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こんな現場のアニメは落ちる一歩手前~アニメ地獄『なつぞら』編

 岡田斗司夫です。

 今日は、2019/09/29配信のニコ生・岡田斗司夫ゼミ「【番組終了記念】『なつぞら』総決算+マンガ版『攻殻機動隊』解説 第3弾」からハイライトをお届けします。

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 じゃあ、NHKの朝ドラ『なつぞら』の話を始めましょうか。

 ついに『なつぞら』も最終回を迎えました。今日はちょっと1話ずつというか、月曜から順番に最終週、月曜から土曜の各エピソードを、1つずつ語ってみようと思います。

 まず、9月23日の月曜日。舞台は昭和50年、1975年ということで、だいぶ現代に近づいて参りました。

 なつの娘の優っていう女の子の小学校の入学があったんですけど。この小学校入学祝いに、旦那であるイッキュウさんのお父さんお母さんから、百科事典が届きました。

 ……『なつぞら』の紹介で百科事典を取り上げるのは俺くらいだと思うんですけども(笑)。

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【画像】百科事典 ©NHK

 この百科事典、ちょっと嘘なんですよ。何が嘘かと言うと、この時代、大学の教授をやっているような両親が孫に贈る百科事典は、日本には1種類しかないんですね。

 それが、平凡社の『世界大百科事典』というやつです。全35巻なんですよ。中身が32巻あって、その他に、索引だけで1冊あって、地図帳だけで1冊あって、あとは現代編みたいなのも付いてたと思うんですけど、それだけで1冊あるという、もう本当にバケモノみたいな百科事典が当時はあったんです。

 昭和40年代から50年代くらいまで「百科事典」と言えば、平凡社の35巻を指していました。で、これ、1巻だけでも結構デカいんですよ。

 この全35巻というのがあまりにも売れすぎたせいで、本棚まで付いてたんです。百科事典を1セット買うと本棚が付いてくる。なので、もし、皆さんの家に『世界大百科事典』があったら、それにピッタリの本棚もあったと思うんですよ。それは何かというと、百科事典に無料で付いてた本棚なんですけど。

 これ、1セットで10万円もしたんですよね。この10万円というのが高いのか安いのかっていうと、まあ、オールカラーだったから、かなり安かったと思うんですよね。平凡社はこれのおかげで大儲けしたそうなんですけど。

 うちにもセールスマンが来ましたし、あと、当時、大丸、そごう、高島屋なんかの大阪のデパートでは、どこにでも売っていました。そんな時代です。1970年代あるあるですね。

 だから、百科事典を出すなら、その全35巻のやつをちゃんと出してほしかったんですよね。

 僕は、1972年版、つまり、本来だったら『なつぞら』に出て来るべきバージョンを中学2年生の時に買ってもらったんですけど。

 第1巻の「あ」から読み始めて……1972年版なのに、69年の「アポロ計画」の記述がもうすでに古かったんですよ。というのも、実は百科事典って、5年くらい前に記事を書いているんですね。それで間違いがないか徹底的に調べるから、72年に売っているバージョンには、1967、8年くらいの知識しか入っていないんですよ。

 それでも、メチャクチャ面白かったですね。早く「う」の「宇宙」のところに行きたかったんですけど、まあツラい。百科事典を頭から読むのって、本当にシンドくて。僕は結局「さ」とか「た」まで行ってなかった気がするんですけど。

 ただ、百科事典を読むのの何が良いかって言うと。「この世の中には知らないことが無限にある」ということは、別にネットでもなんでもわかることなんですよ。ただ、百科事典のメリットというのは、ネットと違って「この世の中には知識は無限にあるんだけど、それらには限界があって、だいたいなら把握可能である」ということが、物理的にわかるところなんですね。

 「ここからここまで読めば、一応はわかったことになる」ということがわかるので、ネットを触った時の「うわっ、世の中には無限に知らないことがあって、キリないや!」という、あの絶望感がないのが百科事典のいいところだと思います。

