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土沢へ写真展を見に行った

花巻市東和町土沢にある、萬鉄五郎記念美術館の八丁土蔵ギャラリーで9月23日まで開催されていた「菊池克美展」を見るために、9月14日にローライ35と富士X20を携えて出かけてきました。

仙台駅を鈍行で6時に発ち、一ノ関からは盛岡ゆきにのりかえて、花巻駅に8時40分ごろに着きました。
あと35キロ北上すれば、もう盛岡なのですが…

土沢へは釜石線もあるのですけれど、
間が空くので今回は路線バスで。
花巻の中心街も通りますし。
「花巻まつり」がちょうど開かれていることを知りました。
だいぶ賑やかそうです。

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田園地帯の緩い勾配を上っていき、高原を思わせる風景をみながら、30分ほどで土沢中町に。
記念館は街を見下ろす小高い丘の中腹にあり、中心街からそれて味噌と醤油の工場のわきを通っていきます。

土沢は、趣があってとても好ましい町でした。
わたしがあるいてみた限りでは、コンビニなんて一軒もなく、目抜き通り沿いに昔ながらの民家、商店が連なっている。
今回は日帰りでやや急ぎ足でしたが、ゆっくり撮りあるきしたら楽しいだろうなと思うのでした。


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写真展はサブタイトルに「須田一政へのオマージュ」とあり、一階はカメラ雑誌のコンテストで須田一政さんが選んだ写真を、主に誌面を拡大したパネルで展示してあり、須田さんの選評も一緒によめるようになっていました。

階段から二階にかけては、ごく最近までの作品が展示されてました。
菊池さんの写真は、ほとんどがモノクロフィルムを使ったもののようで、ハーフ判で撮ったネガを伸ばしたり、現像によるのか粒子の粗さ、荒れまでもみずからの手で作品のうちに取りこんでしまう手腕の高さを感じます。
一点だけあったカラーも、夜の空に上がる花火がとても弱々しい色と光りを帯び、儚さを感じさせる印象深い作品でした。

展示されていたすべての写真に通底するものがあるように思いました。
わたしの拙い言い方で申し訳ないのですけれども、いずれも作者と被写体の間にあるものが、レンズという硝子質のもの以上に濃密なものであり、幻影のような、茫洋としてとらえどころのない感情のような、ふしぎな気配が見る者の前に立ちのぼっては、急激にフェードアウトしていくような、奇妙な錯覚をおぼえるのです。
この作者が絶えざる努力と入魂の末に到達した、写真というものに内包される「情報」を超越する表現であると。
これは見た人にしかわからないかと思います。
見に行く機会がなかった方には、想像してもらうしかないですけど。

釜石線で花巻駅に戻る途中の車窓もまた美しく、北上川を渡るときには、あれ、イギリス海岸かな?と一瞬思わせる河岸が見えました。
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まだ暑い日でしたが、空の色には秋の気配が漂っていました。

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花巻の中心街で真っ先に向かったのは、
もう有名すぎるほど有名になった、マルカンビル大食堂!

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6階に上ると、想像以上に広大!
説明には席数500以上とあり、
メニューも豊富でした。

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名物10段巻きソフトクリームはこんなです。
230円は安い!と思いましたけれど…

そんな広い大食堂のテーブル、
8割がた埋まっていたでしょうか。
やはりたいへんな人気でした。

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そして行ってみたかった、北上川の川べりへ。
抜けるような快晴で、2本目のフィルムはすぐなくなったので、
デジの恩恵でたくさん撮りまくり。
ここでは、ほんの一部だけお見せします。
まだまだ未熟なおしゃまの、撮影行の一コマとしてご笑覧くだされば幸いです。

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盛岡に住んでいた学生時代、なぜか花巻にはじぶんの足で行くことがなかったので、25年ほども経ってようやくその借りを返したような気がした一日でした。

*土沢・花巻での期限切れフィルムのアルバムはこちらです




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