見出し画像

【洋書多読】The Little Money Bible(244冊目)

The Little Money Bible by Stuart Wilde
 
総語数: 24,806Words (by Word Counters)
 開始日:2024年2月9日
 読了日:2024年2月13日
 多読総語数: 10,061,947 words

Stuart Wilde著『The Little Money Bible』を読了しました。

「お金に対する見方が変わる」という記事をどこかで読んで購入を決意しました。

ただ、購入前には本書の著者であるスチュアート・ワイルドという人が、スピリチュアリティやニューエイジ、自己啓発に関する作品でよく知られているイギリス人の著述家(Wikipedia)であるということを知らなかったため、読み始めた当初は若干面食らいました。

とにかく内容がかなりスピリチュアルに偏っています。なので、正直本書はかなり読み手を選びそうです。

ただ、個人的にはそれを信じている/いないに関わらず、スピリチュアルな話に関してはあまり抵抗なく受け入れられる方なので、面白く読みすすめることができました。

お金は「私でない他者を幸福にするために使うもの」

本書のお金に対するかなり独特なアプローチ ー具体的には「10の法則」という名で紹介されている考え方ー を自分なりに咀嚼して解釈した結果がこの「お金は他者の幸福のために使うもの」という考え方です。

というのも、僕自身がまさに、お金というのは自己利益を増大させ、自分自身の快や幸福の増大ために使うものであると思いこんでいたからです。

僕は現在48歳ですが、40歳のときー当時勤めていた精神科病院を退職するまでの僕はまさに、お給料を自分の欲しい物を購入するための資金として、あるいは自分が快適に過ごすための趣味などに費やすものとして観念していました。独身だったし。

けれどそういうのでは人は幸せになれない。本書はそう主張しています。これは僕の経験とかなり平仄が合っています。だってそんな物欲・私利私欲まみれの僕が行き着いた先が「うつ病・長期病欠→離職」だったんだから。

本書において、お金は人間が生来的に持っている善意や他者に対する思いやりの気持ち、慈悲心といったポジティブなエネルギーを集合的に具現化し可視化したものとみなされています。私服をこやしたり他者をコントロールしたりするためのものではありません。

人類の偉大な発明である「カネ」なるものがものがもし万人に平等に行き渡ったなら、世の中のみんなが幸せになるはずだと、その前提から始めようと、それが本書の大まかな主張です。

こういう前提は、通常であれば、「では本来全ての人に行き渡るはずのカネを独占しているのは誰だ?!」とか「社会的な不公平を生み出している国家というシステムは打ち倒すべきだ!」といったレフトウイングな言説を導くものです。

が、本書は「だからお金は自己利益の増大のためでなく、他者のために使いましょう」とか「だからそもそもお金を稼ぐということを後ろめたいこととして捉えるのは辞めましょう」という話になっていきます。

ここが面白い、と僕が感じたところです。もちろん、著者の話はここからさらにぶっ飛んでいくので、人によっては眉をしかめながら読む人もいるかも知れません。

でも、人間が発明した「マネー」という交換を加速するための装置が、同様に交換されることを前提としている言語と同じように、何らかのスピリチュアリティを帯びているという考え方は自分にはとても新鮮だったので、ついつい最後まで読み進めてしまったのでした。

英語は易しくもなく難しくもなく…といったところ

英語レベル自体は可もなく不可もなく…という感じですが、内容が内容だけに、読みにくさを感じられる方も多いかもしれません。著者がイギリス人であるということによる読みにくさというのは逆に感じなかったです。

つかわれている単語もまあそれなりの難易度で、長さは3万語弱。なので手に取りやすいのは取りやすいと思います(お値段はちょっと張りますが)。問題は内容が受けいられるかどうか?スピリチュアルに興味がある方ならOKだと思いますけど、そうでなければかなりキツイ内容です。

まあこのあたりの話って科学的に証明できないものなので。でも科学で証明できないものは信じない、というも極論のような気もしますし、心理学だろうが脳科学だろうが物理学だろうが、「人間が幸せになるためにすべきことは?」に関しては言っていることってあんまり変わらないな…というのが最近一連の自己啓発本を読んで感じているところなので、自分がしっくり来る言説・アプローチから「人にやさしく」とか「他者の幸福は自分の幸福」みたいな話に接していくのが心の滋養にいいんじゃないか、そんな気がしました。


というわけで『The little Money Bible』でした。

あまり万人におすすめできるとはいい難いですが、僕は個人的には好きな本だったと思います。今やっているメディテーションとか、この前に読んだ自己啓発本の白眉である『How to Stop Worrying and Start Living』に通じる所も多いですし、すっと心に入ってくる内容でした。

あまり長くもないですし、一度手にとってみていただくのもいいかも、です。

この記事が気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです😆今後の励みになります!よろしくお願いします!