・・・

 あと月曜日の『なつぞら』の最後の方で、泰樹じいちゃんが、アニメ『大草原の少女ソラ』を見て感動していました。

 感動していたのは、レイという第1話で拾った男の子との別れのシーンです。

 これは、その夜明けのシーンなんですけど。

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【画像】夜明けシーン ©NHK

 夜明けのシーンって描くの難しくて。これは天陽君のお兄さんが背景を描いているところなんですけど。この岩の上の縁のところに白い塗料を乗っけているのがわかりますか? これは、向こうから朝日が昇ってきて、その朝日のハイライト、照り返しだけを描いているんですよね。

 これは、なつがお父さんを描いているところなんですけど。ここではお父さんの顔に影を入れてるんですよ。

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【画像】影入れセル画 ©NHK

 実際のセルになったらこんな感じですね。

 このアニメは、キャラクターに影がないんですね。たぶん、動きを重視するために。まあ、絵としてはちょっと安っぽくなっちゃうんですけど。

 ただし、こういう太陽が昇る時とかは「顔に日が当たって、その反対側には影ができる」というコントラストをちゃんと描いているんですね。

 天陽君のお兄ちゃんが描いている背景も、太陽そのものを描こうとするのではなく、そのハイライトを描いています。

 アニメーションの表現というのは、太陽みたいな光るものを描く時、太陽そのものを描くのではなくて、その影響、例えば「岩の端っこにハイライトができる」とか、もしくは「顔に日差しが当たって、その反対側に濃いめの影ができる」というふうにして、夜明けに見せているわけですね。

 これは前回の、美味しそうな食べ物をどう表現するのかというのを「美味しそうな食べ物の作画を頑張る」のではなく、「そのにおいを嗅いだキャラクターの美味しそうな顔を見せる」ことで、見ている人の頭の中に「美味しそう!」と思わせるのと同じです。

 リアクションを描くことが、実はこのアニメーションの基本なんだということです。

 ただ、まあ、それはいいんですけど。残念なところもあって。

 ここでは「太陽が昇って来る」んですよ。でも、このアニメでは、太陽が昇ると、影が段々と伸びるんですよね。

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【画像】伸びる影 ©NHK

 この「影が伸びる」って、変な話で。だって、伸びるはずがないんですよ。太陽がゆっくりと昇っていくということは。まあ、こういうふうに描きたいのもわかるんですけど。短い影というのは、太陽が高い位置にあるってことですよね? それが段々と伸びているということは、これ、日が沈んでいる時の描き方なんですよ。

 でも、なんとなく「太陽が昇って来たら影が伸びる」みたいな印象があるから、ついつい、こういうふうに描いてしまっている。たぶん、アニメを描いている人もわかって描いているんでしょうけど。こういうふうに描くと、日が沈んでいるように見えちゃう。

 まあ、ちょっと、そこが残念ですね。

・・・

 ところが、9月24日火曜日のシーンになるんですけども、そうやって頑張って作っていたところ、テレビ局のプロデューサーから電話が掛かってきます。

 マコさんが電話を取るんですけど、向こうにいるイッキュウさんは気が付いていません。

 どんな電話をしているのかというと、局のプロデューサーが「一週間前の納品の約束なのに、どうなっているんだ!? お前ら、前日納品するつもりか!」と、ものすごく怒っています。

 マコさんは一生懸命謝りながら、「でも、みんな、今、プライドを持ってやっているんです! 彼らを支えているのは誇りだけなんです! 今、質を落とせと言ったら、みんな逃げてしまいます!」と言うんですが、「プロデューサーを脅すつもりか!?」と、ちょっと口喧嘩になってしまいます。

 なんでテレビ局のプロデューサーは、納品が遅れていることにこんなに怒っているのか?

