メディアの情報で、若い世代の間で北朝鮮による日本人拉致事件を知らない人が増えていると聞きました。それを受けて職場の学生さんに聞いてみたら、やはり、言葉としては聞いたことがあるけど、何が起こったかは知らないとの答えでした。

この人が悪いのではありません。拉致事件について話さなかった社会が悪いのです。ただこの問題の解決に向けての道筋を考えると大きな世論の力が必要となるので、ご家族や未だに囚われの身である同胞（はらから）の事を思うと、この無関心な社会情勢に、思わず暗い気持ちになりそうになります。

事実に基づく話がみんなに伝われば、本当に民度が高い国民なので、自らの意思と関係なく腕力をもって引き裂かれた家族に故郷にお戻りいただく事に、意見の違いは見えにくい事ではないでしょうか。

単純に1人の人間が何の前触れもなく、外国によって拉致され、故郷に戻ることが出来ない。これが本質です。イデオロギーに関係なく、原理は加害者が北朝鮮の独裁者で、被害者が無故の日本国民、これなのです。

40年という歳月が過ぎ、高齢になられ、愛する家族に再び会える事なく、天に戻られた方もおられます。どれほどの苦しい気持ちを抱きながらの活動の日々だったのでしょう。

僕はこの拉致被害者の皆様と作戦行動に従事されるかもしれない自衛官の皆さんに無事に日本にお戻り頂き、その後の生活も穏やかなものとなるように、社会として体制を整えることが大事だと思います。

僕はこの点においては安倍晋三さんを信じます。この総理以外に置いて、解決のシナリオの想像が残念ながら出来ません。万が一、この総理が志半ばで、後続に託すなどの体裁のいい理由でその職を離れた時、それは交渉相手の北朝鮮にとってのこれ以上にはない、朗報となってしまうでしょう。

在任期間が約8年たっても国民を自衛するだけの仕組み作りが完遂しないほど、僕らの社会には深く、無自覚に、護るといことに異常なまでのアレルギーを抱えている社会なのです。

世論の力がこの国では一番強いものです。どうか出来る事からでいいので連帯すべきを連帯し、あるべき国の姿に戻していきましょう。