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【洋書多読】Ikigai(248冊目)

Ikigai by Héctor García, Francesc Miralles
 
総語数: 45,504 Words (by Word counter)
 開始日:2024年4月3日
 読了日:2024年4月8日
 多読総語数: 10,365,509 words

『Ikigai: The Japanese secret to a long and happy life』を読了しました。

タイトルから明らかなように、本書は世界屈指の長寿国である日本に住む人々の長生きの秘訣について書かれたものです。

それが「Ikigai=生きがい」である、と。

ただ、実際は食べ物や運動など、「いきがい」以外の要素にもついてもまんべんなく言及されているので、「いきがい」とは何かについて深く掘り下げた本というよりは、長生きの秘訣全般について、沖縄の人々に対するインタビューを中心に書かれた本、という方が近いように思います。

日本のことなのでとても読みやすいです。

noteで常々お伝えしている通り、馴染みのあるトピックについて書かれた洋書というのはとても読みやすく、それがたとえ少々難解な英語で書かれていたとしても案外サラッと最後までいけてしまうものです。

『Ikigai』は、まさにそんな効果を求めて手に取るにふさわしい一冊、という感じがしました。宮崎駿が出てきたり、相田みつをが出てきたり…と思ったら侘び寂びだとか禅だとか、とにかくいろんな日本人や日本人に馴染み深いコンセプトを紹介して、日本人がいかに長寿という点に関して優れているか、ということを淡々と紹介してくれています。

シンプルで読みやすい英語が、理解の容易さに拍車をかけてくれます。そのまま読めば英検準一級レベルの英語かと見間違うくらいの、わかりやすくてキレイな英文法で書かれたエッセイ。著者が完全なネイティブではない(スペイン人)という点は青天の霹靂ですが、それでも英語ネイティブに向けて書かれた本であることに変わりはありません。

TOEIC600点台クラス以上の方が、英語力アップを目的として手に取るに十分値する一冊と言えるでしょう。本の長さも5万語弱。多くの英語学習者にとって短すぎず長すぎず、程よいボリュームなのではないでしょうか。

「より良く生きる」ためのTIPSが詰まった一冊

そんなわけで『Ikigai』でした。

Amazonの、読書歴・購入履歴を参照したリコメンドとして以前から僕のKindleに繰り返し表示されていた本書。ずっと気にはなっていたので読んでみましたが、結構良かったです。

外国人が日本の善さを認識し、それを世界に向けて発信してくれているコンテンツに触れるのは日本人としてもとても気持ちがいいものです。英語もそんなに難しくないし、サラサラっと読むことができました。イザベラ・バードなんかを読んだあとの心地よい読後感があり、結構満足です。

本書で触れられている「日本人」は沖縄の人がメインです。

都市部に住む日本人からすると、沖縄の人をご長寿たらしめているその生活スタイルとは随分かけ離れたものがあるとは思いますが、だからこそ、日々の私たちの生活を振り返り、改善すべきところは改善してQOLの高い人生を歩むための示唆に富んだ一冊が本書である、ということができるでしょう。

それにしても、日本人ってどうして自分たちが従来持っているものの善さを外国人から指摘されるまで気づくことができないんでしょうか?そこら辺の皮肉にもっと自覚的になって、自分たちの足元にある素晴らしい文化・伝統や価値観を尊重できるようになったら、私たちの生はもっと豊かでかけがえのないものになっていく、そんな気がしてなりません。

まさに「禅」が教えるところの「脚下照顧」から始めたい、そんなことを思いました。

きゃっか-しょうこ【脚下照顧】
自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。
▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。

(三省堂 新明解四字熟語辞典)

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