心のジョージア」で有名な盲目のミュージシャン、レイ・チャールズを、歌手としても人気のジェイミー・フォックスが熱演し、2005年の第77回アカデミー賞にて主演男優賞を受賞。

少年時代に緑内障を患い盲目となったレイは、一人で生きていけるようにと母に厳しく育てられた。やがて音楽の才能に目覚め、歌手として数々のヒット作を生み出した。栄えあるキャリアのその一方で、彼の人生は薬物依存や子供時代のトラウマに捕らわれた、苦難の道でもあった。


☆ドリームガールズ

歌姫ビヨンセが主演したミュージカル映画。デトロイトを拠点とする音楽レーベル「モータウン」の人気歌手、ダイアナ・ロス&シュープリームスをモデルにしている。モータウンはジャクソン5やマーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダーなどの有名アーティストを多く輩出した名門レーベルとなった。


☆デトロイト

1967年7月23日〜27日に発生した「デトロイト暴動」で、ある白人警官がモーテルに宿泊していた黒人たちを尋問と称して暴行・殺害した、「アルジェ・モーテル事件」を題材にした作品。ちなみにこの事件に巻き込まれたザ・ドラマティックスは、モータウンではなく「スタックス」所属。

バットマン誕生以前を描いたDCコミックス原作ドラマ、「ゴッサム」のジェローム(後のジョーカー)役を演じたウィル・ポールターが差別主義者の白人警官を演じ、MCUでサム・ウィルソン(ファルコン)を演じるアンソニー・マッキーを拷問している。


5.ケネディ大統領と宇宙開発

1961年に第35代アメリカ大統領となったジョン・F・ケネディは、黒人の差別を撤廃し、公民権を認める方針を打ち出した。彼はキング牧師とともに、アメリカの良心的存在として、未だに人気が高い。

ケネディの時代は、ソ連との宇宙開発競争の時代でもあり、1969年7月24日、アポロ11号は史上初の月面着陸を達成した。


☆ドリーム

アポロ計画の前段階である「マーキュリー計画」を支えた黒人女性たちの活躍を描いた感動作。作中で主人公のキャサリンが、わざわざ仕事場から離れた別の建物までトイレに行かなければならなかったように、1961年のアメリカでは、未だに白人と黒人が同じレストランに入れなかったり、同じ水飲み場を使えなかったり、バスで隣り合って座ることもできなかったのだ。


☆DC:ニューフロンティア

タイトルはケネディが打ち出した「ニューフロンティア政策」に由来し、同時代に出版されたDCコミックスのヒーローの変化や代替わりしていく様を宇宙ロケット開発やベトナム戦争、モハメド・アリの活躍などの史実に当てはめた意欲作。それは同時に、鬱屈とした戦後アメリカを描いた「ウォッチメン」へのアンサーでもある。

西武開拓時代のトール・テール(大男伝説、ほら話)の一つである「ジョン・ヘンリー」という黒人の大男を、アメリカ初のヒーローとして描いているが、彼は残念ながらKKKに殺害されてしまう。



6.KKK(クー・クルックス・クラン)

本年度アカデミー賞では脚色賞を受賞。白い三角の頭巾とマントを纏った白人至上主義団体、クー・クルックス・クラン(KKK)に、なんと黒人の刑事が潜入捜査するという、嘘のような実話を、黒人映画界の巨匠スパイク・リーが映画化。デンゼル・ワシントンの息子、ジョン・デビッド・ワシントンが主人公を、アダム・ドライバーが相棒の白人刑事を演じる。

ところで、「スーパーマンのルーツはKKK」という説は、単純にそれを裏付ける根拠に乏しく、信憑性は低い。それどころか、かつてスーパーマンはラジオドラマ版でKKKと戦ったことがあり、そのエピソードを元にした新作が、日本人アーティスト二人組、グリヒルの絵でコミック化が予定されている。


7.キング牧師と公民権運動

今まで見てきたように、戦後アメリカは未だに黒人への差別が根強かった。60〜70年代、黒人への差別を撤廃し、白人と平等な権利を求めた公民権運動において中心的な役割をになったのが、キング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニアであった。


☆グローリー/明日への行進

非暴力主義を掲げ、「I have a Dream(私には夢がある)」の演説で有名なキング牧師が、アラバマ州セルマでデモ行進をするが、白人の知事の命令で、警官隊による暴力によって制圧されてしまう。しかしその光景がテレビで報道されたことで、アメリカ中の人々の心は動かされていく。



☆MARCH

「アメコミ界のアカデミー賞」ことウィル・アイズナー賞で「Best Reality-Based Work(最優秀ノンフィクション作品」を受賞の他、全米図書館協会賞をグラフィックノベルとして初めて受賞した名作。

ジョン・ルイス下院議員が、当事者の視点から公民権運動と当時のアメリカを振り返る。



☆ビール・ストリートの恋人たち

「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンスの新作。公民権運動で中心的役割を担った小説家・詩人のジェームズ・ボールドウィンの同名小説が原作。主人公ティッシュの母親役を演じたレジーナ・キングが助演女優賞を受賞した。2月22日より絶賛公開中。

