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大学教員の講師として、臨床・教育・研究を行う。作業療法士の国家資格を持ち、関東、東海、…

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大学教員の講師として、臨床・教育・研究を行う。作業療法士の国家資格を持ち、関東、東海、東北を中心にセラピストへ講師活動を行う。進リハの集いは、自分たち自身含めて参加してくれた方たちが、何かしらの形で昨日より一歩進めることをコンセプトに活動しています。

最近の記事

脳卒中リハビリテーションにおけるミラーセラピー:現在の展望

今日のメルマガでは、脳卒中患者のリハビリテーションにおいて注目されている「ミラーセラピー」についてお話しします。参考文献は一番下へ!! 脳卒中は世界中で生存年数の第三位の主要原因で、その患者数も増加しています。脳卒中後の急性期には、生存者の多くが運動障害を示し、痛みや空間無視の問題もあります。これらの問題に対処するためには、リハビリテーション戦略が非常に重要です。 ミラーセラピーは、脳卒中リハビリテーションの一つで、麻痺のある脳卒中者でも使用できます。動いている患肢の反射

    • メルマガ:健康行動を促す「HAPA理論」を理解しよう

      こんにちは!今回のメルマガでは、HAPA理論を紹介し、運動習慣を継続させる方法を考えていきましょう。 HAPA理論は、「運動をしたい」と思っているけれど、実際にはなかなか行動に移せない人をサポートするための理論です。 【HAPA理論の概要】 HAPA理論では、健康行動を遂行するために大きく2つのフェーズが存在します。 行動意図につながる動機付けプロセス 実際の健康行動につながる意思プロセス 【動機付けプロセス】 行動意図を持つためには、以下の3つの要素が重要です

      • 交絡因子などの第3の因子について

        必ず、関連を検討する上で重要なのは交絡調整をすることです!! わかりやすく図で示します!! 一部講義スライドから抜粋しました!! 交絡因子の他にもたくさんあるんですね!!とわかっていただければ幸いです!! データとして使用するのはこんな感じになります!! 上記を踏まえ収集および解析に入ると良いでしょう!!

        • アウトカムの指標例

          指標例はたくさんありますが、ざっとこんな感じです!! 医療者視点 患者視点 社会 と様々な側面から表して見ました。 その知りたいアウトカムはなんでしょうか? 考えてみるといいかと思います!!

        脳卒中リハビリテーションにおけるミラーセラピー:現在の展望

          アウトカムの設定ポイント

          アウトカムの設定についてです!! 端的に言えば以下となります!! 上記が非常に重要なポイントとなります!! アウトカムが一つと言いましたが、コホート研究であれば、原則一つということであり、データ収集の際は、いくつかのアウトカムを一緒に取得しといてもいいです。倫理的に問題がなければの話ですが!! そして、もっと重要なところは修正が可能であるということです!! これを知ってなんなの? とならないようなアウトカムにできるといいかと思います!!

          アウトカムの設定ポイント

          比較対照を設定する

          今回はComparisonを設定します! Cの設定ポイントですが以下です。 要因以外はEと似通った集団をCとする EとCをspecificに区別できることが重要 分け方を恣意的にしない 介入研究の場合、倫理的な点を注意して設定する。 理想的な比較は比較対象以外は全く同じ状態がいいでしょう。 例えば、高次脳機能障害におけるA治療とB治療の改善度を比較した時。 この二つの治療の対象者は同等の比較でなければいけないということです。 理由は簡単です。 年齢や性別な

          比較対照を設定する

          要因と介入を設定する

          Pの次は PICO/PECOである 介入Interventionと要因Exposureについて Eの場合:アウトカムとの関連性を調べる観察研究 Iの場合:治療や予防などの介入の効果を調べる介入研究 上記に分かれます どちらにしても 対象者と同様に 具体的に記述の必要生があります! 要因や介入は、誰が読んでもだいたい同じことをイメージして実施できる程度がいいと言われてます。 例えば、脳梗塞リスクファクターのある患者に対し、栄養指導を実施した場合、発症リスクを減ら

          要因と介入を設定する

          対象者を選定する② 研究目的に合致させる。

          研究目的に合致させる! これがなによりも難しいですが、非常に重要です。 このセッティング、いわば研究の対象者が置かれているフィールドを設定するには… 例えば、手外科症例の保存の人を中心に見たい場合は、大学病院よりも、クリニックの方が向いているかもしれません。 自身の研究目的が、自身の環境に適しているか否か。 ここは大きい検討材料としていっても過言ではありません。 また、コホート研究のような、将来のイベント発症をアウトカムとした、集団を対象にした場合には。 例えば

