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お客様より従業員が神様になる!

「お客様=神様」だった過去

私は20年くらい前、ブラック企業の代名詞でもある、誰もが知る大手外食企業で働いていました。店長をしていました。その会社では「お客様=神様、店員=奴隷」であることを従業員全員に強いていました。

若かった私は、「仕事とはそういうものなのか」と思っていました。理不尽な客や横柄な客に接し不快になるたびに、「仕方がない」と自分に言い聞かせていました。

飲食業はお客様を選べません。店に入ってきた人を選別できません。

「店に入って来られたら、お客様であり神様だ」と、「多くの飲食店がある中から、自分の店を選んで来てくれたのだから感謝しなさい」という論理です。

もちろん、接客はちゃんとしますし、感謝もします。

飲食業界で働かせ頂く過程で、相手を思いやる気持ちや、他者への想像力等、この先の人生を送るにあたって大切なことを学ばせて頂きました。

ただ、もう「お客様=神様」論理は破綻してきているのではないかと考えさせられます。

「従業員=神様」になりつつある

働き方改革が進み、少子高齢化が進み、採用ができなくなり、副業が当たり前になり、終身雇用が死後となりつつある現在、本当に仕事を取り巻く環境が変わってきていると感じます。

採用は、完全に売り手市場にシフトしています。

一定以上のビジネススキルを持った人であれば、就職先を選択できます。選択できる立場にある人が、わざわざ理不尽な客や横柄な客の対応を強いられる企業や職場に勤めると思いますか?

はい、避けますよね、そのような企業や職種は。

「お客様は神様だ」と主張している会社も、働いてくれる従業員がいなければ、その神様であるお客様に対して、満足してもらう商品・サービスが提供できなくなります。

お客様も人間であり、従業員も人間です。

人間には血が通っており感情がありますので、自分を認めてもらいたい生き物だと思います。

あからさまに、「接する・対峙する相手が上(神様)」と定義されることに拒否反応を示すのではないでしょうか?

人を採用する経営者は、そのことをじっくりと考えてみてはいかがでしょうか?

お客様からクレームが入ったとき、「すぐに謝罪」ではなく、しっかりと状況や事情を理解し、従業員の対応に落ち度は無かったのか?も含めた状況把握が必要となり、適切で毅然とした対応が求められると思います。

クレーマーに媚びる企業から、人は離れます。

顧客の反応にビクビクしているような企業からも、人は離れるでしょう。

スポンサーの顔色ばかりを窺って番組を作っているテレビ局からも、視聴者が離れるでしょう。

毅然と自信を持った企業の商品やサービスを、人は求めます。

そういう方法に世の中が移り変わってきています。

お客様を選べない仕事は、滅びる

店舗を構えて商品やサービスを個人に提供している業種は、お客様を選ぶのがまだまだ難しいでしょう。選んでいる感じを出すのであれば、完全に予約制にするくらいしか思いつきません。

今後の各企業の方針としては、

理不尽で横柄な人は顧客とは認めない。

従業員と顧客の対等な関係性が根本にある。

その上で、商品・サービスを顧客に満足してもらうように提供する。

が良いのではないでしょうか?

因みに私の会社は、上記のような理由から路面店に店舗を出すことはしていません。お客様、お一人お一人に十分過ぎる時間を取らせて接しさせて頂いております。今後も路面店を出すつもりは一切ありませんし、自分のキャパシティーをオーバーする依頼は受けないつもりです。

私が毎日、心地よく仕事をすることが、結果、お客様の為であると考えております。

商品やサービスの提供者が心地よく働けない仕事や職場は、廃れる

結局のところ、商品やサービスを提供する企業で働く人、一人ひとりが心地よく働けているのか?いないのか?に尽きると思います。

横柄や客や理不尽な客、クレーマーに接する頻度が低ければ、働き続けることはできると思います。逆に、毎日毎日、そういう人の対応をしなければならないとなると、従事者は減少し続けるでしょう。

毎日、長く働く仕事ですから、話が分かるお客様、理不尽でないお客様とだけ接したいと誰もが思うはずです。

その思いを実現できる企業のみが、生き残り成長していくであろうと考えさせられます。

ちきりんさんに感謝

今回の記事は、ブロガーのちきりんさんが本当に共感できることを発信してくれたので、私も自分の思いを綴りました。ちきりんさんに感謝です。

【参考】ちきりんさんのブログ



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