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「オラなんか撮っとらんとそれでも撮れや」

"写真を撮ると魂を吸い取られる"

ばあちゃんはそういう時代の人間です。

写真を撮られるのを嫌がりました。

表題のことを言い、そして指差したのがこの黄色いツツジ。

つくづく、写真には見えているもの以外のものも写っているんだなぁと思います。

切り取られた部分以外の風景や周りにいる人、そこで交わされた会話、そして、撮る側にいる人間...

止まっているようで、止まっていない時間が写り込んでいます。


お話ししたように、ばあちゃんは撮られるのが嫌いでした。

でも、いつからか...

レンズを通したばあちゃんの顔は、笑っていました。

はじめ、「なんや?」という顔をするのですが、次の瞬間にはニコッとするのです。

それが僕には... 

寂しかった。

きっと、自分の死期を感じているんだろうと思ったから。

この写真は、去年のお盆に撮ったもの。

歩くのもやっとではあるものの、自分のことは自分でするし、草むしりも現役だし。

まさか今年逝ってしまうとは、思いませんでした。

考えてもみれば、人生で一番長く一緒にいた人です。

そりゃ自分がこんだけショックなわけや、と今更ながら思うわけで...


そうそう、見出しの畑ですが...

母が受け継ぎましたのでご安心を。

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さあ、うまいもんができるか!ばあちゃんも楽しみにしとるわ!

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ばあちゃんのこと、まとめたMagazine
よろしければ


- 撮影機材 -
黄色いツツジ
SIGMA DP3 Merrill

2019年お盆のばあちゃん
SIGMA sd Quattaro H + 35mm F1.4 DG HSM|ART

朝陽が差し込む畑
SIGMA DP3 Merrill

畑を受け継いだおかん
SIGMA sd Quattro H + 35mm F1.4 DG HSM|ART

きゅうり収穫中のばあちゃん
SIGMA DP3 Merrill

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