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スタンプ27億DLのクオン水野さんに聞いた、世界でウケるキャラクターづくりのコツ

最近、キャラクターってどういうふうに作られるのかなあ、と考えることが多かったので、世界でFacebookメッセンジャーやLINEのスタンプがバシバシヒットしてるクオンの水野さんに教えてもらいにいきました。

そろそろ、僕の周りでも日本発でグローバルにサービスを展開する会社が出そうだなあという気がしてるので、ヒントを得たかったのです。

ちなみに、見たことある人も多そうなのが、このビジネスフィッシュ(鯛らしい)。僕のFacebookメッセンジャーには毎日誰かから送られてきます。

最近いろんなスタンプ合わせて27億DL(ってどんな規模やw)されたっていうリリースも出てました。すごい。

というわけで、3コーナーに分けて質問したことをメモしました。

1.世界で共通するもの、地域によって違うものはあるか?

Q:国ごとに、人気のキャラクターっているの?

A:わかりやすく分類するとこんなかんじ。

- 韓国はウサギ!
- 日本はくま、いぬ、ねこ、うさぎ。
- 北米はねこ。

ちなみに、うさギューンは、アジアだとウサギとわかるが、欧米だとただの白い動物と認識されるらしい。

Q:アジアと、欧米の大きな違いってある?

A:アジアはとにかくデフォルメする。欧米は人、動物をモチーフとした場合、本物に近いほうがウケる。最近では欧米でも造形はややアジア寄りになってきたが、表現の仕方は依然としてリアル。たとえばiPhoneのアニ文字も、かわいいけど動きは精巧でリアルというのは北米ならでは。

Q:アジア、欧米以外で特徴がある地域は?

A:中南米はラブをテーマにして、色がかわいいキャラクターがウケる。日本だと、小学生が好きそうなテイスト。東南アジアもちょっと前まではそうだったけど、いまはもう少し大人な白キャラが人気になってきた。

これが陽気な南米ギャルから送られてくるってちょっと意外。ちなみに送られてきたことはない。

2.キャラクターにトレンドはあるのか。

Q:欧米の若者って最近どう?

A:例えばアメリカでも、若い世代がアジアのアニメをクールだと思い始めている。嬉しい。

Q:キャラクターって、どの地域で生まれてるの?

A:アメリカで新しいキャラは生まれていない。アジアは動き早くて、たくさん生んでる。

北米だと、カーネルサンダー、リルミケーラとかバーチャルインスタグラマーはいる。でも、割とビジネスとしての展開を期待していて、目的がない創作がないのが特徴かも。

3.その他僕が思った疑問

Q:なぜクオンのキャラクターには、ベースが白いキャラが多いのか?

A:チャットの中で使われるから。色が激しいキャラだと、会話の中で主張が強すぎる。特にアジアでは、色は主張抑えて、造形の差異を楽しむようなレベルまで達してる。すごい。

Q:どうしたらグローバルで使われるキャラクターを生み出せるの?

A:USでヒットしないとグローバルでヒットしない。そこを攻略する。

グローバルでやるなら、アニ文字、bit文字、フェイス、Snapchatあたりをウォッチするとよいのでは。でも、日本人がそれに似せてつくると、どうしてもただ「アメリカ風」になっちゃうから、アメリカのデザイナーにやらせたほうがいいかも。

Q:「日本ブランド」の強みってあるの?

A:「日本ぽい」でウケるのは日本、中国、韓国、タイとかまで。北米とかはそれだけじゃ難しい。

Q:どんなふうにキャラクターは世界に伝わっていくの?

A:まず、日本で生み出されたキャラクターはタイ、ベトナムでバズる事が多い。それを、香港の9gagとかが紹介して英語圏のアメリカへ伝播したり。

昔の貿易じゃないけど、見えないシルクロードみたいなものがあって面白いなあと思った。

「キャラクター」というカルチャーの現在地

水野さんと話していて感じたのが、インターネットの未来は主にアメリカ、最近では中国を追っていたけど、コンテンツ、とくにキャラクターに関しては日本がだいぶ先に行っているなあ、ということ。

インターネット時代以前は、アジアのカルチャーを他の地域では誰かが咀嚼してから伝わってたけど、今は欧米の若者が直接YoutubeやNetflixなどでアジアのコンテンツを見ているみたい。だから、文化が直接ユーザーに伝わるようになった。グローバルでのヒットだとPSYの江南スタイルをはじめとした韓流が思い浮かぶけど、今なら同じくBTSやBlackPink、日本のピコ太郎がインターネットで伝わり、直接バズる時代になってる。すっごい夢あるよね。

僕の中では、これまで欧米とアジアのカルチャーは別物だと思ってたけど、そんなことなくて、走り過ぎていた日本に欧米が追いつく時代になってきたことを感じる。絵文字だって、日本でi-modeの絵文字が流行ったのが2000年、アメリカで流行ったのが2014年と15年も差があるからね。

おわりに

水野さんはクリエイターのためにいろいろお話もしてくださるとのことなので、水野さんのTwitterからご連絡してみるといいかもしれません。あと、仲間も募集しているそうです!

というわけで、ありがとうございました!めっちゃ勉強になりました。ありがとうございます。

イセオサムのTwitterでは思考の断片をつぶやいてます

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