[2020東京オリンピック]空手に最も愛されたひと。植草歩という武道家

空手史上最も空手に愛された選手

2020東京オリンピック
新種目:空手
組手女子61kg超級日本代表 
世界ランキング1位
植草歩
こんなに空手の神様に愛された選手がいただろうか。
空手の神様に「日本空手界を作り直せ」と言われているように感じる。

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日本空手初の五輪競技に

今回のオリンピックで植草選手は金メダルを期待された。
金メダルは確実とまで言われていた。
しかし結果は予選敗退。
植草選手だけじゃなく組手は荒賀選手の銅メダル1個のみ。
日本空手界の惨敗だろう。

この結果を誰が予想していただろうか。
メダルが取れると期待された選手が次々と敗けていった。
染谷選手、宮原選手、西村選手、佐合選手、そして植草歩選手。

昔、見た光景…日本柔道界

2012ロンドンオリンピック。
日本柔道界は松本薫選手の金メダル1個だけ。
男子は史上初めて金メダル「ゼロ」という惨敗に終わった。
その後、監督に就任した井上康生監督が取り組んだ改革が興味深い。
その詳しい内容は下記のVoicyを参考にしてほしい。

日本柔道界だけではない、日本のスポーツ界に共通する問題ではないか。
井上康生監督が取り組んだこと
2つの改革 根性論からデータ解析へ。そして情報と対話。
それまでの柔道界のシステムは選手がケガをしても合同練習の強制参加。
それがパワハラに受け取られることもあったという。
気合と根性。
とにかくがむしゃらに選手たちに努力を強制するのだ。
そこで井上監督は改革に乗り出す。
・練習量よりテーマを明確にし、そこにフォーカスして練習内容を決める。
・選手との話し合いを強化。選手の責任にせずシステムエラーとして改善。

格闘技は最終的には精神論にたどり着く。しかし、精神論だけではただの思考停止の逃げである。

漫才師・島田紳助の言葉:努力に逃げるな


「やみくもに努力しても時間のムダ。正しい戦略をたて、目標は何か。ゴールを設定し分析すること」
日本の武道はなぜかここに辿り着かない。
やみくもに努力させる。選手との対話も不十分。
その原因はなにか。あえて言おう!

『老害』であると!

今までの日本を支えてきた成功例があるのは分かるし尊敬する。
しかし時代は変わったのだ。
YouTubeで簡単に相手選手の研究される時代。世界は日本が思った以上に発展している。もう根性論だけの「竹やり戦法」は通じない。

哲学者アドラーの言葉

植草選手に対するネットのバッシング記事を見てると思うことがある。
それは哲学者アドラーの言葉だ。
「かわいそうな私、悪いあの人、これからどうする」
バッシング記事を見てると「かわいそうな私、悪いあの人」ここで話が終わっている。
重要なのは「これからどうする」ではないのか。
柔道界が積み重ねた実績を生かさないともったいない。
今回の日本空手界の失敗は明日への糧になる。

植草選手が空手の神様に愛される理由

彼女はオリンピック直前、パワハラを告発した。
それを見たとき、私は直感的に「もう少しガマンしてオリンピックが終わってからにすれば良いのに」
それと同時に「こんなん言ったら上からの圧力に負けるんじゃ?大事な試合前なのに」そう思いました。
それからは思った通りバッシングの嵐。
なぜか武道競技には厳しいのだ。(体育会系の呪縛)
特に私が気になったのは閉会式で横になる植草選手を非難した記事だ。
「他の競技ならともかく礼儀を重んずる空手という競技で横になるなんて云々」
ここまで書いたことも、このあとに書くこともすべて私の推測である。
なぜここまでバッシングされるのか。考えられる理由3つ
・女性だから
・女性が年配者(指導者)に反発したから
・目立ちすぎたから
まったく的外れな考えではないと思う。
植草選手はこうなることを覚悟の上でパワハラ告発したのではないか。
未来に続く後輩たちのため、悪い(古い)慣習はここで断ち切らないと空手界が良くならない。
空手界の未来のために動いたから神様が微笑んだ。

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夢は必ず叶う

今回のオリンピックで植草選手はメダルが取れなかった。
それは空手の神様が「空手界のために夢を将来に託せ」と言ったように感じる。
私の好きな本「夢をかなえるゾウ4」の中にこんなことが書いてある。

「あなたは、今、この世界には、かなわない夢があると思っていませんか?
あきらめなければならない夢があると思っていませんか?
確かに、一人の人生だけを切り取ってみれば、かなう夢も、かなわない夢もあるでしょう。でも、一人の生が終わったとしても、夢がたすきのように、人から人へ渡されていくものだとしたら。
夢がずっとつながっていくものだとしたら。
すべての夢は、かなうのです。

日本空手界の夢、植草歩選手の夢はまだまだ続く、
そして夢はかなうのです。


追伸

この記事を書いていて、なんだか言いたいことができました。
私は団塊ジュニア世代。空手の指導者たちも同年代で影響力のある立場の人も多いのではないでしょうか。
今の日本は「老害」が若者の気力を無くしてる。
そして私たちの世代もすでに「老害」なんだという意識を持たないといけません。
今までの常識を捨てる怖さはものすごくわかります。
若者が失敗するのを分かってるから口出ししたくなる気持ちもわかります。
それでも見守るのは私たち世代の「修行」です。
見守りましょう!
まだ「オレたちの時代」だけど、これからの日本を作るのは若者たちなんです。

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