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【洋書多読】The 4-Hour WorkWeek(218冊目)

『The 4-HourWork Week-expanded and updated』 By Timothy Ferriss
 総語数:121,055 words (by)
 開始日:2023年5月17日
 読了日:2023年6月7日
 多読総語数:8,308,349+ ? words(※)

(※)=『The Chaos Machine』の文字数が不明のため「?」としています

『The 4-HourWork Week』は2007年に出版されたTimothy Ferriss著のビジネス書で『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』などで1位を獲得。世界35カ国で翻訳されて出版されたベストセラーです。

僕が今回読了したのはそれから二年後の2009年に出版されたバージョンのようで、世界中で評価された同書に大幅に加筆が施されたものです。総語数12万語を超える大著でしたが、とても興味深く読みすすめることができました。

9−5時で働く普通のサラリーマンこそ読みたい一冊

本書は特別なビジネスパーソンや起業家に向けて書かれたものではありません。著者も冒頭で述べているように、特に高い能力や学歴、豊かな資産があるわけでもない、一般のサラリーマンに向けて書かれています。

9時から17時まで、一日8時間の拘束時間を会社に捧げて一生を終わるのか、それとも今と同等の稼ぎで世界中を旅しながら好きなことをして暮らすのか、どっちがいい?というお話です。そんなの後者に決まっていますよね。

その実践のためのノウハウがここでは詳細に述べられているわけですが、本書のボリュームから明らかなように、ここに記載されていることをきちんと実践できればもしかしたら本当に著者のような生活ができるようになるかもしれない、と思わされるような説得力に満ち溢れているのがこの『The 4-HourWork Week』なんです。

投資だとか資産運用だとか、そういうお金持ちにしかできないような方法でもなければなにか特殊な技術が必要なわけでもない。ただ、ちょっとした工夫と時間の使い方のコツ、そして(勤め人であれば)上司を上手に説得するテクニックと手順を知っていれば誰にでもできる。あるいはできるような気にさせてくれる。

これが本書がここまで世界的なベストセラーになった理由だと思いました。

コロナ前に書かれているという驚き

リモートワークなんて今やもうすっかり当たり前の働き方として定着しつつありますけれど、本書が出版された今から16年前の2007年はそんな夢みたいな働き方は極めて非現実的な空想の世界のお話だったと思います。

けれどインターネットの普及を中心にしたテクノロジーの発達と加速化していったグローバリゼーションの波、そしてコロナウイルスのパンデミックという状況が重なって、そんな空想の世界のお話が現実となってしまったわけです。

そんな世界の実現をまだ「リーマンショック」すら起きていなかった2007年に実践し、世に問うていた人がいた、ということもまた驚愕です。本書がコロナが開けた2023年においてもまたいまだにリーダブルであるという事実がそのことを証明してくれているのではないでしょうか。

本書に詳しく紹介されているウエブサイトや各種のサービスそれ自体はやや時代遅れの感はありますが、そのことは決して本書の本質的な価値を損なうものではありません。「週4時間だけ働いてハッピーになろう!」という考え方や、現代社会における労働に対する価値観などの哲学は、おそらく時代を超えて共感を呼ぶものになっていくのではないでしょうか。

英語はTOEIC900点レベル

ただ、英語は決して万人受けするようなレベルではありませんでした。TOEICで言えば900点レベル、英検なら1級はほしいところ、という感じです。

やっぱり単語は難しいと思いますし、万人受けするようにやさしい英語で書かれているからこその「ネイティブが使う砕けた言い回し」によって文脈を見失ったりすることもしばしばだった、というのが僕の個人的な読後感です。

とはいえビジネス書ですから、読ませるべきところはカチッとした英語で書かれています。そう言う部分をきっちりと理解しながら読みすすめるだけで、本書のエッセンスは十分に汲み取ることができるでしょう。そこだけならTOEIC900点とかなくても読めると思います。

やはりこれくらいの長さ・難易度の英語を読めるようになっておくと、英語で経験できる世界が変わります。ここまで来てこそ「英語をやっててよかった」と思えるんじゃないかなと、多読を中心にして英語に触れ続けている僕は思いました。

本書で掴むことができなかった細かなニュアンスの部分などは日本語版の『「週4時間」だけ働く』を購入して読んでみてもいいかな?と思ったりしています。

著者のように週4時間とは言わないまでも、せめて一日4時間だけ働いてあとは好きなことに時間を使えるようになれれば…。

著者のように世界中を旅しながら社交ダンスの世界選手権にでてみたり、トレーニングを積んでなんだかとかいう格闘技の世界チャンピオンになってみたり、というようなことができなくても、十分にハッピーな生活ができるんじゃないかな?と言うよ祝が溢れた本書。

英語版に限らず日本語版も一読の価値あり?!と思いました。

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