見出し画像

『英語のハノン上級』の取り組み方と注意点など

『英語のハノン上級』を終えて先日公開したこちらの記事、たくさんの方にお読みいただくことができて本当に光栄に思っています。

今同書の2周めに突入していますが、上級編はさすがに「上級」だけあって、進めていくにあたって工夫が必要でした。

そこで今日は『英語のハノン上級』を実施するにあたって僕が気をつけていたことをご紹介してみようと思います。

ここまでくれば、もうあなたの英語はゆうにTOEIC900点・英検一級レベルに突入しています。さらなる高みを目指すために頑張っていきましょう!

鉄則通りまずは「開本で」ー文字と音を結びつける

本書の音声ドリルは「閉本」で、つまり本を閉じた状態で音声だけを頼りに実施するのが原則ですが、はじめて実施するドリルは必ず本を開いて、英文法とこれから練習する英文に目を通してから実施してください。

実は僕は「初級編」に関してはこの鉄則を無視していました。読まなくても音だけで真似ることができていましたし、「あ、このドリルは5文型の受動態への書き換えだな」など、そこで練習することになっている英文法のポイントもわかったからです。

本を開くのは、その日のドリルを終えてからがほとんどでした。練習を終えた後、確認と復習の意味を込めて文法事項とセンテンスを確認していたんです。

でも、これははっきり言って悪手です。

「上級編」で練習するドリルとそこに掲載されている英文は、はっきりいって「容赦ない」(とても難しい、という意味です)ものが多いです。

中級、上級の『英語のハノン』を最初から閉本で、リスニング力とリテンション能力だけに頼って実施するのは、日本人の英語学習者である僕たちにはかなり無理があると思います。

英語力UPの要点は「書かれた文字」と「音」を結びつけていくことですが、これが意外とできなていない方が多い印象があります。

「リスニングが苦手です」という人は「(読めるけるけど)正しい音で読めない」人です。そして正しい音で読めない人というのは、リーディングのクオリティも得てして低くなりがちなんです。

まずは必ず「開本で行う」。これを守りましょう。そして音のドリルに入る前にきちんとその日練習する文法事項を確認しておく。

これらを確実に行うことで、『英語のハノン』を使った学習による英語力の伸び方は大きく変わって来ると思います。

予習する

とは言え忙しい私たちですから、できる限りすぐに「音」にフォーカスしたドリルに入りたくなる気持ちもわかります。

そこでおすすめしたいのが「予習」です。

例えば夜寝る前の10分とか、軽く次の日に練習する予定の英文に目を通しておくだけで、翌日の練習への入りがとてもスムーズになります。「上級」ではこの傾向がかなり顕著でした。

予習をすることで、その日学習するドリルで使われている表現、英文法もきちんと意識しながら練習できるようになるので、知識の定着も早く、確かなものになるでしょう。

もし、ご自身が苦手にしていたり初めて見るような文法が翌日の箇所で説明されているようなら、寝る前の10分…とは言わずもう少し時間をとって、きちんと読みこんでおくのも良いかもしれません。

それが大変なら、最悪「文字とドリルの音」を確認してすり合わせておく。これだけでも随分違います。

「中級」以降は男性の音声パートを担当する「ジャック・マルジ」さんの音源を使ったプラクティスが入ってきますが、これをいきなりぶっつけ本番で実施するのは結構大変です。

個人的には、「上級編」の第2部のマルジさんの回は、必ず前日に予習して15分ほど「予行演習」をしてから実施するようにしていましたし、予習の時間も「寝る前」から日中へとシフトしていきました。

余談ですが「上級編ーUnit14 仮定法(3)」では、前の日30分練習して翌日1時間練習したにもかかわらず「やり直し」(次の日に持ち越し)になったドリルがあったくらいです。

予習をしておけば、無駄に時間をかけることなく効率よくスムーズに『英語のハノン』を回していくことができます。ちょっとの時間で効果が劇的に変わるTIPSです。是非覚えておいてください。