 これ、もう、今ではかなり事情が違ってくるんですけど、当時1970年代くらいのテレビ局の事情というのがわからないと、ただ単に横暴なプロデューサーとか「納品スケジュールを守れ」と言ってるだけの無能なプロデューサーに見えちゃうんですね。

 そうじゃないんですよ。あのね、この当時のテレビ局って、まだコンピューターで制御するようになる前なんですよ。

 今のテレビ局って、全ての放送データを、一度VTRテープに落としているかどうかはわからないんですけど、デジタルデータにして局のコンピューターの中に溜め込んで、タイミング合わせて順次送り出しているから、生放送とかにもすごく強いし、CMの差し替えとかも対応できるんですけど。1970年代までのテレビ局ってそうじゃないんですよね。

・・・

 例えば、『大草原の少女ソラ』の放送は日曜日の夜なんですよ。

 日曜日の夜で1週間前納品ということは、前の週の月曜日か、もしくは前々週の土曜日の午後くらいまでに、完成したフィルムを納品しなきゃいけない。アニメーションですから。

 当時のアニメは普通、16ミリフィルムで撮影されているんですけど、『アルプスの少女ハイジ』って、クオリティを上げるために、劇場映画並みの35ミリで撮影してたんですね。『ソラ』も、たぶん、品質にこだわるイッキュウさんですから、35ミリで撮っているんじゃないかなと思います。

 そのフィルムが納品されたら、局はそれをそのまま現像所に持って行って、ビデオテープに「テレシネ」します。

 テレシネというのは、簡単に言っちゃえば「良い映写機にフィルムをかけて、それを反対側か同じ側からすごく良いビデオカメラで直撮りすることによって、ビデオ信号に変えること」。これをテレシネと言います。

 そして、テレシネすると同時に、16ミリフィルムに「デュープ」します。

 デュープというのは、局の中で見る時には扱いにくい35ミリのフィルムを、16ミリのフィルムに落とすことですね。35ミリフィルムを上映するためには、映画館の劇場並みの設備がいるので。

 なぜ16ミリに落とすのかというと、スポンサーと局と代理店の試写会を開かなきゃいけないからなんですよ。これは、テレビ局に納品される、ニュースや局制作以外の作品、全てそうなんですけど。だいたい「スポンサー試写」っていうのがあるんですね。ひょっとしたら、バラエティーでも、まだあるかもわからない。「今回放送予定のVTRです」というような試写をして「問題ないですね?」と、全員の同意を取らなきゃいけないわけですね。

 そうやって、16ミリにデュープしたフィルムで、局の中にある上映所で試写を行って「これで問題ないですね?」と、スポンサーと局と代理店の3つのOKが取れたら、テレシネした1インチ幅のVTRテープ、まあ、リールのビデオテープですね。「『大草原の少女ソラ』第39話」とかラベルされたものが、放送マスターに決定されるわけです。

 この放送マスターはどうするのかというと、次の段階で、3時間くらいのオンエア用のマスターを作ります。

 これ、何かと言うと、アニメは25分とか20分とか、それくらいしかないじゃないですか。その前とか後ろの番組までくっつけて、間にCMを入れて、夜6時から9時までの3時間分のテープを作るわけですね。これが放送用マスターです。

 このマスターというのは、だいたい生放送の報道番組とか歌番組とは別枠で、放送当日の3日か4日前に作るんですよ。

 つまり、日曜日に放送予定のアニメだったら、その前の週の火曜か水曜日にはオンエア用マスターの3時間くらいのビデオテープができてなければいけないんですね。

 だから、もし、このアニメが放送1週間前に納品されてないとなると、そろそろ担当のプロデューサーは、同じ長さの別番組を用意するハメになります。

 再放送でもいいですし、まあ、別のドキュメンタリーでも何でもいいから用意して、それを差し込んだマスターテープを作るわけですね。

 それと同時に、新聞のラテ欄……ラジオ・テレビの番組欄というのが当時の新聞にはあったので、そこの人たちに電話をして「次回の『大草原の少女ソラ』に(仮)を入れてくれ」って言うわけですね。

