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#02コロナ時代のデザインコンペのあり方

何故無料なのか?
ただ働きのコンペが存在する

提案者は何も好き好んで取れるか分からないコンペに参加しているわけではない。
仕事が潤沢に入ってくればお金になるか分からない仕事をするのなんて馬鹿らしくてやってられない。
しかし、仕事がほしい、まとまった規模の案件を受注したいといった状況でコンペに参加せざる負えないのだ。
クライアントは提案者の弱い立場を利用して無理を強いているようなもの。
提案者の足元を見ているコンペを私は勝手に「足元見やがってコンペ」と呼んでいます。
デザイナーとしてお金をもらってきているので「デザインをする」=「時間を使う」=「提案書を出す」=「費用の発生」と考えたとき
とてもこんな「足元見やがってコンペ」は事前に分かっていれば参加しようとは思いません。
精神的にも体力的にもすり減るだけだ。

コンペ・提案は盗用の危険もある
そしてコンペに参加しアイデアだけ取られるという事例も発生する。
提案だけさせといてアイディアだけ登用されるという事態が起こっています。
クライアントに提案したものの結局受注までつながらず、しばらくして何気なくそのクライアントの他社がパクられて提案したデザインが盛り込まれていたという経験もしました。
安くでやってくれるところに提案だけ流用したのだろう。
その提案に対して費用が掛かっているのである、そして何よりも価値があるのだからある程度高くなってもそれを受け入れてほしい。
なぜこのようなただ働きや盗用が起こるのか?
盗用が起こる理由は、デザインの価値を理解していないクライアントのコンプライアンス意識の欠如としか言えない。
アイディア(提案)は形として存在しないが、デザインとして見えるカタチとして存在する
それを別で使用することに罪悪感を感じることがあまりないのだろうか
盗用した側は「流用」したものだと勘違いしているのかもしれません。しかし、提案側からするとそれを作るのに頭脳労働をして作り上げた知的財産である。それを対価なしに「流用」という認識で使われては困る。それは「盗用なのだ。

提案者に配慮したコンペ
参加者に一定の謝礼を出すコンペもある。
そのようなコンペであれば、もしコンペで仕事が受注できなくても自分の提案が少なからず利益を生むので精神的にも救われる。
しかし残念ながらデザインのコンペ参加に一定の謝礼を出すのは、大手の広告代理店くらいで、
コンペを行い結果が出るにあたって、決定にいたったプロセスや採点などをある程度開示してほしいが開示されないことがある。
その時は仕事を受注できなくても、提案者側としては考えやり方などを補正することができる。そして次につなげることもできる。
落ちた理由が分からなければストレスと、いつまで経っても向上することができない。

コンペや提案は悪なのか?

提案はその時点で作業が発生しコストを投じているので、そういった認識を持っていないクライアントがいるのが問題です。
またひどい場合「仕事をもらいたいならタダかもしれないけど頑張るのはあたりまえだよね?」的な考えを持っているクライアントが少なからずいるのが問題だと思う。
日本はまだまだデザインの価値を理解していない、クライアントが他国と比べても低いと感じる

コロナ時代のコンペのあり方

有効なコンペを行いたいのであれば謝礼を出すのも一つの手。
無償労働になるかもしれないと思って提案するのと一定の謝礼が出ると思って提案するのでは品質に違いが出てくるでしょう。
謝礼が無理なのであれば、コンペ・提案を受けるにあたって、もしかしたらタダで働いてもらうことになるかもしれないという認識をしておくだけでも色々と配慮が生まれ、提案側の負担も減るのではないでしょうか?
クライアントもコンペの生じる弊害を認識して置けばもっと提案しやすくなる。
提案側も仕事欲しさにむやみにコンペに飛びつくのではなく、総合的に判断してコンペに参加するか否かを決定すれば、「足元見てるんじゃねーコンペ」は自然と減っていくのではないでしょうか。

これは個人的な独り言です。

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