寮に到着、そして学校への下見へ。その1【マルタ一日目】
寮に到着したおしゃか。寮の管理人、スティーブンと挨拶をしました。
スティーブン、白髪のおじさんです。ザ、管理人という雰囲気満々です。
スティーブンに渡された書類に必要なことを書いていると、いきなりスティーブンが言いました。『ハイ! ○○○○(おしゃかの本名)! 50ユーロ支払いな!』と。
……え?
そんなこと、聞いていなかったんだけど(^_^;)
不安になったおしゃかは
とりあえず持っていない事にして、お部屋に案内してもらいました。
……一階の角部屋!?
結構良いところなのでは?
と思うと、入った瞬間に見えたのは窓から覗くプール。
すげぇ……リゾートだ。と余韻に浸る間に、すぐに理解します。
……あれ? この部屋めちゃくちゃ広くないか?と。
多分30畳以上あります。
だってベッドが4つも置いてあるのですから。
おそらく元々4人部屋なのでしょう。それを一人で使用出来るみたいです。
……うわぁ。本当にリゾートだ(゜Д゜)
そんな感じで混乱している間に、スティーブが色々説明していきました。
ここがトイレだよ、とか。wifiはメルアドで使えるようになるよ。とか、そんな感じの事を聞いた気がします。
いや、正直部屋の広さにビックリしていて余裕が無かったんですよ。
そのまま混乱していると、気がつけばスティーブは去っていました。
……あ(・ω・)
……まぁいいか。とりあえず荷物を下ろしておしゃかは無駄にあるベッドの一つに寝転がります。
……寝心地が悪い。
すぐに別のベッドに向かい、他のベッドも調べてみました。
どうやら4つあるうちの2つは質がかなり悪いようです。
まぁ、一つでも寝られればいいか。とそのまま本格的にお部屋を見てみることにします。
……あれ?電子レンジが無い?
事前に日本で聞いた説明では電子レンジがあったのです。
だからおしゃかは電子レンジでパスタが作れる便利道具も持ってきていたのです。
……どうしよう。確か明日今回の留学を手配していたエージェントのオリエンテーションがあるはずだから聞いてみよう。
そう思い、他の場所を見ていきます。
……食器は一通りある。包丁とか3本もあるし何とかなるか。
その時はそう思い、日本にいる家族に連絡を取ろうと思い、スマホを取出してwifiに接続します。
……あれ?つながらない?
スティーブだがジェームスだがが言っていた説明がおしゃかの脳内で再生されます。
フェイスブックかメールアドレスを登録すれば使えるよ。
確かに、そう言っていたはずです。
混乱しながら、そのまま一時間近くスマホをいじりますが全く繋がる気配がありません。
ジェームス、たぶんジェームス、ジェームズ? あれ、スティーブとかじゃ?とにかく、管理人が言っていたメルアドを登録する場面がまったく出てこないのです。
……もういいや。これもエージェントに相談しよう。そのために……学校に行ってみるか。
学校は寮について次の日から始まります。おしゃかは何とか萎えた気力を振り絞り、初めてマルタの町に行く決意を固めるのです。
寮の部屋の扉を開けて、鍵をかけます。
……かかりました。勝手に。何もしていないのにかかりました。
……大丈夫か? おしゃかは心配になって扉をあけようとします。
………………開かないよ! どうやって開けるのこの扉!
良く見ると、ドアのノブが無いのです。回して開けることは出来ません。
え? え!? どうしよう? これどうしよう!?
おしゃかは完全にパニックです。事前に聞いていた物が部屋に無いし、wifiはつながらないし、部屋から追い出されるし!
おしゃかはジェームズ?ジェームス?がいた所へ向かいます。
しかし、管理人のおじさんはそこにはいませんでした。
おしゃかが到着したのは日曜日ですからね!
外国人が真面目に働いているわけないですよね!!
泣きそうになりながら、お部屋の扉の前に立ちます。
……どうにかしてあけないと!どうにかして!
おしゃかは様々な方法を試しました。
押したり引いたり、一度押すと見せかけて引いたり……
試すことおよそ30分。
やっと扉を開けることが出来ました。
正解は、開けようとして、さらに開けようとする。でした。
……分かるか!
とりあえず、扉の開け方も分かったので、おしゃかは初めてマルタの町へと向かうのでした。続く。
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