 番組名と放映されている内容が違ったら、後で新聞社に苦情の電話とかハガキが来るもんだから、「仮入れ」というのをやってもらうんです。

 こうやって、完成した3時間のマスターテープを、タイマー付き自動再生機というやつにガチャッとはめるわけです。これ、ガチャッとはめたら、局によっては鍵まで掛かるんですよね。

 それが予約した夕方の6時になったらガチャッと動き出して、再生が始まって、それが放送されるわけです。9時からの機械は別にあって、9時からのテープも、また3日くらい前からガチャッとはめているわけですよ。

 そうやって、生放送があるところまでタイマー付きの自動再生機がずーっと並んでて、順番にガチャッガチャッと動き出して、僕らが見るテレビ番組が出来ている。

 これが、1970年代の、電子化されていないが、タイマー付きで電気化されている放送局のシステムなんですね。1時間から3時間毎くらいに再生装置が自動的に切り替わって、オンエア用のマスターが次々とノーカットで流れるわけなんですけども。

 もし、『ソラ』というアニメが放送に間に合わず、そのまま代理の番組、再放送なりなんなりが流れちゃったら、担当プロデューサーは始末書を書かなきゃいけなくなります。

 しかし、マコさんに怒りの電話を掛けている担当プロデューサーが恐れているのは、それではないんですよ。

 「放送が間に合いませんでした。 → 穴が空きました。 → 代わりの番組、もしくは再放送です。 → 始末書を書きました」っていうのは、まあ、避けたいんですけど、あることはあることなんです。それはもう、仕方がないことなんですね。

 でも、彼が恐れているのは、もうちょっと最悪の事態なんですよ。

 それが何かと言うと、前日納品なんですよね。「落とすより怖い前日納品」というやつなんです。

 「1週間前に来なかった」という場合、プロデューサーは代理の番組を探し始めます。しかし、そんな中、前の日であっても、納品されてしまったら、テレビ局の人間としては差し替えるしかないんですよ。

 でも、差し替えると言っても、マスターテープは作っちゃってるじゃないですか。そして、3時間のマスターテープをもう一度、頭から作り直すとなると、コンピューターにデータが入っているわけじゃないから、1日以上かかるわけですね。

 すると、どうなるのか? この差し替えを、電子的ではなく、物理的に、1インチのビデオテープをカットして、繋げることをするんです。

 各放送局には必ず1人はいたというビデオテープを切る名人が、VTRテープを斜めにカットするんです。というのも、1インチのVTRの信号というのは、VHSなどの家庭用のビデオも同じなんですけど、斜めに連続して信号が入ってるからですね。髭剃り用のT字カミソリで、シャッと斜めに切るんですよ。

 で、この斜めに切る時の角度とか位置が違ったら、放送信号が荒れるわけですね。

 そうやって、代理の番組の部分を取り除いて、次に納品された『大草原の少女ソラ』の完パケの端っこをシャッと斜めに切って、繋げる。

 フィルムと言っても中身は見えないんですよ。黒に近い灰色のビデオテープだから、何も見えないんでけど。「だいたい合ってるな?」と思った箇所をスパッと切って繋げて、青い色をした磁気粉末塗料というので止めるわけですね。

 「人によってはセロハンテープみたいなのを使った」という話もあるんですけど、もう、この時代のテレビ局のことって、ほとんど伝説になっているので、僕も又聞きなんですけど。

 そうやって、青い塗料を塗って、ビデオテープ同士を接着するのと同時に、磁気信号を均したそうです。

 この時に、カミソリを入れる角度とかが間違っていたり、あとは磁気塗料の厚みにムラがあると、なんと、その箇所で、放送を受信している日本中の全てのテレビに「ブーン!」という一瞬のノイズが入ることになるんですね。

