結論

生活を変える大胆な行動は、まずは小さく試してからにしましょう。
以下のような狙いがあります。
　- 自分や家族の不安感を減らす
　- 家族や周囲への説得コストを減らす
　- 変化による予想外の失敗を減らす

課題感

生活を大きく変えるのは大変です。変化量が大きければ大きいほど、変化するのは難しくなりますし、変化した後のリスクも伴います。
　- 自分や家族といった当事者の不安から一歩踏み出せない
　- 周りが止めてくるから動けない
　- 行動したが仮説や手段に誤りがあり、思うような結果にならない

解決策

行動の前に本番の1/10スケールくらいで小さく試してみるのがオススメです。
　- 1/10の期間
　- 1/10の規模
　- 1/10の金額
　- 1/10の仕様/要件(ミニマム要件)

なぜ試すのが有効なのか？〜僕の事例を元に〜

僕はこれまで大企業のホワイト企業に勤めていて、安定した生活を送れる環境にいたのですが、そこを退職して小さいけど自由な会社に転職することにしました。僕や家族にとってそれは大胆な変化でした。しかし、退職を決断する前に小さく試した結果、一歩踏み出すことができました(この変化が幸せな結果を生むのかは、これからのお楽しみ)

今日はそんな僕の経験を元に、小さく試すことが大胆な変化にどれほど効果的かをお伝えします。

課題①：自分や家族といった当事者の不安から一歩踏み出せない

◆当時の状況
　自由な時間を増やすために、何かしらの手段で週2日労働の生活に変えたいと思っていました。しかし、それは今までの生活を大きく変えることになるので不安でした。特に、子供も産まれたばかりだったので、生活できるほどお金が稼げるかが不安でした。

◆やったこと
　4ヶ月の育児休暇を使って、自分が想像している「時間のある生活」が具体的にどれくらいお金がかかるのか、小さく試してみました。住居を当時住んでいた賃貸マンションから妻の実家に移すことで生活費が大幅に下がるとは見込んでいたが、当時は家計簿をつけてはいなかったこともあり、具体的にいくらお金が必要か把握しておらず漠然と不安だった。
　実際試してみると、僕が生活するのにかかるお金は、教育費や投資も含めて20−25万、生活だけなら15万円程度でできることがわかりました。この金額であれば、週2日でも稼いでいけるのではないかと感じ、不安感が和らいだ。結果として、働き方を変える決断ができた。

◆解説
　- 心理学によると、人間は損失を大きく評価するバイアス、現状を維持しようとするバイアスがとても強いため、大きな変化が不安になるのは自然なことです。
　- 小さく試すのであれば後戻りができるため、心理的なハードルも低く、変化による見通しが立つため不安感が減り、すでに10％程度変化しているため、現状維持バイアスも弱くなります。

課題②：周りが止めてくるから動けない
◆当時の状況
育休中の「小さく試す」の結果を踏まえ、転職しようと思った僕ですが、それを僕の家族に伝えると「本当にいいのか？」的な不安の声が上がりました。妻は育休中に一緒に小さく試してくれていた当事者だったので気持ちは一緒でしたが、遠くに住んでいる家族はそうではなかったからです。同じ会社で働き続ければ安定した暮らしができますし、子供も産まれたばかりだったので当然の反応だと思います。

◆やったこと
家族に、育休中に小さく試した結果を共有しました。とても幸せな時間が過ごせたこと、節約により生活費もかからず、子供を育てるに十分なお金を稼ぐことだってそれほど難しいことではないこと。結果として、家族を安心させることができました。

◆解説
実績を持って説得できるのは大きいです。プライベートの活動に限らず、例えば会社で新規事業を作る際も同じようなことが言えるかと思います。何も行動に移されていない計算上の事業計画の提案と、小さくでも試してなんとなく数字感や筋がわかっている事業提案であれば、後者の方が採用されやすいですよね。

課題③：行動したが仮説や手段に誤りがあり、思うような結果にならない
これはシンプルです。
何か狙いや仮説があって試してみたけど、思うような結果にならなかった的な失敗はよくありますよね。大きな変化でぶっつけ本番で予想外が発生してしまうと後戻りができなくて痛いので、試しておくことで仮説や手段の妥当性を確認しておこうと言う話であります。

まとめ

大胆な行動の前に、まずは小さく試すことは自分にも周りにも優しい行為です。僕の周りの人で、一見大胆で博打に思える行動を取るけど実は小さく試していて結果が予測できている人は多いです。大胆な行動を起こすべしみたいな風潮は特に先進的な環境にいると強いですが、向こう見ずに博打をするのを良い手段とは思いません。小さく試して生きていきましょう！

参考図書

現状維持バイアスとは何か？その解消の仕方
https://brave-answer.jp/5423/

大胆な起業家よりもリスク回避型起業家の方が実は成功率が高い
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GPGQPBA

すぐにできる損失回避の心理を乗り越えるテク
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/02/blog-post_22.html