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bitFlyerでSTOP注文を失敗しない方法

STOP注文失敗はbitFlyerのせい?

チャットやタイムラインを見ていると、STOP注文やトレーリングストップ注文を出していて、トリガー価格に引っかかったにも関わらず失敗して利益の逃したり損失を出している方を見かけます。

私も昔は何度か失敗した事があるのですが、失敗する条件について調査し、ある事に気づいてからは失敗することはなくなりました。
失敗の原因は一言で言うと「証拠金不足」であり、証拠金を出金したりしていてフルレバに近い状況でトレードしている場合に起こりやすくなります。
このことに気づいてからは私も失敗された方を見かけるたびに証拠金不足ではないかとお伝えしています。

察しが良い方にはこのように一発で分かってもらえるのですが、中には納得頂けなくて説明に時間を割くことも…
何より、1対1でやり取りしていては一向に広まりませんし毎回説明するのも大変ですので、1対nで発信できるnoteという形でSTOP注文が失敗する原因、注文の種類と証拠金の関係について投稿することにしました。
(bitFlyer向けに記載していますが、一部異なる点はあるもののBitMex等他の取引所でも同様の現象が起こることがあります。)

公式にも以下の記述がありますが、注文と証拠金の関係を正しく理解していないと「証拠金足りているはずななのに失敗した」という誤解をしていまいがちです。

IFD(2 つ目の注文)、ストップ注文、ストップ・リミット注文、トレーリング・ストップ注文は、 注文の発動時点で証拠金が不足している場合、当該注文の発動及び執行が行われませんのでご注意下さい。

以下、証拠金5万、レバレッジ設定15倍の時の例として失敗の原因と解決策を説明します。
※この投稿で説明する原因と解決策は、裁量でもbotでも共通です。
※無料範囲内に失敗の原因と解決策の説明は記載しています。

目次

・STOP注文失敗はbitFlyerのせい?
・STOP注文の失敗例①:利確指値とストップロス注文を出していて証拠金不足
・STOP注文の失敗例②:ドテン用のストップ注文を出していて証拠金不足
・注文の種類と証拠金の関係まとめ
・(有料)フルレバで利確指値を出しつつストップロスを通す裏ワザ

STOP注文の失敗例①:利確指値とストップロス注文を出していて証拠金維持率不足

まず、これが一番多い事例ではないかと思います。
証拠金5万、レバレッジ設定15倍では維持率100%で5万×15倍=75万相当までのポジションが持てます。(正確には維持率80%まで持てますがここでは重要ではないので省略します。)
75万で1BTCロング、76万で利確、74万で損切りしたいとします。
この時、注文と証拠金の関係は次のようになります。

①75万で1BTCロング
75万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=50,000の証拠金を使用。

②76万で1BTC指値売り
建玉の反対売買で、建玉の数量内のため証拠金の使用無し。

③74万で1BTCストップ売り
ストップ注文は注文時には証拠金を使用しない。
ストップ注文はトリガ後に証拠金を使用する。
建玉の反対売買だが、②で建玉の数量まで注文済のため、新規に証拠金を必要とする。
74万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=49,334の証拠金が必要だが、①で証拠金を使い切っているためトリガ後に失敗する。

※②③は個別の注文でもOCO注文でも同様です。
※③をトレーリングストップ注文としても同様です。

③で失敗しないようにするには、通常、以下のいずれかの解決策を取ることが必要です。

・証拠金を追加する
証拠金が10万あれば、証拠金+含み損益>①+②で必要な証拠金×0.8となりますので③は成功します。
注意点としては、含み損が大きくなると必要な証拠金に足りなくなることがあります。
74万で約定できる場合は、含み損10,000なので含み損益込み証拠金90,000で必要証拠金が①50,000+③49,334=99,334に対し証拠金維持率90.6%として成功しますが、トリガによる成行注文発動が遅れ含み損が20,533を超える場合=10,533以上滑る場合は、必要証拠金が99,334に対し証拠金維持率80%=79,468の証拠金を割ってしまうため失敗します。

・建玉を小さくする
建玉を0.5BTCにすれば、証拠金を追加せずに③を成功させることができます。
ただし、利益も半分、損失も半分になります。必要証拠金も含み損益も半分なので、遅延時の失敗条件も同一です。

・利確指値を外す
利確指値を外して②で証拠金を使わないようにしておけば、③のトリガ時に必要な証拠金は建玉の数量内の反対売買として処理されるため証拠金、含み損益に関わらず成功します。
利確注文は実際の値動きを見て利確ポイントに差し掛かったときに出します。

STOP注文の失敗例②:ドテン用のストップ注文を出しいていて証拠金維持率不足

もう1つ、私が昔よく失敗していた注文の出し方がストップ注文でドテンしようとしたときです。
これも、注文の種類と証拠金の関係を理解すると証拠金不足であることが原因と判ります。
75万で1BTCロング、76万でドテンショートしたいとします。

①75万で1BTCロング
75万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=50,000の証拠金を使用。

②74万で2BTCストップ売り
建玉の反対売買で、1BTCまでは証拠金の使用無し。
残り1BTCに74万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=49,334の証拠金が必要だが、①で証拠金を使い切っているためトリガ後に失敗する。

この場合は、以下のようにすることで証拠金追加も建玉縮小もなしで成功させることが可能です。

・IFD注文でクローズとエントリーを分ける
IFD注文で1BTCストップ売り約定後1BTC成行売りとなるようにします。すると、
①75万で1BTCロング
75万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=50,000の証拠金を使用。

②74万で1BTCストップ売り
ストップ注文は注文時には証拠金を使用しない。
ストップ注文はトリガ後に証拠金を使用する。
トリガ後:建玉の反対売買で、建玉の数量内のため証拠金の使用無し。
(74万-75万)×1BTC=10,000の損失のため証拠金は50,000から40,000に減少。

③74万で1BTC成行売り
74万BTCJPY×1BTC÷レバ15倍=49,334の証拠金が必要。
40,000÷49.334=80.1%としてぎりぎり成功します。

ただし、こちらも遅延や成行注文のスリッページにより②での損失が大きくなると証拠金不足となり③で失敗します。
(②は建玉の数量内のため必ず成功します。)

証拠金追加や建玉縮小の他、②のストップ値を上げて損失を減らす、③のエントリー数を減らす等である程度のスリッページを許容できるようになります。

注文の種類と証拠金の関係まとめ

無料範囲の最後に、注文の種類と証拠金の関係をまとめておきます。

Simple Order
執行条件     | 証拠金      | 証拠金不足時
-----------+--------------+--------------
指値        | 注文時に使用 | 注文できない
成行        | 約定時に使用 | 注文できない(証拠金ギリギリだと注文後失敗することも)
STOP       | トリガ後使用 | トリガ後失敗
STOP-LIMIT | トリガ後使用 | トリガ後失敗
TRAILING   | トリガ後使用 | トリガ後失敗

注文種別       | 証拠金
--------------+-------------------------------------------------
IFD IF側      | 執行条件に従い使用
    DONE側    | IF側約定後、執行条件に従い使用
OCO 1注文目    | 執行条件に従い使用
    2注文目    | 執行条件に従い使用
IFDOCO IF側   | 執行条件に従い使用
       DOCO側 | IF側約定後、OCO注文それぞれの執行条件に従い使用

※OCO注文は指値+指値だと注文時に両方の証拠金が必要です。指値+STOPだと指値分だけで注文できますが、STOP発動時には追加で証拠金が必要になります。

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