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スマホ時代になってもまだ学生にパソコン買わせるつもり?

総務省『通信利用動向調査』によると、2019年度の13〜19歳のスマホ保有率は83.3%とされている。スマホ時代と呼ぶにふさわしい時代だ。しかしスマホ時代になってもまだパソコンに固執する大学教員が多いと感じる。

今回は、講義からレポート提出まであらゆる作業をスマホだけでこなす「大学の完全スマホ化」を実現する方法を提案する。

1.大学のスマホ化を議論する背景

1.1.オンライン授業がスタート

大学では、高校よりも都道府県をまたぐ人の移動が起こりやすい。新コロ騒ぎのなか多くの大学はキャンパスへの入構を制限しオンライン授業に移行した。東京大学は他大に先行して4月からオンライン授業をスタートさせた。

オンライン授業開始に伴い私は講義動画の視聴、出欠、レポート作成および提出までできるだけPCは使わずスマホだけで取り組んだ。すると、以前パソコンで取り組んでいたほぼすべての作業がスマホで代替可能だと判明した。

1.2.大学に蔓延する「パソコン教」

パソコン教とは「大学生はパソコンを買うのが当たり前」という常識を指す言葉だ。私はパソコン教の考え方がスマホ時代にそぐわないと思っている。

ではここで問いたい。「大学生はパソコンを使いこなせないとダメ」というのはただの思い込みではないだろうか?

結論を述べよう。オンライン授業を視聴したり、レポートを作成したりするのはすべてスマホで実現可能だ。

しかし理工学系の学生にとってすべての実験や研究をスマホでこなすのは現実的に難しいかもしれない。とはいえ、簡単なコーディングはJavaScript CodingやPythonistaなどのスマホアプリで代替可能。多少の機能を犠牲にすれば、Excelが担う表計算の役割はNumbersアプリ等で代替できる。

2.大学を完全スマホ化すべき理由

理由1:スマホは場所を選ばない

スマホ持ち歩き

スマホはどこでも使える。

スマートフォンはベッドの上でもトイレの中でも使える小型のコンピュータだ。オンライン授業によって家でも授業が受けられるだけでなく、散歩の休憩がてらに課題を進めたり電車移動中に授業を聞いたりできて面白い。

理由2:大学生協モデルのPCが高すぎる


生協のオリジナルPCが高すぎて、情報弱者の新入生をカモにしているようにしか思えない。

生協のおすすめモデルはピンからキリまであるが、ハイエンドモデルはCorei7搭載で18万近くする。タッチパネルまで搭載されているものもある。理工学部生の私が持て余すほどのオーバースペックだ。

まず、18万円も出さなくても十分なスペックのパソコンを購入できる。私が2018年に親に買ってもらったNEC NM550は11万未満。Core i5搭載で問題なく作動する。Dellやmouseなどの格安メーカーは6万円台で手に入る。

ちなみに、スマートフォンでは高価な部類に入るiPhone 11 pro maxの本体価格の最安値は税込131,780円。生協のハイエンドPCは税込179,800円(一例)。スマホ時代の今、パソコンを新たに買うよりもスマホを買い替えるほうがお得なのではないか。

理由3:スマホとPCを行ったり来たりしなくなり集中力がUP

パソコン

資料やレポートの作成をスマホ1台に統一すると集中力が上がる。

スマホとパソコンを2台同時に使用して、画面をいったりきたりする学生は多いのではないか。脳科学的に示されていることだが、ながら作業は集中力を奪われやすいためやめた方が良い。

3.大学のスマホ化推進に必要なもの

あらゆる作業をスマホで代替できるように、私が実際に使用しているスマホアプリを取り上げて紹介する。

3.1.OneDrive

Microsoftのクラウドサービス。私は横浜国立大学のメンバーシップで契約している。OutlookもしくはMicrosoft 365のアカウントでログインして使用する。OneDriveを大学全体で導入する際は教員との相談が必要とみられる。

3.2.Office

Microsoftの提供するOfficeアプリには文書、プレゼン、スキャンの3機能が含まれている。OfficeアプリはWord、PowerPoint、lensを1つのアプリに集約したものである。

あらゆる作業をスマホでできるように、パソコンで使っていたソフトをスマホアプリで代替する努力をしてみよう。

3.3.Teams・Zoom

ディスカッションやプレゼン型の授業を実施する場合はビデオ通話アプリが便利だ。特にteams、zoomはスマホでも利用可能。

スマホで授業を聞きながら、パソコンでメモをとるという学生もいるだろう。確かに、ビデオ通話アプリの使用中は別の作業を行うのが難しい。しかし私はながら作業はおすすめしない。マルチタスクを試すと集中力が途絶えやすくなるからだ。課題は一つずつ順番にこなすのが良いだろう。

3.4.Slack

近畿大学はオンライン授業にSlackを導入しているそうだ。横浜国大の私は使用したことがないが、企業のテレワークにも使われるサービスだ。

3.5.ファイルアプリ

Windowsのエクスプローラーに相当するiOS専用のファイル管理アプリ。iPhoneのブラウザからファイルをダウンロードすると、ファイルアプリで管理できるようになる。

3.6.大学独自の授業支援システム

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各大学の授業支援システムをスマホのUIに対応する必要がある。

授業支援システムとは、学内の人間のみアクセス可能な大学独自のICTシステムである。大学によって差はあるが、授業システムを利用すると講義資料をダウンロードして課題をアップロードできる。大学の完全スマホ化のためには、授業支援システムをスマホに対応するべく改修が必要だ。

4.まとめ

大学の完全スマホ化を実現するためには、講義視聴かは課題提出まで全部スマホだけでやってみようと学生側がトライすることと、授業システムをスマホに対応させる教員側の努力が必要だ。

5.あわせて読みたい

この記事は私が運営する「俺たちの現場」というブログから転載したものである。ブログでは私の出身大学である横浜国立大学について紹介している。下のリンクから関連記事をすべて閲覧できる。



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