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暗譜が辛い大人のピアノ初心者、一体どうしたらいいの?

この記事では、ピアノをコンサートや友達の前で弾く時に、暗譜ができない・不安がある!という大人の初心者に向けて、役立ついくつかの方法とヒントを紹介します。

楽譜がなくても良い演奏ができるように、楽譜をより効果的かつ徹底的に学びましょう。

暗譜が根本的にうまくなる方法

あなたが、楽譜があれば普通1時間くらいで一通り弾けるかな、という、相当かんたんに思える曲を1つ準備しましょう。

ここは鬼滅の刃の紅蓮華なんて、ひとついかがですか?

まず、ふつうに楽譜を見ながら曲を学びます。

5割くらい弾けるようになってきたら次に、実際に音符を見つめながら、2〜4小節を間違いなく2回演奏します。

お次は、目の前の楽譜を見ながら同じパートをさらに2回演奏します が、今回は代わりに手とピアノの鍵盤を見てください。楽譜をときどき見上げてOKですが、主に手と鍵に目を離さないでください。

楽譜を閉じてでさらに2回演奏しますが、今度は絶対に鍵盤と手を見続けます。

このように全体を学習した後、さきほどは2-4小節でやりましたが、今度は4〜8小節のより大きな部分で同じ流れをやります。

曲全体を心から演奏できるようになるまで、パーツを追加し続けます。

この練習の肝は、あえて簡単すぎるように思える曲を使って、暗譜専用の訓練をしてみることです。
技術的にもチャレンジングな曲を選んでしまうと、あれこれ気が散って、全然楽譜に集中するトレーニングはなりません。

発表会の曲はなるべく早くに仕込む

ひとに聴かせる曲で頭が真っ白になった経験があるという方は、その曲をはじめて弾いたのが本番の何日前だったか振り返ってみてください。60日以内というひとは、初心者としてはかなり危ない橋を渡っています。

曲を暗記する方法を学んだからといって、いつでもすんなり頭に定着してくれるというわけではありません。あなたがよほど音楽の理論に詳しくて、「合理的に考えれば次はこういうフレーズが来たはずだ」というふうに本番に落ち着いて繋げるようなピアニストでもないかぎり、本番のプレッシャーのなかでもすらすら身体が勝手に動いてくれるようにするためには、いつも定期的に頭から引っ張り出している曲である必要があります。

  • 曲を完全に覚えてから(弾けるようになってから)最初の週は、できれば1日に数回または最低でも1日に1回演奏してください。

  • 2週目は、1日おきに弾くようにます。

  • 3週目、2日おき。

  • 4週目は 3日おき。

たとえば、こんなふうにして、普段から記憶から引っ張り出す練習をしておくのです。こうすれば、普段からやっていることは本番とたいしてかわりません。

大人のピアノ初心者が発表会で弾く曲をえらぶときは、本番までにちょうど弾けるように逆算して難しい曲を選ぶのではなく、本番までに記憶定着期間を1ヶ月くらい残せるようなレベル感の曲を、余裕をもって選定するようにしましょう。

ほかにもあらゆる手段で記憶定着を図る

まだ本番を迎えるのが心配ですか?
たしかに本番は、よきせぬトラブルがよくあります。
大人のピアノ教室には忙しい生徒さんも多いので、自分の前に出演するはずだったひとが2人連続で遅刻して、予想より15分も早く急遽出演する羽目になるかもしれません。

自分が弾き始めた瞬間2人が到着して、ホールのドアのあたりがなにやらガヤガヤしています。ああ、もう頭が真っ白だ…

おすすめの暗譜強化法としてほかに、普段からメロディを声に出して歌いながら過ごすことがあります。
ピアノの練習は、何も鍵盤に向かっているときしかできないということはありません。お風呂に入っているとき、掃除をしているとき、庭にいるとき、なるべくいつもメロディを歌うようにしましょう。カラオケで十八番の曲が飛ぶことはそんなにないはずです。歌として頭に叩き込まれた曲は、本番に飛ぶこともそうそうありません。

または、あなたの曲の記憶は、自分の落ち着く練習室に結びついてしまっているのかもしれません。自宅でしかうまく弾けない気がするというひとは、外部のピアノスタジオを借りたり、ストリートピアノを弾いてみたりして、なるべくそわそわするような環境をあえて用意してみましょう。

普段家族がいない時間に一人で練習しているというひとは、あえて家族に頼んで、演奏する周りであれこれしながら過ごしてもらうという一日を過ごすのも効果的でしょう。

実は暗譜に困ったら、隠された奥の手もある

通常、コンサートではお客さんは手元に楽譜を用意して聴いているわけではないですので、よほどポピュラー曲を演奏しない限り、パートが飛んでしまっても気付かないのです!

