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夏の終わり

めっきりと涼しくなった朝の顔。

秋の気配を感じさせてくれる流れる雲。

虫たちの音楽界に心癒される夜の風。

 暑かった夏も終わりを告げ、これから深まる木々や山々に色合いを楽しみにしているわたしです。趣味と言えるか、スマホで撮る写真を眺めながら今年の夏を振り返ります。蒸し暑い中、歩いた祇園祭の宵山。暗闇の中、浮かび上がる五山の送り火。そして、悲しげな灯りをともしゆらゆら流れて行く精霊流し。懐かしの顔、愛しき人の顔を思い浮かべながら見つめる川面に寂しさを感じる。待ちに待った夏なのに終わってみればいつもと変わらぬ日常がある。月の輝きに「何をしているんだろう?」とつぶやく自分がいる。



 作家さんにと夢を紡ぐために日々勉強のなか、思うようにいかない事へのいら立ちを秋の風が癒してくれます。文章を書くというのは難しくもあり楽しくもある作業。この作業で生活していければどんなに幸せだろうと思う。昼間は会社勤めのわたし、あくせく働き自分のため、家族のためにと我慢の毎日にふと弾けそうになる。この先の保証など、どこにもなく家族が寝静まる頃に起きだし一人パソコンの画面を見つめながら物語を紡いでいく。私の好きな時間。どんなに眠くとも作家さんになりたいと決めた日から少しずつ歩む日々です。

 そんな大切な時間に何も書けず閉じてしまうパソコンの画面。疲労のせい?いや、夢からの逃避行?逃げている自分?そして、今秋になり書いている自分がいる。ノートに投稿するのは久しぶり、いろんな壁が立ちはだかり、前へと進めないわたしが夏の終わりに確かにいた。夢は挫折するから夢?そんな思いが頭をもたげる。やる気をなくし人のせいにし、努力もせずにあきらめる。今までと同じ、この夢も秋の風と共に消えていくのか?

スランプ

 作家でもないのにスランプ?何をと思いのみなさんもおられるでしょう。しかし、生きていく上で上手くいくときもあればいかない時もある。それで当たり前、人生なんてそんなもの。しかし、いろいろな夢をあきらめてきたわたしにそう多くの時間は残っていない。とにかく、どんなことでも書いていこう。思いつくままでもいい。画面に文字を並べて行こう。そして推敲すればいいのではないか?ある作家さんの言葉。そう、その通りだと思った。文字の羅列にヒントが隠れているかもしれない?心の思うがままキーを打ち込んでいく作業を繰り返せばいいだけ。ただそれだけ。薄暗い朝もやのなかをさ迷っていた私に風が吹く。少し視界が開けていく。これから何年も、何年も書きつづけても意味がないかもしれない。けれども漠然と生きていくことは時間の無駄でもあるし、つまらない人生で終わると私は気づいた。たくさんの本を読み、たくさんの文章を真似る。そこからが始まり。夢への扉を開けるのは自分自身でしかない。今、午前2時。いつものようにパソコンを立ち上げキーを叩いていく。画面に映る文字たちが踊りだす。情景や人物などが頭に浮かんでくる。自分が経験してきたことを書けばいいい。プロットはそこにある。「なんかいい感じ」軽やかに指先が動いていく。季節のせいなのか?秋になり涼しくなった今、長かったトンネルを抜け出せそうだ。クーラの音、通りを歩く若者の騒がしい声もすっかり聞こえなくなった。静寂のなか画面に集中できる秋の夜長。読書の秋というけれど今わたしは実感している。やがて、木々たちのオシャレが始まる頃にはもっと深みのある時間を過ごせそうだ。

恥ずかしながら、これまでに紡いだ何本かの物語をこのノートで掲載してみようと思います。素人が紡ぐ物語ですが、ここから始まりそうな気がしています。そんな場を提供してくれるノートに感謝、感謝です。

浜辺にて くり返す波ありて見つめる先は 夢のまほろば


 みなさん、朝晩しのぎやすくなってきましたね。夏の疲れを引きずることなく来る秋を楽しんでくださいね。

oto9


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