 このノイズが酷ければ、テレビによっては、5分とか10分は元に戻らないんですよ。

 昔のテレビは「ブン!」とノイズが入ることが時々あったんですけど。それって、だいたいカミソリを入れたからなんですよね。

 カミソリを入れる箇所や磁気塗料の厚みがちょっと違うだけなら、一瞬のノイズで済むんですけど。これが下手クソだと、5分とか10分くらい砂嵐みたいになって見えなくなってしまうんですね。下手したら、そのテレビの形式が古かったりすれば、30分とか1時間くらい調子が戻らないことすらあったんです。

 そうなったら、テレビ局には苦情の電話が殺到して、電話回線はパンクします。担当プロデューサーも、もう始末書ではすみません。

 そういう時によくあったのが……テレビ局って、土地を持ってるところが多いので、系列会社で不動産をやってる場合が多いんですよ。そういう分譲マンションとか建売住宅とか賃貸の不動産屋とかに出向という名目で島流しに合うんですね。出向じゃないんですよ。一生出向ですから。

 だから、彼はマコさんに怒鳴っているわけです。「お前、ふざけんなよ! 1週間前に納品の約束だったはずだろ!」って。

 これ、1週間前納品というだけでも、彼はかなり妥協しているんですよ。僕が『ふしぎの海のナディア』の時にNHKに言われたのは、3週間前納品ですからね。

 まあ「3週間前納品を絶対に守ってくれ」と言われた瞬間に、僕は「いや、1週間までは大丈夫なはずだ。放送マスターを作るのは3日くらい前だよな」と読んでたんですけど(笑)。

 でも、前日は流石にメチャクチャだよ、そんなの。

 というわけで、今、放送局で働いている人でも、なかなか知らない人も多いんですけど、前日納品が怖かったのは、こういう理由があるからなんですね。

 前日だろうが、納品されちゃったとしたら、それを放送しなかった場合、責任問題になってしまうので、生テープをカットして間に挟むしかない。でも、それをすると、日本中のテレビ受信機にノイズが入って、ヘタしたら苦情が殺到する。そういう恐怖があるわけです。

 マコさんは、この話をイッキュウさんに聞かせないように、他の制作の人に「演出には言うな。私達でなんとかする。私達で締め切りを守れ」と言うんですけど。

 でも、イッキュウさんみたいなタイプの人には、絶対に「局のプロデューサーから苦情が来てます!」って言った方が良いんですよ。

 なぜかと言うと、「あらゆるクリエイターというのは、締切をギリギリまで読むものだから」です。

 このイッキュウさんのモデルになった高畑勲自身も『アルプスの少女ハイジ』のコンテを全然描かなくて。それどころか、担当プロデューサーに「いい加減にしろ!」って怒られた時に「なんでテレビアニメを毎週毎週放送しなければいけないんですか!?」っていう、ムチャクチャな逆ギレをして、大喧嘩になった事があったんです。

 それを、間に入って止めた宮崎駿が「じゃあ、俺がコンテ切ります!」と言って、腕を組んだ高畑勲が口で言う内容を、そのままコンテにして描いたことがあって、その時に「この人は本当に締め切りを守れない人だ」と、宮崎駿は思ったそうなんですけども(笑)。

 まあ、そういうことなんですよ。だから、早目早目に、演出家なり現場のクリエイターには「これくらい遅れていて、これくらいヤバい」と言った方が良いんですね。

・・・

 さらに、制作進行の男の子のミスで、作画用紙を落として濡らしちゃったりして、制作は遅れて行きました。

 その結果、ついに……俺も、まさかNHKの番組でこれが見れるとは思わなかったんですけど。「線撮り」というのが行われます。

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【画像】線撮り ©NHK

 声優さんのアフレコの時に、絵が用意できなくて「はい、青い線が出たらレイさん役の方、喋ってください。赤い線が出たらソラちゃん喋ってください」という、線撮りという光景ですね。

