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崩壊3rdのための洛星観光ガイド

【加筆修正 2023/4/5 23:10】安禾地方の所在地について、甌夏市の暦が北半球であるため東大陸ルナエが所在地の可能性あり。市民掲示板(3)がミスかどうか要確認。

クリュセ平原ってどこ?オリンポス火山?ルナエ沼?
地球と火星の往復は2年間必要?などなど

崩壊3rd2部では馴染みのある地球から洛星へと舞台を移したことで様々な点で疑問が出てくるはずです。そのようなことは知らなくても崩壊3rd2部を100%楽しめるはずですが、細かいことが気になる艦長のために基本的情報を崩壊3rd2部と併せて補足し洛星に馴染みを持つための記事です。


洛星の基本情報

洛星は太陽系第4惑星で太陽の周りを地球の軌道より外側の軌道で公転しています。洛星は地球の半分強の直径を持つ惑星で、表面積としては地球の1/4程度です。1日の長さ(自転周期)は地球が23時間56分であるのに対し、火星の1日の長さは24時間37分で若干長いものの大きく変わりません。(火星の1日の長さを地球と区別するために1 Solという単位が使用されます)

一方で、1年の長さ(公転周期)は地球が365.25日であるのに対し、火星は686.98日(1日を24時間とした地球日の場合、洛星日では668.59 Sol)になっています。これが1か月37,38 Solで1年が18か月になる洛星の暦に影響を与えています

左:洛星と地球の公転軌道のイメージ図、右:地球と洛星の大きさ比較

洛星の公転軌道は地球の公転軌道と比べ6倍程度楕円になっていることが特徴で、画像にある軌道上の右側(太陽に近いため近日点と呼ぶ)であれば公転が速く、一方で左側(遠日点と呼ぶ)では公転が遅くなります。(ケプラーの第2法則

そのため洛星では夏が他の季節と比べて2か月長い独特な暦が作られています(北半球)。また、北半球の夏は遠日点であるため比較的涼しく、冬は近日点であるため比較的暖かい穏やかな気候になっています。一方で南半球の夏は厳しい暑さとなり、冬は逆に厳しい寒さとなる四季が明確に分かれた気候をしています。

洛星の四季

この暦法は南大陸フェニックス州に存在した心宿帝国が発明したもので、心宿帝国が設立された年を元年とした暦を「旧暦」といいます。旧暦は「大崩壊」によって洛星文明が滅びるまで2185年間使用されました。

大崩壊後、甌夏市は世界の泡として存続することになりますが、このとき暦を改め遷移紀元元年とし現在の暦として使用されています。メインストーリー上現在は遷移紀元112年です。

文献:市民掲示板(3)

地球からのアクセス

地球から洛星へ移動するとき最も大事なのはタイミングです。飛行機や新幹線などで地球上の別の場所に移動するときと、宇宙船に乗って惑星間を移動するときの大きな違いは目的地も出発地も凄まじい速度で移動しているということです。

普段意識していないものの地球は秒速30km/s(時速108,000km/h)で太陽の周りを移動しています。地球より遅い公転速度である洛星でも平均して秒速24km/s(時速86,400km/h)で移動しています。神殺し装甲を装備したデュランダルでさえ天命本部からオセアニア支部へ移動する際に30分掛かっています(秒速10km/s程度)。

さらに惑星に着陸するためにはその周回軌道に入らなければいけません。あまりに速度を出しすぎると、宇宙船の推力が惑星の重力に勝ってしまい宇宙の果てに飛んで行ってしまいます。

そのため地球の公転方向と同じ方向にロケットを打ち出し公転速度を利用(速度は公転速度+ロケットの速度)しつつ、洛星と並走するような形で周回軌道に入ることができる下図のような軌道で接近することが最も効率的な移動方法として知られています。(ホーマン軌道

左:地球から洛星への軌道,右:洛星から地球への移動

洛星と地球の公転周期の違いから、このようなちょうどいい位置関係になることは2年2か月に一度しかありません。そのため、ヘリアの航行日誌にある通り地球と火星の間の往復には必ず2年かかることになります。

