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『10年後の仕事図鑑』を読んで未来の心配をやめた話

僕のテーマは「あそぶようにはたらく」なのですが、仕事がこれからどのようなものになるか、実験し、人と話し、時には本を読みながら考えています。今回はホリエモンと落合陽一さんの『10年後の仕事図鑑』 を読んでみました。割と図が多くて、Kindleでサッと読めちゃいます。注目のライター、編集者の長谷川リョーさんがライティングを担当したということで、非常に読みやすかったです。

堀江さんとか落合さんの場合はインタビューや対談をそのまま書き起こして本にする、ということが多いと思いますが、それを本にしたときの出来は聞き手、書き手、そして編集者によって大きく変わるもの。今回は、対談のテンポを活かしつつ、コンパクトにまとめられてました。章ごとに落合さんが使う難しいワードの解説がついているのも親切ですねw

※ちなみに、インタビューをベースにした本で一番感動したのは、矢沢永吉さんの『成り上がり』。30年前の本ですが、聞き手、書き手を糸井重里さんが務められています。今、学生に一番ススメたい本ですw

脱線しましたが、二人がよくインタビューや別の本でも語っていることを踏まえてポイントを書いてみます。

AIに仕事を奪われてもなにも問題はない

人間がやらなければならなかった仕事を機械が代わりにやってくれて、人間の労働時間が減る。自由な時間が増えるけれど、生活コストは機械化によりさがっていくので無理にはたらいてお金を得る必要はなくなる。

また、「AIによる職の代替=不幸」というロジックを持つ人間は、自分の価値をAIと同じレベルに下げてしまっている。これは悲しい。AIを使いこなし、価値を生むことを考えるべきである。

たとえば飲食店ならこんなかんじ、と職業ごとに図で説明があります。

理想的な会社の形は?

労働者=経営者。経営者視点での会社=Companyは、中世ヨーロッパにおけるギルド(同業者組合)であった。皆でお金を出してモノをつくり、収益配分を決めて労働力を当てはめる。経営者が会社員=奴隷から搾取する、という形ではないのだ。

(僕が普段仕事をするメインのチームは、一人一つの会社をもつ10人ほどの集まりなのですが、この形に近い完全なイコールパートナーとしての運用をしています。)

10年後に仕事を得るには

好きなことに没頭し、仕事になるまで遊び尽くす。好きなことを掛け合わせ、1/100×1/100×1/100=1/1,000,000を目指す。

出した価値が直接お金になるとは限らない。そこを利益の中心としなくても、なに他で回収できる、という考えを持つのが大事だ。

お金について

まず、信用を貯めよう。そうすれば、いつでもお金を得ることができるようになる。やりたいことに信用をかけ合わせれば、友人でも、家族でも、クラウドファンディングでもお金を集めることはできる。

日本は70年も前の第2次世界大戦期の「ぜいたくは敵だ」の思想から、とにかく貯金しよう、という美徳を引きずっている。それは、「貯金は幸せ」というプロパガンダの元に郵便局が戦争のための集金マシーンとして活用されていたことの名残である。(そこまで思考停止しているとは信じられないが、実際親の世代以上はそうだと感じることも多い)

「Polcaおじさん」は本当にいる。学生はやりたいことがあったらフレンドファンディングのPolcaでお金を集めるべきだ。(実際、僕もたまに投げ銭をして楽しんでます)

個人において、何が「信用」となって「価値」になるのかというと、知名度、能力やスキル、リサーチ力は交換可能な価値になりやすいと言える。

「欧米化」という謎の概念はヤバイ

日本人がいう「欧米化」は、そもそも違うヨーロッパとアメリカのいいとこ取りを試みる架空の概念にすぎない。明治時代からおかしくなってきたから、いっその事江戸時代から学べることが多いのではないか。

たとえば「百姓」は100個の仕事をする人。分業ではなく一人が沢山の仕事を行い、自分で仕事をつくるプロデューサーが活躍する時代で、職種は多種多様であった。

教育について

小学校の時点で、同い年の友だちとつるむのは意味がない。せっかく上下の世代、そして大人たちと触れ合うチャンスがあるはずなのに、同い年と遊ぶことがそこで刷り込まれてしまう。

社会の変化に合わせて学び続ける「LIFE SHIFT」モデルの政策は意味がない、という視点は面白い。政府は「人生100年時代構想会議」を打ち出しているが、「再び大学に戻って勉強し直せ」というのはお門違いである。日本の大学はアカデミックなことは学べるが、社会で求められる能力は身につかないからだ。大学がある種社会に出るトレーニングになる西洋の考えを、大学でとくになにも学ばない日本に当てはめるのは無理がある、という主張である。確かに、上位5%くらいの人にしか当てはまらないのかもしれない。

高齢化時代に日本がとるべき対策

移民より機械化に注力すべし。

副業はダサい

「本業で食いっぱぐれないようにし、副業で好きなことをやる」という考え自体がダサい、というのはそうだ。どうして人生におけるメインの時間を好きなことに当てないのだろうか。

「一つのことに徹する美学」はもうやめよう

人間だからこそ、機械ができることは機械に任せて、人間にしかできないポートフォリオをつくって価値をだそう。

「遊ぶ」「働く」「学ぶ」を一体化する。

すべてが興味のもとに行動し、自然とつながってくるのが理想的。

「貨幣貧乏」はまだいいが、「信用貧乏」はツラい

お金があるだけで人生は面白くなりません。

「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」by堀江さん

生きることがシンプルになってよかったなあ、と思いました。この数十年のレールから解き放たれることができる本です。

おわりに

どうしてもこの手の本は、「オレのレベルまで来いや!」的な論調になりがちである。もちろん堀江さんや落合さん、そしてキンコンの西野亮廣さんやイケダハヤトさんレベルになればこの考えになるのだが、普通の企業に勤めていて、急にこの考え方にシフトできるとは思わない。

でも、未来は必ずこの方向に向かうと僕は信じているので、少しずつやっていきましょう。特に、自分より若い世代には僕らの世代の常識を押し付けずに接していきたいと思います。

この手の本は、スマホでサッと読めるKindleアプリがオススメです。

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