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【英語多読】Who was シリーズをおすすめしたい理由

先日、久しぶりに読んでみようかな、と思い『Who was〜シリーズ』の一つ、『Who is the Dalai Lama?』を読みました。

僕がこの『Who was〜』をはじめて読んだのが今からちょうど3年前の今頃です。知人の紹介で同じセブ島にある「Brighture」という語学学校にスタッフとしてお世話になるにあたって、CEOである松井さんが書かれたブログ記事を拝見し、そこでおすすめされていた『Who was Steve Jobs?』を読んでみようと思ったのが、僕の洋書と多読との最初の出会いでした。

当時はかなり苦労して読みました。お仕事がお休みの週末の土日に、2日かけて読み通したのを覚えています。当時は海外で生活していて身の回りのそれなりのことは英語で言えるようになっていたにもかかわらず、ネイティブの小学校低学年が読む児童書も読めない、という事実に愕然としたものです。

あれから3年、ものの小一時間程度でサラッと『Who is the Dalai Lama?』を読み通せるようになっている自分がいます。

やはり継続は力です。

英語多読に「Who was〜?シリーズ」がいいと思う理由

上のBrightureのブログ記事内でもいろんな洋書がおすすめされています。僕自身もそちらを参考にしつつこの三年間で100冊ほど、児童書を中心に多読を楽しんできましたが、その中でも日本人英語学習者にとっては『Who was 〜』が一番手に取りやすくておすすめかな、と思っています。

洋書を扱っている大型書店なら大概は置かれていますし、なくても注文すればすぐに手に入りそうです。また、世界中で読まれているシリーズなので、図書館なんかでも割と見つけやすいのかなと思っています。

それとは別に、いわゆる「英語力向上」という観点から見た『Who wasシリーズ』のいいところについて、以下にその理由を挙げてみたいと思います。

1.日本人英語学習者の平均的な英語レベル+α

3年前の僕がそうだったように、多くの日本人にとって、『Who was〜?』は結構骨のある洋書に感じられるはずです。

「ネイティブの小学生が読むような本なんか読んでたまるか」というのは短見というもので、まあ大体の方は使われている単語の難易度(の高さ)に驚くと思います。

このシリーズが苦もなくスラスラ読めるということは、それなりの英語力であることを証明していると思います。具体的には英検準一級、TOEIC700点台レベルです。一方で、これがスラスラ読めなかったからと言って落ち込む必要もないです。多分、多くの日本人が読めないんだから。

2.知っている歴史的人物から入りやすい

背景情報のある英文を読む、というのは多読の鉄則の一つですが、歴史上の人物を扱う『Who was 〜?』なら、自分がよく知っている/お気に入りの偉人を見つけるのはそんなに難しくないはずです。

っていうくらい、存命の方のものも含めて、たくさんの偉人たちのものが販売されています。

背景情報のある英文の読解は、英語力を一段上げてくれるというのが一般的に言われていることなので、これを利用しない手はありません。そうやって、徐々に興味のある人物などのものに手を広げていけばいい。そういう「洋書らしからぬ間口の広さ」も、Who was 〜?をオススメしたい理由の一つです。

3.ネイティブがネイティブに向けて書いているから文法が正確

これは『Who was 〜?」に限らないことですけど、ネイティブがネイティブに向けて書いている英文なので、「This is a pen」みたいな変な英文は出てこないし、文法だって極めて正確です。

だから読解できないのは100%自分の英語力のせいであって、それ以上でもそれ以下でもありません。つまり、安心してインプットに勤しむことができる、ということです。これが、洋書を多読することの最大のメリットでしょう。

そういう英文に大量に触れていると、次第に英語の語感が身についてきます。文法に関しても、文法的な知識は身につきませんが、文法的に変な文章は瞬時に見抜けるようになります。

TOEIC Part5の問題などは、観た瞬間に「あ、ここにはこれが入る」というのがわかるようになります。それが形容詞だからとか、ここは仮定法だからとか、というのは説明できるようにはなりませんが、「む、これは何となく違う」「こっちが自然だから、答えはB」という感じで正答を導けるようになります。

4.変な言い回しやスラングがない

『Who was〜?』シリーズは基本的に「ちゃんとした」本なので、変な言い回しとかスラングのようなものはありません。

実は洋書を読むときの最大の敵がこの「スラングの多さ」つまり、ネイティブが日常的会話なので使うカジュアルな表現だったりします。日本の学校教育ではそういうの教えてくれないので。それが、僕たちが「海外のドラマを字幕無しで見られない(字幕を出しても観られない)」ことの大きな理由の一つです。

でも、『Who was〜?』には、そういうスラングのようなものは殆ど出てきません。

デメリットは?

TOEICのスコアも上がりそうな、いいことづく目の『Who was 〜?シリーズ』の多読ですが、デメリットがないわけでもありません。

以下にその理由を2つ、挙げてみたいと思います。

1.”I”を主語にした文章が少ない

『Who was 〜?』は基本的にバイオグラフィーなので、事実を客観的に記載しているだけです。つまり書き手の主観や臆断のようなものははいってこない、ということ。

これはつまり「私は〜」という”I"を主語にした文章が出てこないということを意味しています。

日本人が英会話ができないことの圧倒的な理由の一つが「I」を主語にした英作文をする訓練をしてきていないことです。教科書の英文和訳が中心の学校教育を受けてきた人たち(今はどうなっているのか知りません)にとっては、客観的な事実で書かれた文章のほうが取り扱いやすいんです。

でも、これがまさに、日本人が英会話でたじろいてしまう理由の一つです。自分の話をする人をあまり尊重しない文化的なバックグラウンドも、そこに拍車をかけているんでしょう。

そういう文章に触れらるのは「小説」ですが、Who was〜?には、そこは期待できません。

2.ペーパーバックとかは読めるようにならない

つまりこれは「ペーパーバック」などの、海外のフィクションなどを読めるようにはならない、ということです。

もちろん、大量の良質な英文にアクセスすることを可能にしてくれる『Who was〜?』ですから、ある程度の英語力の伸びを期待することはできます。そこから海外のフィクションなどの読解力が上がっていくことはあり得るでしょう。

でも、フィクションとノンフィクションとでは文体が変わります。主人公の心情や揺れる想いのようなものは、基本的にWho was〜?では描写されません。そういう物語を英語で読む訓練も僕たちはほとんどされていないので、「外国の絵本すら読めない」という状況が出来するわけです。

英語力そのものを上げるためには「Who was〜?」レベルの洋書の多読は最適ですが、英語で発信されているコンテンツの広大な世界を泳いでいくためには、Who wasばかり読んでいるのはちょっと心もとない感じはします。

これからも読み続けたい『Who was〜? シリーズ』

コンスタントに新刊が出続けている『Who was 〜?』シリーズ。

先日、僕の家の近くのミニシアターで、若い頃に僕がよく聴いていた伝説のR&Bディーヴァである『Aletha Franklin』のドキュメンタリー映画をやっていました。

懐かしさも手伝って、近いうちに『Who was Aletha Franklin?』読もうかな、と思ってAmazonのページ覗いたら200円でKindle版を売ってたので、ソッコーでポチってしまいました。

今の興味である「チベット仏教」から『Who is the Dalai Lama?』を手にとったように、これからも自分の興味関心の赴くままに、自分の英語力を定期的に振り返る意味も含めて、そしてなにより「英語力の向上のために」、ネイティブがネイティブに向けて書いているコンテンツである『Who was 〜?シリーズ」を読み続けていきたいです。

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