文献:ハイペリオン11号 航行日誌

今回ヘリアとコラリーは2022年12月1日の洛星と地球が会合する日から少し経った後(地球が公転周期上先行してる状況)で地球を出発しました。次に地球と洛星が会合するのは2025年1月12日であり、洛星と地球が会合するより前(洛星が地球に追いつかれる前)に洛星を出発することで帰還する予定です。そのため本編時空2024年1月末でコラリーとヘリアに残された時間は大体9か月ということになります。

洛星の地理

洛星は大きく4つの大陸によって世界を構成していました。

  • 東大陸ルナエ

  • 西大陸エリシウム

  • 北大陸アルカディア

  • 南大陸フェニックス州

文明の中心は南大陸フェニックス州にあり、一大帝国により支配されていた星です。帝都から見てルナエ地方を「東州」、エリシウム地方を「西州」としていたことが現在の東大陸、西大陸という呼称につながっています。中央には洛星最高峰のオリンポス山がそびえ立っています。

洛星の世界地図(簡略版)
NASAによる現代の火星高度地図
火星と崩壊3rd洛星における地名の対応図|フェニックス州の帝都が中心ではないことに注意
中心である本初子午線(経度0度)は便宜上天文学者が「適当に」決めました

東大陸ルナエ

東大陸ルナエの東海岸に位置する入り江、クリュセ平原

東大陸ルナエはラテン語の「月(Lunae)」に由来した名前を持っています。ヘリアとコラリーが現実世界の火星で着陸した大陸であり、「ルナエ沼」地帯には2人の探査基地がおかれています。「ルナエ沼」は実存する火星の地名です。

東海岸にはかつて人々を魅了した入り江「クリュセ平原」があり、このクリュセ平原の山でヘリア、コラリーは古代遺跡「砂場」(命名:コラリー&ヘリア、理由は砂が多すぎて嫌気がさしたため)を発見しました。少なくとも10億年以上は経過している古代遺跡には「海淵の目」と似た構造物があり、ここからデータの海に落ちたところで本編が始まります。

ちなみに古代遺跡「砂場」の地点、北緯22.4°西経47.5°は地球文明で初めて火星の地上探査を成功させたNASAの「ヴァイキング1号」の着陸地点です。

文献:ハイペリオン11号 航行日誌

南には太陽系の中でも最大級の大峡谷「マリネリス(ムリアス)峡谷」が南北を分断しています。長さは4000kmで日本列島がすべて入る程度の長さ、深さは7kmに及びエベレストより少し低い程度、富士山の2倍程度の深さです。このマリネリス渓谷によって「東大陸ルナエ」と「南大陸フェニックス」が分かれています。

マリネリス峡谷
文献:十二宮の紹介(ムリアスとあるがおそらくマリネリス峡谷を指す)

このマリネリス峡谷は火星の代表的な地理の特徴の一つであり、あまりに巨大なため宇宙からでもマリネリス峡谷を観測できます。崩壊3rdゲーム内の洛星でもマリネリス峡谷を確認することができます。

崩壊3rdゲーム内の洛星、東西にわたる巨大な峡谷が描かれている

マリネリス峡谷の西端、ルナエ大陸の西海岸は洛星有数の火山地帯「タルシス高原」が広がっています。特にアスクレウス山、アルシア山、パヴォニス山の1列に並ぶ3つの火山をタルシス三山といいます。

タルシス三山

中央火山 オリンポス

オリンポス山

タルシス高原の西端にあるのが洛星最高峰の「中央火山オリンポス」です。標高は約27,000mでエベレストの3倍の高さ、裾野の直径は550kmで東京から広島ぐらいの大きさです。これは洛星のみならず、太陽系惑星のすべての山の中でも最高峰の火山となっています。

日本、地球、洛星の最高峰の標高比較
日本地図とオリンポス山の裾野

余談ですが最近(2023年10月)オリンポス山は一つの島であったとされる研究成果がまとめられていました。(これを反映し南大陸フェニックス州に属さないとしている?)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0012821X23003151

文献:十二宮の紹介

南大陸フェニックス州

南大陸フェニックス州は洛星最大の大陸でフェニックス湖を中心とした豊富な水資源と耕地を有しています。また四季が明確に分かれた気候によって農耕社会が発展し、大崩壊によって洛星が焦土と化すまで有史以来洛星文明の中心地でした

モチーフは地球文明の中国で現代の洛星文明でも使用されている文字の発明、世界語の確立、暦の作成などの文化や火薬、羅針盤、活版印刷などの技術開発はすべてこのフェニックス州からもたらされたものです。