 最近のアニメ好きな人なら、ある程度は知ってると思うんですけど。線撮りというのは、絵が間に合わない時に「声優さんにこの色の線が出たら、セリフを喋ってください」と言って行う収録なんですね。

 この場合、出演者が2人だから、まあ、まだ救いがあるんですけど。場合によっては、3人4人出てきて、いろんな色の線が乱れ飛ぶこともあります。

 この線は、通称デルマ、正しくはダーマトグラフという、三菱鉛筆が開発したグリスペンシルという油性の色鉛筆で描いてあります。

 このデルマって、芯が柔らかくて油性だから、ガラスとか陶器にも描けるし、人間の皮膚にも描けるんですね。だから、手術する時の「ここをカットするよ」という指示みたいなことにも使うんですけどもですね。

 これは、実際に絵コンテを16ミリで撮影して、その上にデルマで、セリフの入るタイミング合わせてシャーッと線を引いているんですけど。まあ、レイは青い線、ソラは赤い線ですね。

 この線撮りにも段階がありまして、1番から6番まであります。

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【画像】線撮り段階

 第1段階の「タイミング撮り」というのは、セルを撮影しています。

 「セルは間に合ったんだけど、背景だけ間に合わない」とか、もしくは「色パカがあったので、後で直します」とか、リテイクするんだけどセルは間に合っているという段階のことを、タイミング撮りと言うんです。

 口パクのタイミングとかが全部わかるから、タイミング撮りと言うんですけどね。

 このセルが間に合わなかったら、第2段階の「動撮」、「動画を撮影する」というバージョンになります。

 この動撮になってくると、そろそろ声優さんの嫌味が始まる頃ですね。「ああ、今回も動撮ですか」って言われます。タイミング撮りくらいまでは、あんまり言われないんですけど。

 それも間に合わなかったら、第3段階の原画撮影、「原撮」ですね。

 原画撮影とかになると、口は動かないし、動きもわからないから、もう演技のつけようがないんです。正直言って。

 この原画撮影も間に合わない場合は、第4段階「レイアウト撮影」というのがあります。

 原画に入る前に、原画の人と背景の人が会って打ち合わせして「画面レイアウトはこんな感じで行きます」って決めるんですけど、この時のレイアウトをそのまま撮影しちゃうのがこれです。

 そのレイアウトも間に合っていない時、世の中には「コンテ撮り」という恐ろしいものがあります。

 このコンテ撮りは、絵コンテを撮影するんです。

 しかし、この絵コンテすらも、いよいよ間に合わない場合というのが世の中にはあって。まあ、『超時空要塞マクロス』でもあったはずだし、手塚治虫さんの24時間アニメでもあったはずなんですけど。最終段階として、純粋な「線撮り」というのがあります。

 これは「素材なし」ですね。つまり、何も映っていない16ミリフィルムに、演出助手が「えいやっ!」と引いたデルマの線だけを頼りに、とりあえず声優さんにアテレコしてもらって「声と作画した絵とあうかどうかは、それはもう、後のお楽しみ」という方法で合わせる方法があるんですけど。

 今回の『なつぞら』では、見ていただいたらわかる通り、コンテ撮りなんですよ。

 恐ろしいことに、絵コンテをそのまま撮っている。つまり、第5段階まで行っちゃってるわけですね。

 これね、おっかないですよ? もう、声優さんによっては、怒って帰っちゃうんですよね(笑)。

 まあ、声優さんやスタジオを、予め何ヶ月か前から押さえなければいけないから、こういう事態になるんですけど。

 『ルパン三世』のルパン役をやってた山田康雄さんは、すごい真面目な人で、ルパンのアフレコで、もう本当に、1カットだけ絵が動いてなかった、つまり動撮か原撮だったという時に、スタジオから出て行ったことがあるというエピソードがあるくらいですから。

