提案理由

日弁連の会則に37条の2を加える提案をしたいと考えています。

その理由は以下のとおりです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、本年度の総会は当初は令和2年7月31日とされていたところ、9月4日に延期を余儀なくされた。また、延期後に開催された総会についても、首都圏における感染拡大の状況から、地方会からの参加を躊躇する声もあり、議決権の代理行使の委任を受けていた地方会の会員から、東京三会に所属する会員に復代理することを認める形を取ることとなった。
新型コロナウイルスの影響が収束する時期は見通せず、次の定期総会も感染状況を見ながら開催をせざるを得ないが、現行の会則では、総会の議決権の代理行使については「本人と同じ弁護士会に所属する弁護士である会員に限り、かつ一人で五十人を超える会員を代理することができない」(第40条2項)とされており、議決権の代理行使のために地方会から会員が参加することが必要となる。
こういった問題を解決するため、例えば他会の会員への委任を認めることや委任できる人数の制限を撤廃することなども考えられるが、より会員が参加することを容易にする方向の施策が望ましいと考える。
そこで検討すべきなのは、総会会場と各単位会を、日弁連が運営するテレビ会議全国網システムで接続し、各単位会の設けた場所も議場として、そこに集まった会員にも議決権行使を認めることである。
このようにすることには、新型コロナウイルス対応を超えた要請がある。例えば、業務が多忙であり総会会場となる場所への移動が困難な会員も、総会に出席して議決権が行使できることである。より多くの会員に参加の機会を保証することこそ、会の決定の正統性を高めるものであるはずである。
また、近年は気象の変化が激しく、台風や豪雨による被害が頻発している。総会に参加する予定であったが、気象状況によって移動が困難になった会員が多数出た場合、現在の仕組みであれば総会の開催自体が困難になる。このような事態を回避するためにも、各単位会が設ける会場からの総会参加を認めることが望ましいと考える。

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