70年代、ティッシュは恋人ファニーに妊娠したことを告白するつもりだった。しかしファニーが白人の警官の怒りを買ったため、不当に逮捕され、無実の罪で投獄されてしまう。



8.ブラック・パワーのリーダーたち

差別と偏見に立ち向かう為には、強い意志と持たねばならない。カリスマ的な黒人ヒーローたちは「ブラックパワー」のスローガンと共に、黒人たちは同胞を鼓舞していく。

☆マルコムX

スパイク・リー監督作品。デンゼル・ワシントンがマルコムXを演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

キング牧師が非暴力主義を掲げる一方で、アフリカ系アメリカ人のイスラム教団体「ネイション・オブ・イスラム」とその若き指導者マルコムXは、武力による抵抗も辞さない構えで、白人による抑圧を徹底して批判した。


☆ALI アリ

最強の黒人ボクサー、カシアス・クレイはネイション・オブ・イスラムに加入し、モハメド・アリに改名した。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」という名言のような、過激なリップサービスもまた彼の魅力の一つだった。白人すら魅了した彼の圧倒的な強さは、正にブラックパワーを象徴していた。



☆ジェームス・ブラウン 最高のソウルを持つ男

ブラックパンサー役のチャドウィック・ボーズマンが「ソウルの帝王」ジェームス・ブラウンを演じた本作。彼は「ゲロッパの陽気なおじさん」などではなく、自分にも他人にも厳しい、超がつく完璧主義者だった。彼の類まれなる歌唱力、シャウト、そしてダンスは、この時代の黒人たちの怒りを代弁し、同胞の誇りをアジテートした。そして彼が発明したミニマルでグルーヴ重視の音楽スタイルは、後に世界を席巻するヒップホップのルーツでありベーシックとなる。


☆マザーファッカー:あるブラックパンサー党員の物語

ブラックパンサー党はマルコムXの死後、1967年に結成された。アフロヘアー、黒い革ジャケット、黒いベレー帽を纏った彼らは、公民権運動と共産主義革命を合わせた思想を持ち、武力による革命を目指す過激派組織であった。ちなみにマーベルのブラックパンサーとの間に因果関係はないとされる。



9.革命はテレビには映らない

「黒いボブ・ディラン」とも呼ばれるギル・スコット・ヘロンは、歌手であり詩人である。初期の代表作「Revolution will not be televised 」(革命はテレビには映らない)は、うねるベースラインとドラムのループにポエトリー・リーディングを乗せるという、ラップの原型とも呼べる楽曲で、「ブラックパンサー」の予告編でもヴィンス・ステイプルズの「BagBak」のビートにマッシュアップされていた。


彼の自伝も本当に面白いのでオススメです。


10.ブラックスプロイテーション


☆黒いジャガー(SHAFT)

☆黒いジャガー アフリカ大作戦

ブラックスプロイテーション(BLACK + Exploitation film)は、主に黒人が主要キャストを務める、暴力的かつ猥雑なB級映画。ギャングや麻薬の密売人などが主人公の場合が多く、結果的に黒人に対する負のステレオタイプを助長してもいるのだが、未だに根強いファンがいたり、サウンドトラックが名盤揃いだったりと、良い面も確かにあった。

「黒いジャガー」ことシャフトは、2000年にサミュエル・L・ジャクソン主演でリメイクされたが、なんと今年に続編が公開予定だという。




☆スーパーフライ

カーティス・メイフィールドによるオリジナル・サウンドトラックは、ソウル史上屈指の名盤となった。


☆野獣戦争(Trouble man)

「キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー」で、サム・ウィルソンがスティーブに「これを聞けば戦後のアメリカが理解できる」といったのは、マーヴィン・ゲイによるこの「トラブルマン」のサウンドトラック。邦題がすごい。



11.ヒップホップの誕生

今日のポップミュージックのメインストリームとなるほどの影響力を持つヒップホップ、ラップミュージックは、70年代末ごろ、ニューヨークはブロンクスの片隅でひっそりと産声を上げた。


☆ゲットダウン

70年代後半〜80年台はディスコ全盛期だったが、その時ブロンクスでは新たな音楽が産声をあげたばかりだった。2枚のレコードで、同じ曲のドラム・ソロのパートを延々と繰り返す「ブレイク・ビーツ」、メロディよりもリズム重視で言葉を乗せていく「ラップ」。何もかも斬新すぎた。

DCコミックスの映画「アクアマン」でブラック・マンタを演じたヤーヤ・アブドゥル・マティーン2世が、ディスコダンサーのキャデラック役を演じている。ネットフリックスで配信中。


☆ヒップホップ家系図

ヒップホップ黎明期の出来事を、古風で独特なアートで綴る異色のコミック。作者のエド・ピスコーは、マーベルでX‐メン誕生の歴史を描いた「X-men : Ground Design」シリーズを手がけている。




