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怒りや悲しみは、思い通りにならない時の感情

自分の思い通りにならないと、悲しくなったり憤ったり怒りを感じる人が多いのではないだろうか。
それは理想(思い通りにしたい)と現実(思い通りにならない)が合致せず、そこに生じた隙間に「怒り」「憤り」「苛立ち」「悲しみ」の感情として生まれるのではないかと捉える様にしている。


怒り

例えばクレーム。
お客さんの立場の人が「食事がまずい」「配膳が遅い」「接客の態度が悪い」というのは、「美味しいと良いな」「お腹が空いて早く食べたい」「店員さんに優しくして貰いたい」などの期待があり、それが思い通りにならなかった場合に「怒り」という形で人間の感情として現れる。
その怒りをどう処理するかは様々で、クレームとして表現する人、知り合いに話して発散させる人、自身の中でグッと堪えて我慢する人などそれぞれだ。
また、クレーム処理というのはシンプルで、その人の期待が叶わなかった事をこちらで言語化→共感→謝罪→改善宣言→次回への期待に繋げる事で解決する。


駆け引きによる苛立ちと、失恋による悲しみ

最近友人の山田が失恋をしたので失恋を例に取って考えてみる。
山田は2ヶ月前に合コンで出会った男性に誘われ、2人きりで食事をした。
その際に意気投合し、「ちょっと良いかも」「向こうも私の事好きっぽい」となった。

2回目の食事の際には朝までカラオケに行った。朝までと聞いて、「ちょめちょめしたのか?(話題のドラマより引用)」と質問すると「私は付き合うまではしないと彼に話したのでカラオケだけ。その時の反応からして多分付き合えると思う」との所感だった。

3回目の食事の約束の日に向け、山田は気合いを入れて臨んでいた。どうやらこの日はちょめちょめOKのつもりらしい。但し自分のポリシーは曲げない山田なので、ちょめちょめに持ち込み付き合う付き合わないを駆け引きする様だ。時期は3月中旬、とあるスギ花粉が酷い週末だった。
山田から私に連絡があり少し苛立っていた。
「例の人から前日にドタキャンされた。花粉症で体調が悪いとかで…」
これは山田の「会いたい」「今日じゃないとダメだった」「こっちは許す気でいたのに」と、自分の思い描く「付き合うまでのプラン」が全て台無しになってしまった事による、理想と現実の不一致による怒りなのだ。
結局会う約束はリスケとなり数週間後に決まった。

約束の日の前日、山田は彼から連絡がない事にイライラしていた。
彼のターンでLINEが終わっているのだから、彼が連絡をするべきだ。
また、約束しているのだから「明日〇〇予約したよ!何時にここで良い?」みたいな連絡があるべきだと言う。
その2つのべきについて私は全く賛同出来なかった。
山田の中では「早くLINEを返して欲しい」「向こうも楽しみにしていて欲しい」「早くお店と待ち合わせを決めて欲しい」の理想が叶わなかった故の苛立ちだ。

話がややこしくなるので別記事にまとめるが、山田は2回目の食事と3回目の食事の約束の間に色々やらかした。

当日になり、山田から連絡が来た。
「失恋した」「とても悲しい」「辛い」と。
総括で言うならば山田の「この人と付き合いたい」が思い通りにならず「悲しみ」になってしまったのだ。

私は今イライラしている

なぜこんな「怒り」や「悲しみ」について分析するかの様に綴っているかと言うと、私は今イライラしているからだ。
最近は怒りや悲しみを感じた時には自分の理想はなんだったのか、なぜ現実にはそうならなかったのか、自分にもっと出来る事はあったのか、自分と相手どちらに非があるのか、と分析する様にしている。
要は自分の思い通りにならなくて感情を爆発させる前に、俯瞰してみてその怒りは妥当なのかを審判するのである。

今日は13時間近いフライトだった。
私は中堅の立場で先輩が3人、同期が3人、後輩が6人いた。
私の担当するビジネスクラスには先輩1人、後輩4人がいたが、その日は先輩がパーサーなる責任者を担ってくれていたので指示に従いながらせっせと働いていた。
「今日はファーストクラスが満席だからおとうふさんはファーストクラスのヘルプに行ってください。」
と言われ緊張感溢れるファーストクラスで愛想を振り撒き自身の担当するビジネスクラスへ戻ると、私の空いた穴を誰もフォローしてくれていなかった。
パートナーとなる後輩も2つの仕事を兼任していた為、私の担当するお客様を気に掛けてくれていたものの自分の仕事をこなす事にいっぱいいっぱいだった。
結果、私達は他のメンバーと比べてワンテンポ遅れたスピードでサービスが進んでいた。

サービスが終了した後先輩に呼び止められ
「おとうふちゃん達のサービスが遅れていた理由ってあるかな?」
と言われ、私もさすがにカチンと来てしまった。
言葉を選びつつ、自分が抜けた穴を誰も保管してくれていなかったので遅れるのは仕方ない事なのではないか、個人プレイではなく全体が強力してひとつのクラスなのだから責任者は全体を見ながら人員調整するべきではないか、と伝えた。
「確かに最初のスタート遅れてたけど、そんな差はなかったよね?」
と言われた為、私の悪い所が出てしまい
「あの時何時何分に私が〇〇と報告した時にこうだったので24名くらい差がある状態でスタートしてましたよね。」
と、理屈っぽく答えてしまった。

では私はどうしたかったのか。
・そもそもこの長距離のフライトに行きたくない
・ビジネスクラスは大変だから嫌だ
・ファーストクラスのヘルプは行きたくない
・自分が抜けた穴は誰かに補完して欲しい
・ワンマンプレイではなくチームワーク良く働きたい
・早かろう良かろうのサービスはしたくない
・お客様に食事も飲み物も楽しんで欲しい
・綺麗にキッチンを使いたい
・自分のやり方に口を出されたくない
・労って欲しい

フライトが嫌だビジネス・ファーストクラスが嫌だはただのわがままなのでぐっと堪える事とする。
抜けた穴に関しては先輩曰く「〇〇ちゃんにお願いしたんだけど伝わってなかった」と言い訳されたので、今後この先輩はあまり信用せずに自分で他の人にお願いする事とする。
チームワークに関しては期待してはいけないと諦めたが、自分は大切にして相手も助けてくれる環境を作ろうと思う。
早かろう良かろうのサービスは、それをモットーとしてやっているCAもいるので強制はしない。いつかクレームが来て心改める事に期待する。
お客様に楽しんで貰うのは自己満足ではあるが自分だけはこれを忘れずに、自分が責任者になった時には後輩にそう伝えれば良いやと今回は諦めた。
最後の3つは私が我慢すれば良い事なので、今回は気にしない様に心掛ける。

こうすればきっと帰りの感情はもう少しコントロール出来るかもしれない。
コンクリートジャングルに囲まれてあと24時間寝るだけだ。

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