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【準決勝】コミュセバトル優勝者プレゼン

こちらは準決勝プレゼンになります。

意気込みはこちら

一回戦についてはこちらをご覧ください

一回戦は「コミュ下手のあなたに捧げる特効薬」でした。

では、準決勝のテーマは?

準決勝:私が(コミュニケーション上の)失敗で学んだたった一つのこと


なるほど。ここは経験ベースで行きたくなるテーマですね。

どんな経験と、そこから何を導き出すかがキーになります。

では、はじめていきましょう。

もちろん、僕のスタンスはEvidence basedです。

今回もみなさんに納得がいくようにお話していきます。

僕は作業療法士をしていますが、よくある失敗の一つに、多職種との意見の対立があります。

いや、ほんとうによくある。

具体例を挙げますと、トイレの自立度問題が一番多かったですかね。

リハビリでは、立つ練習やズボンの上げ下げなどを練習して、できるようになるわけです。できるようになったなら、病棟でもトイレに行ってほしいわけです。

でも、病棟ではトイレに連れて行ってもらえないわけです。おむつが外れない。なんてことがあるんです。

どのようにコミュニケーションを取っていたかというと、

立てます
見守りです
病棟でもお願いします

と一方的に伝えていました。

するとご想像の通り、看護師さんからは

いや起き上がりは介助なんですけど
失禁してますよ
本人はなんて言ってるの?

と反対意見がどっさり返ってきます。

ぼくは考えました。

見ているものが違うのだから、どっちの意見が正しいとかではないなと。

その中で、お互いが自分の正しさを主張していても、不毛だなと。

図のように、この画像を見て、水と答える人もいれば、コップと答えたり、画像と言ったりする人もいますよね。

別に間違ってるわけじゃない。用意された答えと違っているだけ。

一つの正解を押し付けていても、意味なんてないんです。

僕は丁寧そうに、「お願いします」なんて言ったんですが、実はこれも大きな間違いだったことに気づきました。

下からへりくだっているようにみえても、自分が言っていることは正しいという前提をまったく崩していないんですよ。これは正義の押し付けだと気づきました。

つまり、「お願いします」は相手に選択肢を与えていないんです。

ここが大事なところなんです。

意思決定プロセスにはいくつか種類がありますが、ここでは二つを紹介します。左図のように一方向に情報を与える意思決定のことをパターナリズムと言います。今回、お願いしますと言ったものの、基本的にパターナリズムの形になっていました。

もう一方、協働意思決定というプロセスがあります。これは情報を共有した上で、対話し、ともに選択肢を選ぶプロセスです。このように意思決定のプロセスを変えることが、大切なのではないかと考えました。

で、聞き方を変えてみたんです。

今、僕はこう考えてるんだけど、どう思う?

たったこれだけです。

すると、相手の反応も柔らかくなったんです。

建設的に、情報を共有して、次にお互いの職種がどうすべきかを考えられるようになりました。

このような協働意思決定モデルによる選択は、治癒の向上や医療コストの軽減にもつながるといわれています。

パターナリズムは、選択肢を選ぶ能力がなかったり、緊迫した状況の中では有効であるといわれています。

しかし、私たち多職種連携でかかわる他職種は、当然、選ぶ能力を有しています。

ですから、協働意思決定モデルを用いることが有用であることは、当たり前なんです。皆さんも振り返ってみてください。パターナリズムになってませんか?僕はなってしまっていました。

最後のスライドです。

今、僕はこう考えてるんだけど、どう思う?

この聞き方によって、相手に選択肢とチャンスの双方を与えることができます。

同じ失敗を繰り返さないためには、このような配慮が必要だと思います。

って僕は思うんですが、どうですかね?

ご清聴ありがとうございました。


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