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『ポケモンGOピカチュウ&イーブイ』ーー平成のやつが俺たちにさよならを言ってやがる

マサラタウンに帰った日のことを覚えているだろうか。

ポケモンリーグを制覇し、殿堂入りして、
電源を入れたらどこから始まるのだろう、マリオのように最後にセーブした所なのだろうか、
そうワクワクしながらエンディングを見ていた。
タイトル画面に戻って続きから始めると、聞こえてくるのはマサラタウンの優しいピコピコ音。
皆さんは、あの時に沸き立った感情を覚えていますか。

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『ピカブイ』は待ちに待ったカントー地方での冒険。
ポケモンGOと連動してのライト向け外伝タイトルに見えるけれど、これが感動せずにいられるだろうか?
またカントー地方へ冒険に戻った僕を、マサラタウンの曲は変わらず迎えてくれた。
いきなりの感無量である!

プレイしてわかったけど、フィールドの作り一つ一つを覚えているんだよね。
ここにアイテムが落ちてるよって方向を体が勝手に入力するし、次にこいつはこう言うぞって台詞が浮かんできたりもする。逆に昔と出現位置が変わったポケモンは全部わかるし、地形や相手の手持ちポケモンに変化があればそれが違和感となって現れる。
そういうのを覚えていることで、自分はそこまでポケモンが好きだったんだなあというのを再確認できるのが嬉しい。
ハナダジムのプールの壁のイラストとか、育て屋にあるメタモンのぬいぐるみとか、細かい世界の作り方もいい。

とはいえ懐古趣味はそういう細かいところに現れるだけで、作風自体はかなり新しくなっている。
ポケモンを捕まえるとレベルが上っていくし、ポケモンGO同様強化アイテムを貰えて努力値の代わりになるので、今までは図鑑を埋めるだけだったようなポケモンも捕まえるインセンティブがある。そうやって捕まえていくとサクサク進める。

僕はとりあえず世界観とか映像とかを楽しみたい派なので難易度は易しめなほうがよく、3Dフィールドになるならシンボルエンカウントのポケモン捕まえまくりシステムのほうが合ってますね。
骨のあるゲームが好きなタイプの人は物足りないだろうけれど、そういう人はまあポケモンやってないでしょという気がする。

そういうタイプの人は越えやすいハードルしかないものをプレイする意味とは一体何なのかと疑問かもしれない。
多分僕は世界観に触れたいんですよね。ポケモンのキャラクターや世界が好きで、それに触れたい。それにはガイドがあったほうがよくて、そのガイドっていうのがつまりシナリオの役目ということになる。
カントー地方はその導線がシンプルだし、懐かしがるファンも多くて、高画質機の3Dマップで出すには最適だ。

ゲームを開始した時、感触を確かめるように両手を動かし、ゆっくりと部屋を見回す演出も、「プレイヤーが世界観に入っていく」ことを暗示する演出なのかも。あれはまさしく、「ポケットモンスターの せかいへ ようこそ!」なんだ。

平成に最後にこれが出たっていうのが感慨深いね。いろいろなものが停滞し、古くなっていく一方な中、コンピューターとアニメ・漫画・ゲームは進化していった。『ピカブイ』の発売は平成の終わりを記念したセレモニーだ。

「かがくの ちからって すげー!」

8bitの世界に広がっていたあのゲームはここまで来た。カントー地方は今やこうなった。
見よこれがこれこそが平成であると!!
今再びswitchに広がった夢と冒険の世界、それは僕らの平成なんだ。

コミュニケーションと普通の人間について知りたい。それはそうと温帯低気圧は海上に逸れました。よかったですね。