 まあ、正直言って、原撮あたりからは、もう演技のつけようがないので、本当にラジオドラマになっちゃうんですね。

 しかし、1980年代、この『そら』が放映される5年後辺りから、アニメブームが本格化して、テレビアニメが毎週40本とか50本というありえないスケジュールで作られるようになり、もう原撮や動撮も当たり前になりました。

・・・

 注意したいのは、アニメーションというのは手作業だから、全ての作業にギャラの支払いが発生するんですよ。

 アニメーションの撮影というのは、セルを1枚ずつ、1秒間を24コマに分けて1コマずつ撮るんですけど。それがアフレコに間に合わなかった場合、どんどんこういう線撮りになるわけです。

 この線撮りのためのフィルムにも、だいたい、セル撮影とほぼ同じギャラが発生するんですよ。

 このコンテ撮りって何かというと、例えば、普通にアニメーションを撮る場合、3秒のシーンだったら、1秒間12コマだから、36回素材を変えて、パシャッパシャパシャと1枚ずつ撮っていくんですけど。

 これがコンテ撮りの場合は、コンテの1コマを大写しにして、そこで3秒間分、パシャパシャと連続で撮るわけですね。

 もう、本番では全く使わない無駄なものを、延々と30分番組分撮影して、演出家がそのフィルムの上から線を引くから、結局、同じお金を撮影さんに払わなきゃいけないんですよ。

 つまり「スケジュールが遅れる」ということは、単に「時間が遅れる」というだけでなく、「同じ支払いを2回しなきゃいけなくなる」という意味でもあるんです。撮影費が2重払いになっちゃうので、結構シンドいんですよ。

 先週も話した目玉焼きのシーンや今回の「良いものを作るためにアニメーターが頑張る」というのは、感動的に聞こえるんですけど、毎週オンエアするアニメでクリエイターのワガママを許しちゃったら、仕上げとか撮影に、ひたすら負担が行く。後ろへ行けば行くほど、このしわ寄せが激しくなるんですね。

 作画スタジオというのは、『なつぞら』を見て分かる通り、所詮は鉛筆と紙しかない清潔な環境なんですよ。

 ところが、これが仕上げ部門、つまり、仕上げの外注のおばちゃんのところへ行くと、そこら中、絵の具だらけで、しょっちゅう洗わなきゃいけなくて、未乾燥の塗料があって、湿って不潔な環境になるんです。

 さらに、それが撮影に行くと、撮影所というのはだいたい地下にあって、そこから外に出られずに、太陽の光を全く浴びないまま、暗い所で人間がずっと手袋をしっぱなしで作業をする、と。

 だいたい、アニメーターが頑張って一晩徹夜した結果というのは、仕上げは2晩徹夜することになるし、撮影は3日間徹夜することになるんですね。後ろに行くほど被害が酷くなってくるんですよ。

 だから、今回の線撮りのシーンというのを見ちゃうと、僕は笑うと同時に溜息が出るんですよね。「うわっ、キツいな」と思って。

・・・

 このアフレコのシーンで僕が楽しかったのは、これは『大草原の少女ソラ』の最終回で使われた台本なんです。

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【画像】『ソラ』台本 ©NHK

 「第39話 最終回:優しいあの子」って書いてあって。オープニングの曲名と同じタイトルに持ってきた、と。なんか、最後までちょっと余裕を持って遊んでいるところが、ちょっと楽しかったんですね。

 第1話の時は、こんな台本だったんですよ。

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【画像】『ソラ』初回台本 ©NHK

 「第1回:新しい家族」っていうやつなんですけど。

 でも、この台本、『大草原の少女ソラ』とは書いてあるものの、放送局も何も書いてないんですよ。最終回の台本には「UTV」ってちゃんと書いてあるんですけど、こっちは放送局も書いてない。

 だから、たぶん、この第1話の台本をスタッフが作った頃は「放送台本の表紙には何が書いてあるのか?」っていう取材をしてなかったんですね。で、それを先輩に見られて「バカ野郎! テレビの台本に放送局名が書いてないなんてことがあるはずないだろう!」と。