          対象者を選定する② 研究目的に合致させる。

          対象者を選定する①

          PICO/PECOを順追って説明していきます。 Pとはいわば母集団のことを指します。 この標的母集団とは 「自身の研究テーマの結果をあてはめたい集団」のこととなります。 研究目的に最も合致した対象を選ぶ必要があります。 その際に、「参入基準または除外基準」をしっかり設けることも重要です。 前回の記事が書いたPが脳梗塞になり得そうな人をを対象としていました。 今回は脳梗塞患者を対象を例にとってみましょう。 どの範囲の母集団かを検討します。 全国の脳梗塞患者

          対象者を選定する①

          あいまいな疑問を構造化するには?PICO/PECOを用いて

          あいまいな疑問を構造化するには? では、今回はCQをRQへ変えていきたいと考えております。 ここで用いるのがPICO/PECOです。 これを使用することでRQができます。 使い方は観察研究なのか、介入研究なのかで分かれます。 観察研究の場合、 Patient 誰を対象とするのか ↓ Exposure どんな要因を取り上げるのか ↓ Comparisn それを何と比較するのか ↓ Outcomes 何を主要なアウトカムとするのか これがPECOです。 介入研究の場

          あいまいな疑問を構造化するには?PICO/PECOを用いて

          研究に必要な心得 【疑問を構造化③】

          今回はリサーチ・クエッションについて話していきます。 リサーチ・クエッション(以下RQ)とは、いわばクリニカル・クエッションを構造化することです。 曖昧であったクリニカル・クエッションを、、具体的かつ明確で実施可能な研究の形に整えていくステップです。 研究で明らかにしたいことを宣言したもっとも短い文とされ、「研究の基盤」となります。 RQが曖昧であると臨床研究はできません。 RQの良いところは、考えていく過程で変化したり、新たなアイデアが生まれたりすることもあります

          研究に必要な心得 【疑問を構造化③】

          研究に必要な心得 【疑問を構造化②】

          前回は、クリニカル・クエッションについて学んでいただきました。 今回はそのクリニカル・クエッション(以下CQ)がどのような研究と合致するか。 医療従事者であれば以下の4つの項目が大きな分類として当てはまると思われます。 ①病気、診療の実態を調べる研究 ②診断法およびリハ関連を評価する研究 ③要因とアウトカムとの関係を調べる研究 ④治療・予防法の効果を調べる研究 それぞれを簡単にですが説明していきます。 ①病気、診療の実態を調べる研究 では、医学歴史始まって以来、皆

          研究に必要な心得 【疑問を構造化②】

          研究に必要な心得 【疑問を構造化①】

          研究の心得について書き記していきます。 ステップ1 「クリニカル・クエッションをリサーチ・クエッションを構造化する」 これが学習目標でしょう まず大事なことは臨床の中でクリニカル・クエッション(以下,臨床疑問)が出るかどうか 闇雲に論文を集めて、データ収集しても何の意味もありません。 今目の前で、困っていることはなんですか? それを文章化することから始まります。 この臨床疑問は現場いるあなた自身にしか思いつくことができません。 例を挙げると 「橈骨遠位端骨折

          研究に必要な心得 【疑問を構造化①】

          研究って?

          壮大なテーマから書いてみます。 正直、答えは一つではないと思います。 私が答えとして持っているのなら、臨床に還元されるべきものが最重要事項の1つである思います。 しかし、そんな簡単に実現できることなのか? この問いには私は「No」と答えるでしょう。 なぜなら、1人で行う研究には限界があります。研究するためには研究費用も必要かもしれません。 また、臨床に還元されるまでには非常に時間のかかる作業だからです。 だからこそ、研究者と違い、臨床家の先生は苦手意識を持つのだ

          研究って?

          【オンライン】臨床で把握できるようになる!!OTに必要な急性期リスク管理セミナー

          5/10 (日)、5/17(日) 【オンライン】臨床で把握できるようになる!!OTに必要な急性期リスク管理セミナー                              (評価編・実践編) 概要 急性期業務において必要な知識をお伝えします。 ​ なお、回復期や生活期で勤務されている先生も必見の内容となります。知識として持っておいて無駄はないかと思います。 こんな悩み・不安はありませんか? ・新人・若手であり急性期リスク管理に不安がある。 ・回復期・生活期・精神科勤務であ

          【オンライン】臨床で把握できるようになる!!OTに必要な急性期リスク管理セミナー

          オンライン開講のお知らせ

          久しぶりの投稿となってしまいました。 これから少しずつnoteに足跡を残していきます。 新型コロナウイルスで自粛要請もそれぞれの都道府県から出ており、依然として緊張感漂う状況ですが、どうお過ごしでしょうか? 我々、医療職はテレワークすることが困難な職種であり、日々緊張感のある中で業務に携わっているかと思います。 まずは自身の健康が何よりも重要となります。 まだまだ油断できない状況が続いておりますので、皆様におかれましたも基本的な手洗いうがいなどの予防を徹底してお過ご

          オンライン開講のお知らせ