障害児を育てる家庭 父親の役割を考える
我が家では重度脳障害を持つ4歳になる娘を育てているのですが、今回は障害児を育てている家庭での父親の役割についてお話ししたいと思います。
我が家の家族構成は父、母、娘(4歳 障害児)、息子(2歳 健常児)となっており、妻は現在専業主婦をしています。
一日中子供の世話に追われてしまうので共働きは難しく、自然と昔ながらの夫が外で働き妻は家庭を守るという役割分担になっています。
障害児のいる家庭の離婚率は健常児世帯6倍!?
ところで、障害児のいる家庭の離婚率は健常児世帯のなんと6倍と言われています。
信じられない数字ですが、これが現実です。
障害児の親に突如なってしまったことに戸惑い、特に父親の方が逃げてしまうケースが少なくないようです。
しかし、夫婦で役割分担し協力していけば、健常児を育てる家庭と変わらず、むしろそれ以上に楽しく生活していくことも、場合によっては可能ではないかと考えています。
父親の役割4つ
私が考える父親としていの主な役割はこの4つです。
①経済的な安定を保証する
②障害に関するあらゆることを広い範囲で勉強して生活の質向上に役立てる
③長期的なライフプランを提示して将来不安を取り除く
④母親の悩みを聞いて、育児と家事の手助けをする
それぞれについて説明したいと思います。
①経済的な安定を保証する
家族が生活する上で必要な生活費を稼ぎ続けることが、まずは一番重要だと思います。
子どもが障害児の場合は母親が働きに出ることが難しいくなるのでなおさらです。
稼ぎがなくなると生活そのものができなくなるので、「亭主元気で留守がいい」ではないですが、ちゃんと生活費を稼ぎ続けてさえいれば、最低限はなんとかなるかと思います。
②障害に関するあらゆることを広い範囲で勉強して生活の質向上に役立てる
母親は日常の生活のことで手一杯になることが多く、障害のことに関して勉強するのも、普段使用する介護グッズや毎日の療育、食事のことなど、わりと生活に密着した身近なものに対して勉強することが多いので、父親としては、おおまかでも、それよりも広い視野で先のことを勉強しておくのが良いかと思います。
例えば、
・子供が成人してからや親が亡くなったあとの子供の生活のことを勉強し、将来不安を払拭する。
・子どもの障害に関する本を幅広く読み(我が家の場合は脳障害、てんかんとなりますが)、治療や療育の方針を医師やセラピストまかせにするのではなく、こちらから積極的に決めていけるようにする。
・漏れなく障害者福祉の権利を行使できるよう、制度をできるだけ詳しく勉強しておく。
などです。
このブログも、そのような理由で私が勉強してきた知識を、同じような境遇の皆さんにもお伝えできたらいいなと思い、はじめました。
同時に、自分自身への備忘録でもあります。
③長期的なライフプランを提示して将来不安を取り除く
②で手に入れた知識をもとに、長期的なライフプラン作っておくことで、先が見えないことによる将来不安を取り除くことができると思います。
私の場合も、突然障害児の父になった瞬間にはパニックになり、自分たちの将来が不安になりましたが、障害そのものや障害者福祉の勉強をしていくなかで、家族全員楽しく充実した生涯を送っていくことも可能かもしれないという自信が少しずつついてきました。
その際に大切なのは、この障害をなんとかして治して、などと考えるのではなく、今のまま、障害があるままの子どもと、どのように楽しく充実した生活を送っていくかを考えることが大切です。
④母親の悩みを聞いて、育児と家事の手助けをする
障害児を育てるというのは普通のことではないので、母親のストレスというのは相当なものがあります。
ですから、普段から母親がどのような点で困っているのかなど、母親の悩みを聞くこと。
子どもを散歩に連れていったり、風呂に入れたりといった育児や家事の手伝いをすること。
また、いざという時、人様に謝りにいく際や交渉事などでは父親が出ていった方がうまくいく場合もあるので、そのような場合に出ていくこと。
このようなことが、障害児を育てる家庭の父親の役割だと考えています。
ただし、これはあくまでも理想であって、私自身、自信を持って完璧にできているとはとても言えません。
ただ、これをあるべき姿とし、日々そこを目指して生活していきたいと思います。
障害を持つ子どもを育てる家庭の父親たち
こちらは、私の憧れる自閉症の息子を持つ父親である、記者の神戸金史さんがつくった自分の息子への詩です。
父親の立場からの息子への想いが描かれています。
次に、私の憧れる障害児の父親が執筆している本と、発達障害のある子どもの父親が、その役割と家族との関わり方に関して書いた本を紹介します。
上で紹介した詩をつくった、記者 神戸金史さんの著書です。
私はこの方の講演会も行きました。
息子さんは自閉症で、神戸さんは記者として、自閉症児やその家族に関しての様々な記事や映像を世の中に発信している方です。
この本の著者は、子ども時代の大半をアメリカで過ごしたあと、東京ガールズコレクションのプロデューサーや、様々な企業コンサルなどを行っていましたが、息子さんが3歳の時に自閉症と診断され、世界最先端の療育を受けるためにL.Aへ引っ越し、9年間のアメリカ生活を経て日本で放課後デイや、グループホームなどの施設を経営する凄い人です。
こちらの本は、発達障害のある子どもを持つ父親14人が、それぞれに父親の役割や家族への関わり方について書いている本となります。
このような方々の本から、私自身新しい知識とパワーを貰っています。
まとめ
障害児を育てる家庭の母親の負担は健常児を育てるのに比べて相当高いので、必ず父親の積極的な関与が必要になります。
それをしなければ、家庭がもたないのではないかとも思います。
私自身、仕事で海外駐在をしていましたが、その仕事を辞め、今は日本で家族と一緒に暮らしています。
後悔はありません。むしろ今の方が使命感を持ち、充実した生活を送れているような気がします。
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