 本当は代理店名も書かなきゃいけないんだけど、「まあ、そこはいいや」と思って、こうなったんだと思います。

 それと同時に、ついに『大草原の少女ソラ』のポスターも発表されたんですけど。

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【画像】『ソラ』ポスター ©NHK

 「制作:マコプロダクション」ってわざわざ書いてあるんですよね。他にも、一応、放送が「UTV系列にて毎週日曜日7時30分」って書いてあるんですけども。「いやいや、普通、スポンサーを書くよね?」と(笑)。

 スポンサーと代理店をここにびっちり書くはずなんだけど、ここらへんがこうNHKっぽい嘘だなと思いました。

 まあ、このポスターの絵は、僕は結構、好きなんですけども。

・・・

 ちょっと一旦、コーヒーを飲みますね。

 ここまで『なつぞら』を見てない人でも全然楽しめる……アハハ、「楽しめる」というのは当たり前ですね。『なつぞら』とは関係ない話ばっかりですから(笑)。

 いや、こういうところばかり気になっちゃうんですよ、本当に。すごい取材して、遊んで作ってくれているのに「台本に局の名前が入ってない」とか、あと「ポスターにスポンサーの名前が入ってない」って、ありえないだろうと。

 あと「日本全国で日曜日の7時半に放送されるはずないだろ!」と。あの当時、1つの番組を日本国中同じ時間でオンエアするなんて、NHKだけなんですよ。絶対に民法は、例えば佐賀テレビは土曜日の7時半からとか、大阪だったら読売テレビで月曜の夜8時とか、絶対にそういうふうになるんですよ。だから、系列局の名前をズラリと書いてあって、それぞれ何時に放送されるのかを書くのが、もうお約束なんですけど。

 NHKの人は、そういう民放のお約束というのを知らないから、ついつい「日曜の夜7時半より」って書いてしまうんですよ。

 そこらへんも「なんか、NHKって、世間知らずでかわいい」とか思ったりするんですけどね。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B07TVBMSQG

・ガンダム完全講義3:『マジンガーZ』、『ゲッターロボ』から始まる映像革命

https://www.amazon.co.jp/dp/B07V3KDJV2/

・ガンダム完全講義4:第1話「ガンダム大地に立つ!!」解説

https://www.amazon.co.jp/dp/B07V7TCPSG/

・ガンダム完全講義5:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part1

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VC5B38D

・ガンダム完全講義6:第2話「ガンダム破壊命令」解説Part2

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VC777QW

・ガンダム完全講義7:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part1

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VB2HBVT

・ガンダム完全講義8:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part2

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VC41HS8

・ガンダム完全講義9:第3話「敵の補給艦を叩け!」解説Part3

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・ガンダム完全講義10:第4話「ルナツー脱出作戦」解説

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・ガンダム完全講義11:第5話「大気圏突入」解説

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VT4CNL3

・ガンダム完全講義12:第6話「ガルマ出撃す」解説Part1

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・ガンダム完全講義13:第6話「ガルマ出撃す」解説Part2

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・ガンダム完全講義14:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part1

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・ガンダム完全講義15:第7話「コアファイター脱出せよ」解説Part2

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・ガンダム完全講義16:第8話「戦場は荒野」解説Part1

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・ガンダム完全講義17:第8話「戦場は荒野」解説Part2

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・ガンダム完全講義18:第9話「翔べ!ガンダム」解説Part1

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・ガンダム完全講義19:第9話「翔べ!ガンダム」解説Part2

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・ガンダム完全講義20:第10話「ガルマ散る」解説Part1

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・ガンダム完全講義21:第10話「ガルマ散る」解説Part2

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・ガンダム完全講義22:第11話「イセリナ、恋のあと」解説Part1

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・ガンダム完全講義23:第11話「イセリナ、恋のあと」解説Part2

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