12.ロサンゼルス暴動、現代アメリカ

1992年、カリフォルニア州ロサンゼルス市サウス・セントラル地区にて、様々な人種的な要因が火種となり、大規模な暴動が発生。その後、サウス・セントラルはストリートギャングの街として今なお悪名を轟かせている。

映画版のキルモンガーが少年時代を過ごしたのは同州のオークランドらしく、そうした人種差別と暴動の余波を感じて大人になったのだろう。


☆ドゥ・ザ・ライト・シング

スパイク・リー監督の代表作。ロサンゼルス暴動にインスパイアされた物語だが、舞台はニューヨークのブルックリンに入れ替わっている。うだるような暑さの夏の日、いつもと変わらないはずの日常が苛立ち始める。


☆ストレイト・アウタ・コンプトン

いわゆるウエストコースト(西海岸)のギャングスタ・ラップの元祖であるN.W.A.の伝記映画。「ギャングスタ」と言いつつメンバーのほとんどはギャングに属した事がない、むしろ優等生や音楽オタクだったりした彼らは、音楽という形で怒りをぶちまける。



☆RIZE ライズ

正に暴動の爆心地であったサウス・セントラルで育った子供たち。ギャングに加入しなければ生きていくのも困難な街で、彼らはダンスと出会い、ゲットーから世界に羽ばたいていく。



☆インペリアル・ドリーム

スターウォーズ新三部作や、先述の「デトロイト」で主演を務めたジョン・ボイエガが主人公を演じる。ネットフリックスで配信中。

この作品を見ると、貧困の連鎖は社会システムの不備がもたらしているのだと痛感させられる。貧困から抜け出すには、結局はギャングにでもなるしかない。人生どん詰まりの時、悪の道に堕ちずに生きるにはどうすればよいだろう?



☆ムーンライト

「ビールストリートの恋人」のバリー・ジェンキンス監督作。第89回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚色賞を受賞した。

黒人コミュニティにおけるドラッグの売買と依存症の問題や、子供の貧困問題、そしてマッチョイズムにさらされるゲイの苦悩と切ない恋と友情。主人公の幼年期、少年期、成人期を、月明かりと波の音で優しく包み込む。



13.黒人ヒーローの新時代

2013年、白人警官が無抵抗の黒人の少年を射殺した事件をきっかけに、警察の黒人への過剰な取締りによる暴力や殺人を批判する「ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動が全米各地に広まった。その波は映画界や音楽界、その影響のもとに作品が次々に製作された。そして黒人ヒーローを主人公にしたコミックとその映像作品が、今こうして私たちを勇気づけてくれている。


☆ブラック・ライトニング

DCコミックスからは「闘う校長先生」ことブラック・ライトニングが登場。「アローバース」のような明るく楽しいヒーローものに、リアルタイムで起きている黒人差別問題を脚本に取り入れるシリアスさのバランスが絶妙。アークヴィランが「アルビノの黒人」というのも、差別問題の複雑さを象徴している。ネットフリックスで配信中。



☆ルーク・ケイジ

マーベルのネットフリックス・オリジナルドラマ「ルーク・ケイジ」は銃弾を跳ね返すほどの頑丈な男が主人公。マハーシャラ・アリがヴィランのコットン・マウスを演じる。エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒード・ムハンマドが手がけたサウンドトラックも、往年のブラックスプロイテーションを想起させる。




☆スパイダーマン:スパイダーバース

ブライアン・マイケル・ベンディスが手がけた「アルティメット・スパイダーマン」で初登場した、黒人の少年マイルス・モラレスのスパイダーマンが主人公。彼をはじめ、平行宇宙から現れた様々なスパイダーマンたち、そしてお馴染みピーター・パーカーがマルチバース(多元宇宙)の危機に立ち向かう。スパイダーマンに年齢も性別も肌の色も、もはや人間じゃなくても関係ないのだ!



本年度アカデミー賞のアニメーション部門を受賞した。
3月1・2・3日にIMAXのみ先行上映、3月8日より全国公開予定。



☆ブラック・パンサー

お待たせしました、陛下。高度な技術を持ちながらその存在を隠してきた、アフリカの王国、ワカンダ。黒豹の装束を纏い、王が自ら悪を裁く。



公民権運動の時代に、アメリカン・コミックス史上初のアフリカ系スーパーヒーローとして登場したブラック・パンサーは、今や世界的な人気を誇るまでになった。コミックでは2016年〜18年にかけて、「世界と僕のあいだに」「美しき闘争」などのベストセラー作品の著者で、「ジェームズ・ボールドウィンの再来」とまでいわれる黒人作家、タナハシ・コーツがライターを務めるシリーズが連載された。コーツは現在、「キャプテン・アメリカ」誌を手がけている。



最後に…

人種に限らず、性別、性的指向、年齢、病気やハンディキャップなど、あらゆることが差別や偏見に晒されています。人権とは、人々が生まれながらに持っている権利であり、それが誰かに侵害されたなら、私たちは毅然とNO!と言わなければなりません。アメリカに生きる黒人たちの苦難の歩みから、私たちが人権を守るためにできることを考えていけたらと思います。

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