モーションオフェンスの注意点:FW編①

「フォワード(FW)」というのも幅の広い言葉で、チームの戦術スタイルによっては「2番(シューティングガード)」を含んだり、「4番(パワーフォワード)」がセンターに含まれたりします。

左: ホーンズ・セット。1番がポイントガード(PG)、2,3番がフォワード(FW)で4,5番がセンター(C)。右: ドリブルドライブモーション・オフェンス。1,2番がPGを担い、3,4番がFwで5番がCとなる。

また、センターは別名「ビッグマン」と呼ばれますが、そのセンターを置かないシステムもよく使われます。「ビッグマンがいない」のでスモールラインナップとも呼ばれますが、高身長のフォワードの選手が状況に応じてセンター的な役割をしたりします。

スモールラインナップの布陣。左のように4人のFWが同じような役割をするチームや、右のように2人のガードと3人のフォワードという役割分担になっているチームなど、選手構成や目指す戦術の方向性などで色々なやり方がある。

その辺の話はこちらの記事に書いてありますが、バスケのポジションとはその時の「コート上の役割」だと思って読み進めてくれればありがたいです。

なので、今回の話での「フォワード」はアウトサイドをメインに攻撃を行う役割の選手くらいの意味だと思ってください。「ガード」の人達も2ガードのオフボール時には同じ役割になります。

FWが○○するのは「攻撃するため」

フォワードは攻撃することが仕事です。だからフォワードがパスを受ける(ボールミートする)のは攻撃するためです。そして、モーションオフェンスにおいてフォワードが動き回る理由も攻撃するためですし、フォワードがスクリーナーとなるのも(自分も)攻撃するためです。

この大原則を忘れてはいけません。

そしてフォワードはボールを受けた瞬間、一線のDEFには「離していたらシュートを撃たれるかもしれない」「不用意に近づいたらドライブされるかもしれない」という怖さを与え、二線、三線のDEFには「ドライブのカバーをしなければいけない」という緊張感を与えることが仕事です。

その脅威(threat)を相手に与える基本がトリプル・スレットです。最も重要なことは姿勢でもボールの持ち方でもありません。シュートするかもしれない、ドライブするかもしれない、キラーパスを出されるかもしれないという3つの脅威(Triple threats)を与えることができているかどうかです。

脅威を与えるためには

相手DEFに脅威を与えるための大事な要素は距離の長さ時間の短さです。どれだけ遠くでボールを持つか、どれだけ速く移動するか、キャッチの後、どれだけ早くリング方向を向くか、どれだけ短いモーションでパスを出すか…どれも小さいことですが、強いチーム、上手い選手は当たり前のようにやっていることです。

そのためにはアジリティのトレーニングも重要ですが、それ以上に準備が大切です。ミートの瞬間にシュートの準備ができているかどうか、それはつまりミートの瞬間にリングを向く準備ができているかどうかという話であり、更に言えばリングを向いてシュートを撃てるようなミートをしているかどうかという話になるわけです。それが準備です。

オフボール時の準備

準備には「次にどうなるか」の予測が必要です。
予測には「どういう状況か」の把握が必要です。
そして把握には状況を観察することが必要です。

それらは普段の練習から意識をしていないとできるようにはなりません。

ゲームの時にも、ハーフコート5対5でも、3対3でも、2対2でも、他の人がやっている1対1の最中にも、自分以外の人が何をやっているか、その人が何をやろうとしているのか、どういうプレーをしてしまいそうか観察していますか?自分とマッチアップしていないDEFや味方のプレーヤーが、今、集中しているのか、他のことを考えているのか…などを観察してますか?

そして、自分や、自分と同じポジションの選手が今、どこに立っていて、その立ち位置からどのようなプレーが起こり得るのか、たとえば今のボールマンとの距離ならスクリーンに行った方が良いか?それともカットした方が良いか?もしドライブが発生したらどこに動いて合わせれば良いのか?…などを考えていますか?

その積み重ねが大事になってきます。

次回はもうちょっと具体的な話になっていきます。

続きます。

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