テレビ朝日『モーニングショー』の名物アナウンサー（？）の玉川氏が降板するという。
国葬をめぐる不適切発言の責任を取るらしい。

メディアの良心は死んだな、と思う。
（実際はスタジオからの降板で番組には留任したので良かった）

コロナ禍において、僕ら健康に不安を抱える国民の目線で発言してくれたメディア人は、玉川氏を除いてはほとんどいなかった。
無責任で悪質なデマを恥も外聞もなく垂れ流し続ける大手メディアも多い中で、彼だけは僕らの命や人権を尊重してくれていた。

「金のために高リスク層を殺して構わない理由」を、デマと詭弁をこねくり回して白々しく並べ立てる感染拡大勢力の刺客が次々と現れる中にあり、玉川氏だけが、踏みにじられる側に立ち毅然と発言してくれた。
新潮社に小学館に日経新聞。腐ったメディアの中で玉川氏だけが良心だった。

だからといって、勢いにかまけて発言した不確定情報で大企業に迷惑をかけてよいわけではないし、辞任そのものに意見するつもりはない。
ただ玉川氏だけが、僕らの命を気にかけてくれていたというだけだ。

思い出すのはワクチンの職域接種が始まった時。

当時はまだ東京五輪を有観客にするとか言われていて、
それでも僕が住む自治体はいくら待っても接種が進まず、
そのくせかかりつけ医への直接予約を禁止していて、僕は完全に取り残されていた。

日々必死で、戦々恐々とし、心が休まる暇がない。
そんな中で始まった職域接種には唖然とするほかなく、
「基礎疾患のある人間を優先する」という当初の方針はどこへ行ったのか、
なるほど選挙で牙をむいた高齢層のケアだけすればそれで構わないわけかと、
深い深い絶望の前に心折れ崩れ落ちていく精神。

そこで唯一
「基礎疾患のある人間が接種できていない中、職域接種はおかしいんじゃないか」
と発言してくれたメディア人が、ほかならぬ玉川氏だった。

結局僕は市役所に怒鳴りこんで無理矢理に接種を済ませたし、
玉川氏の発言が直接事態を変えたわけでもないのだが、
あの時ああ言ってくれたことを僕は忘れない。とてもありがたい。
社会全体から見て見ぬふりをされていた僕らの命を彼だけは気にかけてくれた。

報道番組で裏取りしない発言をして大企業に迷惑をかける。
まあ降板は仕方がない。それはわかる。仕方はないのだが。
それを面白おかしく報じている中に、感染拡大を煽り立ててきたメディアの記事があると、
「お前らは責任を取らないの？」と思う。

玉川さんは守ってくれたけどな。おまえらの悪意から、と。

コロナ禍で他人を死に追いやる誤情報を率先して流してきた人間がいる。
それを後押ししてきたメディアがある。

そいつらは、
「死ぬのは寿命」「必要な犠牲」「重症化する2割をトロッコで轢き殺せ」
などど言って、デマを流し、詭弁を弄し、時に捏造まででっち上げて、
奴らの自由な金儲けのために人が死んでいくことを社会に許容させるべく、
人権侵害的なプロパガンダを繰り返して高リスク層の死を煽った。

いじめの主犯格が、その場の空気をそれとなくおかしな方向に操作して、暗に「あいつ嫌いだからいじめたいんだけどぉ～～」と、周囲に伝えるように。

そういう邪悪な感染拡大勢力はテレビ朝日内部にもいる。
『報道ステーション』が5月末に無責任な脱マスク特集を流し、
twitterにしつこく切り抜き動画を掲載し続けたことは記憶に新しい。

そのツイートは、トレンド欄に隣接しながらもトレンドとは無関係にサジェストされるスペースに掲載され、明らかに通常のトレンドとは異なる長期間に渡って目につきやすい場所に掲載され、一般のツイート広告機能とも違うもの。
どこからどう見ても特殊な仕様な切り抜き動画のツイートが、報ステ公式アカウントから連日掲載され続けた。
人を死に追いやる誤情報を流すという確固たる意志がなくては実現しない。

事実その約1か月後には第7波の入り口となり、過去最悪の犠牲と子どもの死者も出したのが、報ステは全く反省していないらしく、昨日から新手のプロパガンディック・ツイートを広告欄に掲載している。

twitterのトレンド欄や検索エンジンのニュース欄を使う手法は、すっかり感染拡大勢力の十八番として定着している。
新型コロナへの警戒心を意図的に下げさせ、あるいは感染対策への反抗を煽る見出し。
これを般大衆の目につく場所に置き、普通の人はどうせ中身までは読まないから本文は無責任で無内容でも構わず、見出しを繰り返し見せて印象操作を行うものだ。
2020年から異様な情熱をもって繰り返されてきた殺人のプロパガンダである。

テレビ朝日のライバル、フジサンケイグループはその主犯格の一社であるし、芸人ブラックマヨネーズが「コロナ弱者をトロッコで轢き殺せ」と、政府に提言した番組もフジテレビの『バイキング』だった。
コロナデマによる人権侵害の主要な発信源である三浦瑠麗のこともフジサンケイは持ち上げに持ち上げている。

TBSの『ひるおび』に出演する八代英輝も悪質で、ワクチンがなく死亡率が数パーセントあった時期から「インフルエンザと変わらない」「5類（=対策放棄）にしよう！」とデマを流してきた。

国際弁護士という理論的思考の最前線にいながらまさか本気で新型コロナがインフルエンザと変わらないなどと思っていたはずがなく、現に2022年1月下旬の放送では、企業経営者の意見を代弁して感染対策に反抗してきたと口を滑らせてしまい、渋い表情を見せていた。

八代英輝といえば、共産党をめぐる不適切発言がスポンサーの一時撤退を招くほど炎上した一件も触れねばなるまい。
ネットのうわさレベルの放言で社会的地位のある複数の団体に迷惑をかけた点が玉川氏の騒動と酷似しているが、こちらはというとロクに謝罪もせず今も出演が続いている。

さすがデマで他人の死を後押しできる人間は倫理観と面の皮の厚さが段違いですなと思わずにはいられず、辞任表明によって玉川氏の圧倒的なマトモさが際立ってしまう結果となった。

そしてそのマトモな玉川氏は、コロナ禍で一貫して僕らの側に立ってくれていた。
殺人デマゴーグたちによる悪意に満ちた人権侵害に対して（むしろ奴ら本気で悪意なく死を煽っていたのかもしれないが）、玉川氏だけは「それはおかしいだろう」と言ってくれた。

そのことを僕は忘れない。
ワクチンで死亡率が1％を切り、3～4回の接種を済ませるまで、僕らが生きてこられたのは玉川氏の功績だと思っている。

もちろん医療従事者の皆さんの功績であり、
日々基礎的な感染対策を続け、状況が悪化すれば外出を控えてくれた
比較的まっとうな良心を備えた国民の皆様の行動のおかげでもあるのだけれど、
それらに並んで玉川氏の功績があると思っている。

ありがとう、玉川徹。