(いい意味で)完璧を目指さない

先日公開させていただいた記事で「その日のプラクティスをOKと判断する基準」として次のような基準をご紹介しました。

・各音源のポーズ中にリピーティングが終わっている
・1〜5までの全てのセンテンスが詰まらず淀みなく言える
・正しい発音で音源のセンテンスをコピーできている

(『英語のハノン』初級・中級・上級コンプリートした僕が実感している効果と正しい学習法)

ただこの基準を厳格に適用しようとすると「いつまでたっても先に進めない」ということが起こるということに「中級」を練習している時に気がつきました。

『英語のハノン』中級〜上級では女性のパートを「アニャ・フローリス」さん、男性のパートを「ジャック・マルジ」さんという方がそれぞれ担当されています。

特にジャック・マルジさんに関しては、多くの方が仰るように早すぎてポーズの間に発話を終わらせることができないケースが出てきます(これは厳密に言うと早いから言えないのではなく、リズムや抑揚、「間」のとり方が上手くないから言えないだけなのですが、これはまた別の長い話です)。

もちろん「妥協」はよくありませんが、何日もずっと同じところをぐるぐると続けるのも少し非効率的です。そんなわけで、「上級」に入って以降、僕は自分に次のような「特別ルール」を適用していました。

【特別ルール】
15words以上のセンテンスのマルジさんは、ポーズ内に終わらなくてもOK(アニャさんはNG)。その代わり、発音はきちんと意識して丁寧にするよう心がける。

中級編を始めて程なくして、どれだけ練習しても「ポーズ内で発話が終わるセンテンスと、終わらせるのが難しいセンテンスがある」ことに気づきました。それが必ず「マルジさん」のパートで、注意深く見ていくと「どうも11語以上の文章になると自分の発話が次の音声の開始に合わなくなる傾向があること」「15語以上ではほぼ間違いなく間に合わないこと」などに気が付きました。

最初は「フライング気味に(=前の音の終わりに多少かぶせて)発話を開始する」という方法でなんとかごまかしていたんですけど、それもどんどん怪しくなってきたし、なにより罪悪感が激しかったので、詳細に自分の傾向を分析した上で「厳密性をある程度犠牲にして先に進む」ことが肝心だと割り切って切り替えることにしました。

その代わり、個人的に苦手としている[òʊ]などの二重母音がshort Oにならないようにすることや、[ɚ]などのいわゆる「R controlled sound]の[r]の部分を丁寧に発音すること、同様に苦手な[z]と[d]の使い分けを丁寧にする、などを心がけるようにしていました。

この辺りの「自分の発音の弱点」は自分ではなかなか気づきにくいものなので、先日の投稿でもご紹介したとおり、できるだけ自身の発音のクセを指摘してくれる先生を見つけておいて、常日頃意識する習慣を身に着けておくのことが大切だと思います。

『英語のハノン』は決して裏切らない

そんなわけで、『英語のハノン』上級を終えた僕が、同書のプラクティスを実施するにあたって留意していた点についてご紹介しました。

今日ご紹介したとおり、僕はこの「上級」に関してはまだまだ完璧とは程遠いところにいると思っているので、これからも継続して『英語のハノン』を使った学習を実施していくつもりです。

今二周目に入っていますが、一周目の最初で詰まってなかなか言えなかった「関係代名詞」などは、一回目の実施でヒイヒイ言っていた3ヶ月前の自分が嘘のように、口が滑らかに回るようになっています。

『英語のハノン』上級編を毎日回したことの成果を、3ヶ月後に同じ『英語のハノン』で感じることができる。この「自分の中の微細な進歩」に気づくことができるのも、英語のハノンを毎日欠かさず実施ていくことがもたらしてくれる「良きこと」のひとつなのかもしれません。

未完成のままの「Unit14.マルジさんパート」や、前回何故かどうしても言うことができなかったUnit 7.6-5 など、課題もまだまだ残っていますが、これがいつか言えるようになった時、自分の英語は今よりもちょっと良くなっているに違いない。

とりあえず1年1ヶ月かけて一通り『英語のハノン』を終えることができましたが、今よりもっと自在に英語が使いこなせるようになっている自分を信じて、これからも末永く、『英語のハノン』とお付き合いしていきたいと思っています。

この記事が気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです😆今後の励みになります!よろしくお願いします!