たとえば、スコット・ジョプリンの 『エンターテイナー』のすべてのバリエーションや、ベートーベンの 『エリーゼのために』のすべてのパートを演奏する必要は、実はありません。

楽譜には繰り返し記号がありますが、すべてのリピート記号を忠実に守る必要もありません。

たとえば、ビリー・ジョエルのピアノマンには多くの繰り返し記号があります。この作品は一緒に歌うために繰り返しを入れているのであって、独奏のコンサートで誰も一緒に歌わない場合は、すべてのリピートを演奏する必要は全くありません!

ひとに聴かせるためにピアノを弾いているとき、変に大人が悩んでしまう1番の原因が、「あれ、さっきもうここを弾いた気がするからリピートしなくていいんだっけ。それとももう1回やるんだったかな・・・」となってしまって、肝心の切れ目でもたもたと音楽を止めてしまうことです。

一度止まってしまったら、さあ大変。流れで暗譜していたこの先が全部飛んでしまいました。あわてて最初から弾き直すあなた。さすがに曲を知らないアマチュアの観客でもみんなに気付かれてしまいました・・。

こうならないようにするためには、あえてリピートは弾かないと最初から決めてしまうのです。

もっとハイレベルな暗譜の達人になりたい方へ

上では紹介しなかった、玄人向けの暗譜練習法もあります。
将来はジャズバーでお客さんにせがまれた曲をさらりとかっこよく弾いてみたい、といった方の場合、相当高い暗譜力があると一層楽しい大人のピアノライフが待っています。

ありえないくらいゆっくり演奏する

あなたの普段の演奏は、通常のテンポで流れで弾いているからこそ、次のフレーズが思い出しやすいのかもしれません。あえて、ありえないくらいゆっくりなテンポを設定してみたらどうでしょうか?
筋肉で動きを覚えてしまっているところが切断されるので、記憶があいまいなところは、突然弾きにくくなるかもしれません。

リバースプレイ

一番最後から曲を始めて、最初に向かって、順番に1フレーズずつ演奏します。
これができた時点で、あなたの曲の記憶はしっかり構造化されているということになり、最高レベルに達しています。

大人がもっとピアノを楽しむ方法

独学でピアノを学んでいたり、いまの先生がこういった暗譜の方法などまではカバーしきれない場合、大人専用のピアノのオンラインレッスンや通信教育を追加することで、あなたのピアノライフは圧倒的に便利になるでしょう。

ピアノについても、2013年頃からかなりたくさんの革新的な学習法が登場してきました。もうアメリカでは、2020年以降実に6割くらいの楽器愛好者は音楽教室には通っていません。みんな、アプリや動画で勉強しているのです。過半数のひとがです!

現代では、最寄りの教室に一人だけ所属している先生に教わって、最寄りの教室主催の発表会に2万円払ってよしみで出演して終わり、という学習スタイルはスタンダードでないことを覚えておきましょう。

まるで個人にテーラーメイドで設計してもらえる旅行プランのように、世界中から世界中から自分にぴったりのレッスンをオンラインで選んで、また同じような音楽の嗜好をもったアマチュア同士で集まる発表会や同好会を地元で探してお互いに感想をシェアしあい、自分のブログやSNSを開いて毎日の練習成果や悩みを共有するのがこれからのスタンダードのピアノ練習法です。

ピアノの学習アプリのスタンダードとして、Yousicianがあります。
また、英語の分かるかたなら世界的な動画レッスンのUdemyがおすすめです。

36万人が高く評価している講座が、世界のどこからでも受けられます。

英語の講座は厳しいという方の場合、時間の定めなく受けられるピアノレッスンで日本で1番生徒数が多いのはフォニムです。プロの奏者が自分の練習に日々アドバイスや感想を届けてくれるのが目玉となっています。

無料のYouTube動画でも、とても質が高くて見入ってしまうようなものがたくさんあります。


独学用の本も、対面レッスンより質の良いものがたくさんあります。

ちょっと本が小さいので譜面台に置いて練習できないのが玉にきずですが、周りでも実際に無理なく続けられたというひとの多い名著です。本についているコードから、スマートフォンでお手本動画の視聴ができます。

本当の初心者、初めてピアノに触る方向けで、多少経験があるような方は物足りないかと思いますが、とてもわかりやすい本です。

DVDも、先生の声や姿が載っているものは珍しく独学で始める方にはとてもありがたい名著です。目で見てしっかりピアノが理解できるでしょう。