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2022トランジション~アーリーOFE②

↑これの続きになります。

・ドライブアタック

トランジションオフェンスの終盤の形
速攻でシュートまで行けなかった場合、両ウイング(#2, #3)は両コーナーまで走り切る。先行しているセンター(リム・ランナー, #4)はボールサイドのローポストを確保する。ボールを追走するセンター(トレイル, #5)は次のアクションのために、真ん中を少し遅れ気味に走る。

最初の速攻でシュートに行けなかった段階で、トランジションからのアーリーオフェンスへと移行していきます。最初の攻撃はドリブルプッシュをしているボールマンのドライブアタックです。

ボールマンのドライブアタック
(左上) ボールサイドのウイング(#2)はバックカット気味の動き(実際にカットしてしまうとスペースが無くなる)でX2を引き付けてドライブスペースを空ける。ローポストのセンター(#4)はDEFをペイントエリア内側に押し込んでドライブコースを空ける&カバーに行かせない(=クリア・アウト)。(右上, 左下) カバーDEFの動きによってキックアウト(右上)、サークル・アンダー(左下)などのアクションで両コーナーにキックアウト。(右下) #4はクリアアウト以外にも、バックボードよりも後ろの空間(デッド・ロー)にセットしてX4に対しての2対1を作る方法もある。

・ポストフィード

ドライブアタックに行けなかった時に、リトリート・ドリブルをして横にスライドするとローポストへフィードできる場合があります。

ドライブアタック(未遂)からのポストフィード
(左) ドライブを止められた時にリトリートドリブルしながら横にスライドするとローポストにフィードできる可能性がある。(右) #4は1on1を戦いながらカバーDEFの動きも見なければいけないので、①両コーナーはできるだけ動かない ②ミドル側にパワードリブルを突いているなら視界に入り続けるように同じ方向にカットする(#5)。

・トレイルのドライブアタック

今、これをメインにした練習はやっていませんが、この後のトランジション・スクリーンやドリブル・ハンドオフは、このドライブアタックがあるから上手く行くものです。というか相手のディフェンスがこのトレイルのドライブアタックを怖いと思ってくれないと、上手く行きません。

トレイルのドライブアタック
(左) タイミングを合わせて急加速し、縦のミートで距離を詰めてドライブアタック。(右) ドライブからのキックアウトは最初のドライブと同じ。パスを出したボールマン(#1)は右ドライブの可能性も考えて、パス後すぐにスペーシング(間隔)を確保するためにカット。

縦のミートによって距離を急激に詰めるのは、相手DEFを下がらせる効果がありますが、それとリトリートドリブルを組み合わせるとDEFとの距離を広げることができます。それによって生じたロング・クローズアウトによってカウンターのドライブや3Pシュートなどを狙うこともできます。

トレイルのドライブアタック②
(左上) 相手DEFがアタックに対応して下がるのであれば、リトリートドリブルによって距離を広げる。(右上) それによってロング・クローズアウトが発生したならカウンタードライブ。#1はドラッグ(ボールの動きに引っ張られて同じ方向に付いていく…ようなニュアンス)で2ガード(スロット)付近まで上がる。(左下) DEF(#5)がクローズアウトに来ない(来れない)なら3Pシュート。(右下) ドライブを選択したがアタックできないならコーナー(#3)とのドリブルハンドオフ(DHO)へ移行する。
トレイルのドライブアタック③
(左) 3Pシュートを選択した場合でも、#4へのポストフィード(青色)や、X3の位置によっては#3のバックカットへのパスも狙える。(右) 相手DEF(X5)が最初から離しているなら、ドライブアタックを狙わずにフレアミート(アングルチェンジ)して、ポストフィードやバックカットへのパスを狙ってもよい。この後にDHOへ移行するのもまったく同じ流れ。

・トランジション・スクリーン

トランジション・スクリーンにも掛けるタイミングやコースが色々ありますが、今、やっているスクリーンはトレイルのドライブアタックの恐怖が無いとDEFが付いてきてくれません。

トレイルのドライブアタック④ → トランジションスクリーン
(左上) DEFの距離が近い場合は急加速からのボールサイドカットでアタックする。(右上) その動きを阻止するためにDEFがコースを塞ごうとする。(左下) その駆け引きがあるからトランジション・スクリーンの動きにDEFが付いてきてしまう。(右下) その結果、広いドライブスペース(黄色)が空いてボールマン(#1)のドライブアタックがしやすくなる。

ここで大事なのはスクリーンをすることではなくスクリーンをかける目的です。言い換えれば「なんのために」それをやっているかを意識することで、複数のアクションが同じ目的だからどっちをやっても同じと思えるようになってきます。

トレイルのドライブアタック失敗 → ハンドオフ
一連のアクションが繋がっていることを示す一例。#5がパスを受けてドライブアタックをしようとしたがDEF(X5)が前に入ってしまった場合(左)であっても、「X5が付いてきたから左側に広いドライブスペースが空いた」状況はトランジションスクリーンと同じなので、自分からX1に向かうようにドライブして#1へハンドオフすれば、まったく同じプレイができる。

これら一連のドライブアタックの目的はカバーDEFを収縮させて、ロング・クローズアウトの状況を作ることで、それは基本的にDDMOの2ガードポジション(Slot)からのドライブアタックと同じものです。

アーリーアタック(上)とDDMOのSlotからのドライブアタック(下)
スタート位置こそ多少違うが、ペネトレイトイン(ペイントエリアに突き刺すようなドライブ)によってカバーDEFを収縮させて、そこからキックアウトをしてロング・クローズアウトを発生させる目的はまったく同じ。

つまり最初のこのアタックができたら、そのままDDMOに移行すると思ってください。マッカビはこのアタックができない時に、サイドを変え(相手DEFは1線~3線が大きく変わる)ながらペイントアタックを狙う動きとなります。

続きます。

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