肥沃な大地をめぐる争いは激しく、多くの勢力が林立し幾度となく王朝は移り変わり、2度の戦国期を迎えるなど血みどろの争いが繰り広げられてきた土地です。→ 洛星の歴史

甌夏市を含む安禾地方もこの南大陸フェニックス州に移民によって作られた都市であることがわかっています(文献:市民掲示板(3))。『十二宮の紹介』では東大陸ルナエと混同されていることから、南大陸フェニックス州に位置するも東大陸ルナエに近い場所に存在していたと推察されます。

【加筆修正 2023/4/5 23:10】安禾地方の所在地について、甌夏市の暦が北半球であるため東大陸ルナエが所在地の可能性あり。市民掲示板(3)がミスかどうか要確認。

西大陸エリシウム&北大陸アルカディア

西大陸エリシウムや北大陸アルカディアは現状情報に乏しいです。しかし実際にエリシウム、アルカディアの名を冠する地名は火星に実在しており、おそらくその由来から逆引きしコンセプトをデザインしているようです。

西大陸エリシウムと思しき映像

西大陸エリシウムは崩壊3rd1部を履修した艦長にはもはやお馴染みのギリシャ神話の「楽園(Elysium)」に由来した地名です。西大陸エリシウムは桃源郷のような楽園をコンセプトにしていると考えられます。現時点でエリシウムが唯一登場したのは文献で『エリシウム神話特集』があるのみです。

北大陸アルカディアと思しき映像

北大陸アルカディア(古代ギリシア語:Ἀρκαδία)は古代ギリシャの地名で牧人の楽園として伝承されています。牧人の楽園のように野生動物溢れる草原としてデザインされているようです。

アルカディア王国がかつて存在し、その王子ルタによって南大陸フェニックス州は一度アルカディア王国によって統治されることになります。その後ルナエやエリシウムまで掌握して、初めて洛星全土を治めた帝国「太一帝国」はアルカディアが発祥の地です。(ちょうどモンゴルをイメージするとわかりやすいかもしれません)

洛星の歴史

「大河は文明の母である」という言葉が示す通り、地球の古代文明は大河の流域で興りました。水は植物栽培に欠かせない資源であると同時に、洪水などの災害を引き起こす原因でもあります。水害の被害を抑え、収穫を最大化するためには灌漑などをはじめとした治水が必要となります。これらの作業は多くの労働力を必要とするため、組織が拡大し文明となったというのが文明の興りとして有力な説です。

洛星の文明もその例にもれず南大陸フェニックス州のフェニックス湖の流域で文明が興りました。南大陸フェニックス州はフェニックス湖によって水資源が豊富なうえ広大な土地が広がっていたこと、四季が明確に分かれた南半球に位置していたことなど農耕に適した土地で、文明が発展する素地が整っていました。

洛星の歴史で特筆すべきは「洛星では古代から崩壊現象と思われる事象が発生していない点です」。古代中国に見られた蚩尤などの崩壊獣や中世のペストに見られる疫病の蔓延などは見られず、すべての王朝、帝国において戦争や経済危機など人災と呼べる犠牲者は出ているものの歴史に残るような崩壊災害による犠牲者の記述はありません。

以下に簡単に洛星の王朝をまとめます。

上古時代から古典時代まで
中古時代から近代まで

このためおそらく洛星では「フカのような火種計画を実行していたものは存在しない」のかもしれません

崩壊が発生するメカニズムはまだ謎のままですが、有力な説として実世界と虚数世界が対応していることから、実世界が生み出したエントロピーが虚数世界で負のエントロピーとなり蓄積することがあげられています。

つまり実世界の文明が発展すればするほど、それに対応する虚数世界にも同様のエネルギーが蓄積されていきます。そのため、火種計画で強引に文明を前に推し進めると、虚数世界のエネルギーが急速に膨張し蚩尤やペストといった崩壊現象を生み出すということです。

文献:遊雲教室・第101号

その点、洛星は皮肉にもあまりに戦乱を続けすぎたせいか文明の発展が遅々として進まず結果として崩壊災害に長らく見舞われなかったのかもしれません。この歴史は近古時代までの歴史をまとめたものなので、近代以降発生したであろう崩壊災害に関しては情報を待つしかありません。

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